139:◆7b3JfpIY/2 2011/04/01(金) 21:53:31.56 ID:DmbWwsBq0
いつも読んでくださってありがとうございます。
誠に勝手ながら、一身上の都合によりこのssは打ち切らせていただくことになりました。本当に申し訳ございません。

残りはQw02さんによる新作を投下させていただきたく思います。どうぞご了承ください。

140: 2011/04/01(金) 21:54:12.62 ID:DmbWwsBq0
<1> 

 カーン。

 先輩「おーい行ったぞそこの一年!!走って取りに行け!!」

 坊主「うすっ!!」

 俺は今年入学したばかりの高校一年生。所属は野球部。故に頭は坊主。
 背はそんなに高くない。体重もあまりあるわけじゃない。バッティングは得意とは言えない。別段足が速いわけではない。かと言って守備が巧いなんてわけにもいかない。
 でも運動神経が悪いわけじゃなくて、あくまで良くないだけ。ついでに言えば学業もそこそこ。おまけに言えば顔もそこそこ……うん。

 坊主「あの先輩無駄に飛ばしすぎだろう……しかも大ファールだし」

 入部して1週間が立ち、やっと部活の流れにも慣れ、どの先輩が怖いのか正確に理解しはじめた今日この頃。 

 坊主「はっ!はっ!」

 ボールは校庭の隅から校舎の裏へと駆けていく。これは野球部のグラウンドの立地上、最も長い球拾いコースとなる。

 坊主「あーラッキー!木陰でちょっと休んで……駄目だあの先輩ずっと見てるし」

 振り替えると先輩は鬼の形相でこちらを睨んでいた。先輩は後輩を監視してケチをつける義務でもあるのかと思いつつ、俺は素直に観念して校舎裏へと足を踏み入れた。
魔法の世界
141: 2011/04/01(金) 21:54:47.24 ID:DmbWwsBq0
<2>
 
 坊主「こっちに来たけはずだけど……草の下入ってたらやっかいだなぁ……あ」

 ここは人気の少ない校舎の裏である。そして綺麗に折り畳まれた制服が……地面に置いてある。
 
 坊主「これ……も、もしかして」

 まごうことなきうちの女子の制服だ。っていうことはだ。もしかしてそういうことなのか?  
 
 坊主「いやでもこんなご丁寧に畳んで……しかも全部」

 ん?

 坊主「いや、ってことはこの中身の人は」

 ザっ

 魚人「あ」

 坊主「あ?」

 ……ご想像出来るだろうか?

 坊主「あ、あが……」

 魚人「見られて、しまった……」

 校舎裏には真っ裸の魚人フェイスの女の子がいた。

142: 2011/04/01(金) 21:55:22.19 ID:DmbWwsBq0
<3>

 坊主(ぴ……ピンク……)

 いかに異様な頭部を持とうとも、直ぐ様目線がそこに向かってしまったのは男としてしょうがないことと言いきれるだろう。てゆうか見られているのに全く隠そうとしない女の子。女の子?

 魚人「それ、私の」

 ジャリ

 魚人は俺の持っている制服を指さし、砂を裸足で踏みしめてゆっくりと近づいてきた。

 坊主「あ、あわ」

 異様な光景である。
 めちゃめちゃ異様な光景である。

 坊主「う、う、うわああ!!」

 俺は制服をその場に置いて逃げ出した。一糸まとわぬ(少し疑問の残る表現だが)姿を見られた彼女の方が普通は逃げ出す側なのだが、

そこはほら、俺はまだ少年だし?
 
 坊主「うあああああああああ!!」
 
 軽く涙を零しながら俺は走る。最初に見た異性の裸があんなのなんて思いたくなかったのだ。
 なんとかしてこの頭の中の画像を消してしまいたい。そのためならば、今なら先輩の鉄拳制裁もありがたく受け入れられる。
 
