ProRes とは
SD ファイルサイズで HD 画質を実現し、映像業界で広く採用されている。ProRes コーデックの6つのバージョンは、基本属性が共通している。ProRes は、可変ビットレート(VBR)エンコーディングを利用してファイルサイズを最小化し、格納効率を高める。さらに、デコーディングの最適化によってマル チストリームのリアルタイム編集を可能にし、SD、HD、2K、4K、5K ソースビデオの元のフレーム幅を保持するため、仕上げワークフローでのグラフィックスの位置変更やサイズ変更が不要になる。
【ProRes 422 Proxy(45Mbps)】
MacBook や MacBook Pro での仮編集とオフライン編集向け。フル HD サイズで仮編集を行うためのコーデック。時間あたりの容量や転送レートが少なく、イントラ(フレーム内)圧縮で CPU の負荷も少ないため、マルチカメラ編集やノート Mac での作業に向く。オリジナルとの差分を取るテストでは DVCPRO HD コーデックよりも劣化耐性は高いが、圧縮アルゴリズムなどの違いから見た目の綺麗さは DVCPRO の方がよく、ProRes 422 (Proxy) は比較的ブロックノイズが出やすい。
※DVCPRO HD:FireWire 対応の DVCPRO HD 互換のデッキからデジタルでビデオを取り込むときに使用する高解像度ビデオ形式。カラーの再現性が高い 4:2:2 のカラーサンプリングを使用し、データレートは 12.5 MB/秒に固定されている。
【ProRes 422 LT(102Mbps)】
ファイルサイズ縮小と放送クオリティの映像が求められるニュース、スポーツ、マルチカムイベントなどのプロジェクト向け。オリジナルの再現性は ProRes 422 と遜色のないレベルで、レンダリング耐性を重視せずにさらにデータ量を削減したコーデック。上位の ProRes 422 よりも時間あたりの転送レート・データ容量が少ない(データレートは約 70% 、ファイルサイズは 30 % 小さい)ので、長尺の記録に向く。カット編集中心のオンラインを想定。
【ProRes 422(147Mbps)】
スタンダード。非圧縮コーデックと同等のクオリティや高いレンダリング耐性を保ちつつ、転送レート/容量を低減したコーデック。Apple ProRes 422 HQ のほぼすべての利点を備えつつ、データレートは 66% であり、マルチストリームのリアルタイム編集でのより高いパフォーマンスを持つ。従来のデジタルベータカムや HDCAM などで行っていたオンラインを想定。アルファチャンネルや高度な合成を必要としなければ、一般人のビデオ制作にはこれで十分である。
【ProRes 422 HQ(220Mbps)】
ProRes 422 に対し、ビットレートを増やしてよりレンダリング耐性を上げ、視覚的には Apple ProRes 4444 と同程度の高い品質を保つ 4:2:2 イメージソース用のコーデック。エフェクトなどを多用する作品や、別のフォーマットへの変換などマルチユースを想定したマスタリングなど、ビデオのポストプロダクション業界で広く使われ、シングルリンクの HD-SDI 信号で伝送できる最高品質のプロ仕様の HD ビデオを視覚的にロスレスに維持する。10 ビットピクセル深度のフルワイドの 4:2:2 ビデオソースをサポートしながら、デコードとエンコードを何回も繰り返した後でも、ビデオを視覚的にロスレスで維持できる。
【ProRes 4444(330Mbps)】
4:4:4:4 イメージソース (アルファチャンネルを含む) 用 Apple ProRes の高品質版。視覚的にはオリジナルのマテリアルと区別できない品質で、モーショングラフィックスとコンポジットの保存およびやりとりのための高品質なソリューションである。デコードとエンコードを何回繰り返しても維持される高いパフォーマンスを持ち、最高の画像忠実度が要求される合成処理とデジタルワークフロー向け。カラースペースはソース(またはアプリケーション)に応じて RGB または YUV に。YUV 444 または RGB のソースに対してオリジナル性を損なわずにピクセルマッピングを行うのと、ProRes 4444 XQ と 同様にアルファチャンネルを持つことができる合成向けコーデック。アルファチャンネルは、効率の高い圧縮でありつつ完全な可逆性を持つ。アルファチャンネルはロスレスのため、アルファを含めるとデータ量は大幅に上がる。RED 4K や HDCAM SR などを必要とするような、シビアなクオリティが要求される CM や PV、映画などでのシーン合成を想定。RGB と Y’CBCR の両方のピクセル形式での直接エンコードおよびこれらへの直接デコードも提供する。
【ProRes 4444 XQ(500Mbps)】※OS X Mountain Lion v10.8 以降でサポート。
4:4:4:4 イメージソース (アルファチャンネルを含む) 用 Apple ProRes の最高品質版。非常に高データレートで、現在の最高品質のデジタルイメージセンサーによって生成された高ダイナミックレンジのイメージの細部までを保持する。Rec. 709 イメージのダイナミックレンジより数倍も大きなダイナミックレンジを保持し、トーンスケールの黒またはハイライトが非常に広い、高度な視覚効果処理の厳しい要求にも対応する。標準の ProRes 4444 と同じように、イメージチャンネルにつき最大 12 ビットまで、アルファチャンネルに対しては最大 16 ビットまでをサポート。
※Apple ProRes 4444 および Apple ProRes 4444 XQ は、視覚的にロスレスのため、モーショングラフィックスメディアのやりとりには最適で、これらはアルファチャンネルをサポートする唯一の Apple ProRes コーデックでもある。
【ProRes RAW】
既存の Apple ProRes コーデックと同じ原理に基づいていており、RAW ビデオの品質とワークフロー上の優位性に、ProRes のパフォーマンスを組み合わせたフォーマット。Apple ProRes さながらのパフォーマンス、品質、使いやすさで RAW メディアが扱える。
ProRes RAW を使うと、カメラからの RAW データを伴う未加工の映像をインポート、編集、グレーディングできる。また、RAW 画像データを優れた精度で再現できるため、極めて柔軟にハイライトやシャドーの調整が行え、HDR のワークフローに適している。
パフォーマンスは macOS に最適化されており、MacBook Pro や iMac のシステム上で、レンダリングせずにリアルタイムでフルクオリティの 4K ProRes RAW ファイルを再生できる。
ProRes RAW の圧縮レベルは、「ProRes RAW」と「ProRes RAW HQ」の 2 種類から選べ、いずれの圧縮レベルも RAW ビデオコンテンツをきれいに維持できるが、ProRes RAW HQ はさらに画質に優れ、データレートも高くなる。
すべてのフレームについて一定の画質とそのままの画像を維持する仕様で、データレートはイメージコンテンツによって大幅に変わるが、概ね、ProRes RAW が ProRes 422 と ProRes 422 HQ の間で、ProRes RAW HQ が ProRes 422 HQ と ProRes 4444 の間である。
ProRes 4444 よりもファイルサイズが小さいため、アーカイブに最適なフォーマットでありつつ、ストレージ容量を節約できる。
PRORESの各フォーマットで1080iは利用できないのでしょうか?
どこにも記述がないし、iMovieでPRORES書き出ししようとすると必ず1080Pに成ってしまいモニターがOUT OF RANGEになって画が出ません。
4Kの情報を知りたいのですが・・・