 坊主「うああああああああああ!!」

 没個性の塊。そんな俺にとって彼女は眩しいくらいに個性的存在だった。
 いや、冒涜的だった。




    冒涜的な彼女。

143: 2011/04/01(金) 21:55:49.40 ID:DmbWwsBq0
<4>

 地味子「ちょっと付き合って欲しいのだけれど」

 次の日の放課後速攻で呼び出された。

 坊主「あ、う、うん」

 眼鏡「うお!なんだよ坊主!!もしかしてお前地味子と!?」

 絡んできた隣の席の眼鏡。

 坊主「ちげぇよそんなんじゃねぇよ」

 呼び出された理由次第では本当に。

 すたすたすた

 俺が了承の意思を示したのを確認するとさっさと教室から出ていってしまう地味子。

 坊主「あ、おい」

 ガタっ
 
 慌てて地味子の後を追った。

 眼鏡「ちぇー。坊主に先こされたわー」

144: 2011/04/01(金) 21:56:20.35 ID:DmbWwsBq0
<5>

 すたすたすた

 自分の先を歩く女の子を見る。

 地味子「……」

 地味子。図書委員でいつも本ばっかり読んでる典型的な暗い子。発言することさえ稀有なクラスの中でも目立たないタイプ。

 坊主(……そんな地味子があんな大胆なことをするかな?……でもそういう奴に限って変なことするとも言うし)

 すたすたすた

 坊主(って、なんであの件のことだと決めつけてるんだ俺は。違う要件で俺を呼びだしたのかもしれないじゃん。そもそも同じ学年の同じクラス同士って出来すぎだし……そうだよ、きっと違うんだ)

 すたすたすた

 坊主(第一俺は顔は見てないから確認のしようが無いし……あっちからは俺の顔見えてたんだろうけど)

 ぎぃ

 着いたのは、屋上。

 地味子「足気を付けて」

 坊主「あ、うん」 

145: 2011/04/01(金) 21:56:48.90 ID:DmbWwsBq0
<6>

 坊主(屋上来たの初めてだわ。ていうかそんな簡単に開いちゃっていいのかよ、色々問題になってるだろうに)

 俺は屋上に踏み入れて外の景色を見まわす。田舎なので絶景。と言っても見飽きた感のあるいつもの風景だが。

 地味子「坊主君。昨日見たよね?」

 いきなり直球が飛んできた。

 坊主「えっと……なにを?」 

 見逃しのストライク。まだだ。まだアレのことだと決まったわけでは……。

 地味子「裸」

 坊主「……」

 ツーストライク。い、いやまだだ。誰のかって特定してないし場所も聞いてな

 地味子「昨日校舎の裏で私の裸、見たよね?」

 坊主「見ましたごめんなさい。ピンクでした」

 三振。そしてなぜか反射的に謝ってしまった。

 地味子「……」

 坊主「って、お、俺が悪いわけじゃねぇぞ!!そっちがあんなところで裸だったのが悪いんじゃねぇか!!一体何をしてたんだよ!!」

 地味子「それは……」

 急にもじもじしだした地味子。

146: 2011/04/01(金) 21:57:17.27 ID:DmbWwsBq0
<7>

 地味子「その……放課後に図書館で調べものをしていたのだけれど、クトゥルフ様関連の書籍があって読み耽ってしまったの」

 坊主「クトゥルフ様?」

 なんだそりゃ。しかも様付けとか……。

 地味子「そうしたら段々ムラムラしてきちゃって……深きものどもは普段一体どんな気持ちでいるのか、とか考えていたらその気持ちを味わいたくなっちゃって……つい」

 坊主「つい!?ついで校舎の裏で素っ裸になってたの!?」

 地味子「丁度手頃な魚人の被りものがあったからつい……」

 坊主「丁度そんなものが学校にあるかよ!!」

 いかん。駄目かもしれないこの子。
 俺はぼりぼりと頭をかく。あ、フケだ。
 
 坊主「……で?俺はどうしたらいいの?別に釘刺さなくても黙ってるつもりだったけど?」

 地味子「イア、違うの。そういうことじゃないわ」

 坊主(イア?……いや、か)

 地味子「坊主君、多分狙われることになるわ」

147: 2011/04/01(金) 21:57:49.49 ID:DmbWwsBq0
<8>

 坊主「え?国家権力に?」

 なんでだよ。この場合猥褻物陳列罪が適用されて地味子が捕まるんじゃないのかよ。いつだって男は弱い立場だよ。

 地味子「違う。もっと恐ろしい存在よ」

 坊主「軍が動くのか!?」

 それも国家権力な気もするけど。ていうか軍が動くとか相当だよ?秘密兵器の設計図でも地味子の体に書かれてたのか?俺は乳Oしか見て無かったけど……。てゆうか軍て。

 地味子「……旧支配者よ」

 坊主「……」

 冒涜的というよりももはや電波的だった。さっきから言ってることがさっぱり理解できずにいる。

 地味子「私はあそこで儀式を行っていたの。そして坊主君はその儀式を見てしまった……」

 坊主「……儀式」

 段々ひどい方向に向かっているのがわかる。そして段々俺はイライラし始めていた。

148: 2011/04/01(金) 21:58:20.55 ID:DmbWwsBq0
<9>

 地味子「どの眷属が坊主君の命を狙ってくるかわからない。だから」

 坊主「あーもううっせぇ!!わけわかんねぇことばっか言ってんじゃねぇ!!」

 地味子「!?」

 怒鳴ってしまった。

 坊主「さっきから電波的な単語並べやがって!!素直に謝って欲しいとかそういうんならストレートに言えよ!!回りくどいんだよ!!」

 怒りながら少し罪悪感。なんで俺が怒ってるんだよ、しかも女の子に対して……。ちょっと弱い者いじめをしているような気分になってきた。

 地味子「……SAN値に早くも変化が現れた。危険な兆候だよ」
 
 坊主「……」

 前言を撤回する。駄目だこの人。

 地味子「これからは出来る限り一緒に行動しようと思うの。少なくとも学校にいる間だけでも」

 なんか言いだした。

149: 2011/04/01(金) 21:58:51.16 ID:DmbWwsBq0
<10>

 坊主「……え?いや、一緒にって、え?」
 
 地味子「坊主君が勝手に首を突っ込んできたせいなんだけど、まきこんでしまったことにも変わりが無い。だから私が責任を持って、坊主君を立派な崇拝者にして見せる」

 地味子はものすごく真面目な顔で俺を見ている。

 坊主「いや……あの」

 地味子「そうだ。はい、これ」

 坊主「?」

 地味子が渡してきたのはラヴクラフト全集という本。6冊。

 坊主「明日までにちゃんと読んで来てね。知識があるのと無いとじゃ危険度が違うから」

 坊主「……」

 何が……何が危険なんですか?
 
 こうして俺と地味子の冒涜的な生活が始まるのでした。

150: 2011/04/01(金) 21:59:30.03 ID:DmbWwsBq0
<11>

 次の日。

 地味子「坊主君。聖書はちゃんと読んできた?」  

 坊主「あぁ、一応……」(聖書って)

 地味子「うん、いい心がけだよ」

 そう言って地味子はニコっと笑った。

 坊主「……」

 内容は……ホラーな内容だった。あまり例えるのは得意でないからなんと表現すべきかわからないけれど、ようは直視することさえはばかれるような化物を崇拝したりしなかったりする話だ。

 坊主(……なんで素直に徹夜して読んじゃうかな俺も)

 昨日の夜は熾烈を極めた。今まで一度も眼にしたことが無い文字、辞書を引いても存在しない専門用語のオンパレード。野球しかやってこなかった俺の脳はいともたやすく許容オーバー。

 地味子「ね、ね。どの旧支配者に興味を持った!?」

 坊主(本当にこいつは狂信者だなぁ)

151: 2011/04/01(金) 21:59:55.90 ID:DmbWwsBq0
<12>

 数学の先生「はい、じゃあね。この問題を二人で組んで出来たら持ってきてね。終わった人から休み時間にしていいよ」

 眼鏡「何が出来たやつからだよ。この問題めちゃめちゃむじいじゃん!おい坊主……ってお前と組んでもなぁ」

 坊主「うるせぇ、俺だってお前と組みたくねぇよ」

 地味子「じゃあ私と組もう、坊主君」

 坊主「!?」

 気付けば後ろから地味子が這い寄ってきていた。

 坊主「地味子……お前」

 眼鏡「おっ!そういや地味子成績いいもんな、よかったじゃん坊主!」

 坊主「こいつ。絶対楽しんでやがる」

 坊主は眼鏡を睨む。

 地味子「大丈夫、私SAN数は得意よ」

 坊主「いや数学なんですけど」

152: 2011/04/01(金) 22:00:31.73 ID:DmbWwsBq0
<13>
 
 眼鏡「ってーかさ。地味子はこいつのどこがいいの?」

 坊主「何を聞いてやがる」

 地味子「?言ってることがよくわからないけれど」

 眼鏡「えー?だってお前ら付き合ってんじゃねーの?」

 坊主「違うっつってんだろ」

 地味子「私達は恋愛関係じゃないよ。同じ神を崇拝しているだけ」

 坊主「やめろ、頼むからやめろ。そんな説明はだめだ」

 眼鏡「そっかー。まぁそうだよなー。坊主が俺より先に彼女が出来るわけねーもんなー。なんてったって坊主と違って、俺様こんなにイケメンだし?なぁお前もそう思うだろう地味子」

 眼鏡は髪の毛をサラッとやって見せる。
 
 地味子「非常に名状しがたいフォルムをしているよね」

153: 2011/04/01(金) 22:01:11.87 ID:DmbWwsBq0
<14>

 地味子「ここよ」

 坊主「理科実験室……本当にそれっぽいな」

 今俺は地味子に案内されて理科実験室にまで連れてこられた。
 理科実験室。放課後は名称を変え、

 地味子「ここがラヴクラフト部。略してラ部の部室よ。素敵でしょ」

 坊主「なんで公式に認可された部なのかが不思議だわ……」

 ガラララ

 坊主「うっわ気持ち悪い!!」

 中には、もうこれ見よがしに儀式しますよ的なアイテムが勢ぞろいしていた。

 地味子「まだあの子達は来て無いみたいね」

 坊主「なんだ、他にも同じようなのがいるんか」

 地味子「えぇ、坊主君で5人目よ」

 坊主「俺を数に入れるなよ!!俺野球部入ってるし!!」

 地味子「あ!そこの魔法陣を視界に入れてはいけない!!脳を焼き切られるよ!!」

154: 2011/04/01(金) 22:01:42.75 ID:DmbWwsBq0
<15>

 翌日。
 
 坊主「どういうことか説明してもらおうか」

 地味子「?何を?クトゥルフ様の魅力について?」

 坊主「いらんわ!!俺が野球部を止めさせられたことについてだよ!!」

 地味子「あっ」

 坊主「あっじゃない!あっじゃないよ!?」

 地味子「さ、さぁ私は知らないわ。っていうか一端の生徒がそんなこと出来るわけないじゃない」

 坊主「今日先輩に言われたんだよ!!あの鬼のような先輩がガタガタ震えながらお前は今日から野球部に来るな、じゃないと俺はあの女に殺される、って!!」

 地味子はそれを聞いてニヤリとほほ笑む。

 地味子「いい感じのSAN値減少具合ね」

 坊主「言ってる場合か!!しかも顧問に話をしようとしたのに今日いないみたいだし」

 地味子「莫迦め! 顧問は氏んだわ!」
 
 坊主「氏んだの!?まじでなにしたてめぇ!!」

155: 2011/04/01(金) 22:02:35.99 ID:DmbWwsBq0
<16>

 坊主「くそ……なんかよくわからないけれどまじで野球部退部させられたし」

 地味子「仕方ないよ。あんな球ころ遊びなんてしてる暇じゃないんだから」

 坊主「お前は今全国の野球ファンを馬鹿にした」

 地味子「命には代えられないでしょ?」

 坊主「本当に危険ならな」

 はぁ、っとため息をつく坊主。

 坊主「しかしお前本当に寝ても覚めてもクトゥルフなのな。他に好きなもんないのかよ。オタクっぽいんだからアニメとかはみないのか?」

 地味子「そういう低俗なのは……と言いたいけどアニメはEVAとか好き」

 坊主「お。俺もEVAは好きだぜ。じゃあ本当に好きなら、好きなセリフとか言ってみなよ。俺はやっぱ、笑えばいいよ、かなぁ」

 地味子「私はそうね。私アスカが好きだし、あのセリフかな」

 坊主「ほう。あんたバカァ?とかか?」

 地味子「ミサトもイア。シンジもイア。ファーストはもっとイア。パパもイア。ママもイア。でも自分が一番イア!もぉぉイア。がまんできない!!……っていうセリフが」

 坊主「ちょっと手を加えてません!?」

156: 2011/04/01(金) 22:03:13.84 ID:DmbWwsBq0
<17>

 坊主「もっと女の子らしい趣味を見つけるべきなんじゃないのか?」

 地味子「別に私は無理にほかの趣味を見つけようとは思わないんだけど……」

 坊主「おさげだってやめて前髪もいじれば結構可愛くなるんじゃないの?」

 地味子「……」

 坊主「後は、そうだな。うちの妹もそうだけど大抵ディ○ニーキャラ好きじゃん。その感じじゃディ○ニーランドとか行ったことないんじゃないのか?」

 地味子「あまり興味が持てない。あ、でもインスマウスには行ってみたいかな」

 坊主「なんでそれ出した!?関係無いじゃん!!」

 地味子「人外による夢の世界ということで。鼠顔が魚顔の違いしかないし」

 坊主「マスコットキャラかどうかで随分違うわ!!」

 地味子「ミッキーインスマウス」

157: 2011/04/01(金) 22:03:41.71 ID:DmbWwsBq0
<18>

 坊主「おい。今日も他のやつこないのかよ」

 地味子「色々みんなも忙しいんだと思う。やることいっぱいあるから」

 坊主「……この部の目的ってなんだ?」

 地味子「……坊主君はあまり知らないと思うけれど、実はこの町は世界中から色んな本が集められてるの」

 坊主「なんか嫌な感じがしてきた」

 地味子から借りた本の中にはとんでもない書物が登場していた。そんなものが実在するとは思えないが。

 地味子「実はこの町に来たナコト写本が何者かによって盗まれたの」

 坊主「とんでもねぇ!!絶対嘘だ!!ってか実在しないだろ!!」

 地味子「いやいやするし」

 坊主「しないし!!創作だし!!」

 地味子「私達はそれを悪用される前に見つけ出して保管することが目的なの」

 坊主「流しやがった……」

158: 2011/04/01(金) 22:04:18.39 ID:DmbWwsBq0
<19>

 坊主「くそ。まじがいきちさんじゃないかあいつ……」

 坊主母「あら、今日は早いのね?野球部はどうしたの?」

 坊主「あぁ~!!やめたんだよ!!」

 坊主母「え!?やめたってどういうことよ!?ちょっと!!」

 だんだんだん

 坊主は階段を駆け上がり自分の部屋のドアノブに手をかけた。

 坊主(うっせぇ。俺だってどういうことだか聞きてぇっての……全部あいつのせいだろうけど)

 バタン

 坊主「はぁ、疲れた。飯までひと眠り……んおっ!?」

 窓を見て坊主は凍りついた。なぜなら窓には血のような真っ赤な液体で、

 『明日は牡猫の血を持ってきて。儀式に使うから』

 と書かれていた。

 坊主「窓に!窓に!」

159: 2011/04/01(金) 22:04:53.49 ID:DmbWwsBq0
<20>

 パタン

 地味子「ただいま」

 にゅる

 「オカエリ。最近トテモタノシソウダネ?」

 地味子「うん。今日もとても楽しかった」

 地味子は鞄を置くと制服を脱ぎ始めた。

 「ソレハ坊主トイウ子のオカゲ?」

 地味子はネクタイを解く指を止めた。

 地味子「……そう、かもしれない。まだ坊主君はイアイア私に付き合ってるようだけど……」

 にゅる

 「……ハヤク本当ノ意味デ仲良ク出来ルトイイネ」

 地味子「うん。ありがとうショゴス」

 地味子が上を見て笑った。そこには天井に貼りつくアメーバのような存在がうごめいていた。

 地味子「てけり・り!てけり・り!」

 「てけり・り!てけり・り!」

160: 2011/04/01(金) 22:05:44.14 ID:DmbWwsBq0
    ・次回予告・

普段と変わらない日常を過ごす筈だった。しかしその平穏を打ち壊すが如く、ラヴクラフト部を襲撃する謎の集団。彼らの目的もまたナコト写本の奪還にあった。
状況をいち早く理解した坊主は、彼らに対抗するべく、残りの部員を探しに町を奔走する。
一方、一人で彼らの相手をしていた地味子は徐々に押され絶対絶命のピンチを迎える。その時アメリカから一人の部活メンバーが来日して……。


   次回、冒涜的な彼女
   第二話・病的な彼女
 
 次回更新は2012年4月1日予定!

167: 2011/04/02(土) 22:43:13.71 ID:VmiUWdRr0
打ち切りなんて……



     *      *
  *     +  うそです
     n ∧ _ ∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    *

脳内の編集長を説得しました。なのでまだまだ続きます。今後もよろしくお願いいたします。
なるべく早く来ますので、なにとぞ、なにとぞ……

それにしても今回の4/1ネタはまた去年のようにしくじったとおもってひやひやもんでした。まぁちょっとしくじった感はいなめないですけど……。
各方面で自粛気味になったエイプリルフールを、少しでも楽しんでいただけたら幸いでしたということで!ノシ

引用: 酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった3