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【和訳】Yes-Roundabout【洋楽70年代】【曲解説/アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」ED】

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イギリスのプログレッシブ・ロックバンド、イエス(Yes)の楽曲「Roundabout」は、1971年11月にリリースされたアルバム『Fragile』(邦題:『こわれもの』)のオープニングトラックとして発表されました。この曲は、ボーカリストのジョン・アンダーソンとギタリストのスティーヴ・ハウによって作詞・作曲され、バンドとエディ・オフォードがプロデュースを担当しています。アルバム『Fragile』は、リリース後に商業的成功を収め、プログレッシブ・ロックを代表する作品として音楽史においても重要な位置を占めています。また、このアルバムは、クラシック音楽的なアプローチを取り入れた革新的なスタイルで、当時のロックシーンに多大な影響を与えました。


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和訳

I'll be the roundabout
The words will make you out-and-out
I spend the day your way
Call it morning driving through the sound and in and out the valley

僕は回り道になるだろう
言葉が君を完全に表現するんだ
僕は君のやり方で一日を過ごす
朝と呼んで、音の中をドライブし、谷を抜けていく

単語:
roundabout: 回り道や環状交差点。ここでは比喩的に「遠回り」や「柔軟なアプローチ」を指している可能性がある。
out-and-out: 完全に、徹底的に。言葉がすべてを明確にすることを示している。
spend the day your way: 君のやり方で一日を過ごす。相手に寄り添う姿勢を表している。
driving through the sound: 音の中をドライブする。抽象的なイメージで、感覚的な体験を描写している。
in and out the valley: 谷を行ったり来たりする。風景や感情の起伏を象徴している可能性がある。

イディオム:
I'll be the roundabout: 「僕は回り道になるだろう」というフレーズで、柔軟さや調和を象徴している。
the words will make you out-and-out: 「言葉が君を完全に表現する」という表現で、言葉の力を強調している。
spend the day your way: 「君のやり方で一日を過ごす」という表現で、相手への従順や献身を示している。
driving through the sound: 「音の中をドライブする」という詩的な表現で、音楽や感覚的な旅路を描いている。

The music dance and sing
They make the children really ring
I spend the day your way
Call it morning driving through the sound and in and out the valley

音楽が踊り、歌い
それは子どもたちを本当に夢中にさせる
僕は君のやり方で一日を過ごす
朝と呼んで、音の中をドライブし、谷を行ったり来たりする

単語:
music dance and sing: 音楽が踊り、歌う。音楽そのものを擬人化して表現している。
make the children really ring: 子どもたちを本当に夢中にさせる。「ring」は心が弾むような喜びを表している。
spend the day your way: 君のやり方で一日を過ごす。相手に調和し、寄り添う姿勢を示している。
driving through the sound: 音の中をドライブする。ここでは音楽的な空間や感覚的な旅を指している可能性がある。
in and out the valley: 谷を行ったり来たりする。地形的な動きや感情の揺れを象徴している。

イディオム:
music dance and sing: 「音楽が踊り、歌う」という詩的な表現で、音楽の活力や楽しさを描いている。
make the children really ring: 「子どもたちを本当に夢中にさせる」というフレーズで、音楽の持つ喜びや影響力を示している。
spend the day your way: 「君のやり方で一日を過ごす」という表現で、相手への愛や献身を強調している。
call it morning driving through the sound: 「朝と呼んで音の中をドライブする」という詩的なフレーズで、感覚や時間の抽象的な流れを描いている。

In and around the lake
Mountains come out of the sky and they stand there
One mile over, we'll be there and we'll see you
Ten true summers, we'll be there and laughing, too
24 before my love, you'll see I'll be there with you

湖の周りで、そしてその中で
山々が空から現れて、そこに立っている
1マイル先で、僕たちはそこにいて、君に会うだろう
10回の本当の夏を経ても、僕たちはそこにいて笑っているだろう
24(時間または日々)が過ぎる前に、君は分かるだろう、僕が君と一緒にいることを

単語:
in and around the lake: 湖の中や周りで。具体的な場所を指しているが、詩的には情景の広がりを表現している。
mountains come out of the sky: 山々が空から現れる。壮大な自然を描写した幻想的な表現。
one mile over: 1マイル先。近い距離感を強調する言葉。
ten true summers: 10回の本当の夏。具体的な時間の経過を示しつつ、思い出や共有した時間の深さを表している。
24 before my love: 24(時間や日々)前。時間が経つ前に愛が実現することを示唆している。

イディオム:
mountains come out of the sky and they stand there: 「山々が空から現れてそこに立っている」というフレーズで、自然の荘厳さや不変性を表現している。
ten true summers: 「10回の本当の夏」という詩的なフレーズで、長い年月を経ても変わらない愛やつながりを示している。
24 before my love: 「24の前に」という表現で、すぐに愛が実現する未来を予感させている。
I'll be there with you: 「僕は君と一緒にいるだろう」というフレーズで、相手との確かな絆や約束を強調している。

I will remember you
Your silhouette will charge the view
Of distant atmosphere
Call it morning driving through the sound and even in the valley

君のことを覚えているだろう
君のシルエットが遠くの景色を一変させる
その遥か彼方の空気感を
朝と呼ぼう、音の中をドライブしながら、そして谷の中でも

単語:
remember you: 君のことを覚えている。相手の存在が忘れられないことを示している。
silhouette: シルエット、輪郭。ここでは相手の姿を象徴的に描いている。
charge the view: 景色を変える、一変させる。相手が持つ影響力や存在感を表している。
distant atmosphere: 遠くの空気感。離れた場所や抽象的な感覚を指している。

イディオム:
your silhouette will charge the view: 「君のシルエットが景色を一変させる」というフレーズで、相手の存在が自分の視界や世界観を変えることを示している。
call it morning driving through the sound: 「朝と呼ぼう、音の中をドライブしながら」という詩的な表現で、時間と空間が抽象的に交差していることを描いている。
even in the valley: 「谷の中でも」という表現で、困難な状況でも相手を思い出すことを示唆している。

In and around the lake
Mountains come out of the sky and they stand there
One mile over, we'll be there and we'll see you
Ten true summers, we'll be there and laughing, too
24 before my love, you'll see I'll be there with you
湖の周りで、そしてその中で
山々が空から現れて、そこに立っている
1マイル先で、僕たちはそこにいて、君に会うだろう
10回の本当の夏を経ても、僕たちはそこにいて笑っているだろう
24(時間または日々)が過ぎる前に、君は分かるだろう、僕が君と一緒にいることを
 
Along the drifting cloud, the eagle searching down on the land
Catching the swirling wind, the sailor sees the rim of the land
The eagle's dancing wings create as weather spins out of hand

漂う雲の中で、鷲が大地を見下ろしながら探している
渦巻く風を捉え、船乗りは陸地の端を見つける
鷲の舞う翼が天候を乱れさせ、制御不能な嵐を生み出している

単語:
drifting cloud: 漂う雲。静かでゆったりとした空の情景を描写している。
eagle searching down: 大地を見下ろしながら探す鷲。鋭い視線と力強さを象徴している。
swirling wind: 渦巻く風。力強く、動的な自然の力を表している。
rim of the land: 陸地の端。遠くの地平線や新たな発見を指している。
weather spins out of hand: 天候が制御不能になる。乱れる自然の状態を指している。

イディオム:
the eagle searching down on the land: 「鷲が大地を見下ろしながら探す」という表現で、力強い自然の観察や探索を象徴している。
the sailor sees the rim of the land: 「船乗りが陸地の端を見つける」というフレーズで、希望や目的地の発見を示している。
weather spins out of hand: 「天候が制御不能になる」という表現で、自然の力が予測不能で手に負えない状況を描写している。

Go closer, hold the land, feel partly no more than grains of sand
We stand to lose all time, a thousand answers by in our hand
Next to your deeper fears, we stand surrounded by million years

近づいて、大地をつかみ、ただの砂粒以上のものを感じ取れなくなる
私たちはすべての時間を失おうとしている。千の答えを手の中に持ちながら
君の深い恐れの隣で、私たちは何百万年にも及ぶ時間に囲まれて立っている

単語:
go closer: もっと近づく。ここでは対象や本質に接近することを表している。
grains of sand: 砂粒。広大な自然や時間の中での小さな存在を象徴する表現。
stand to lose all time: すべての時間を失おうとしている。時間や永遠への恐れや儚さを表している。
a thousand answers: 千の答え。無数の選択肢や可能性を象徴している。
deeper fears: 深い恐れ。心の奥底にある不安や悩みを指している。
million years: 百万年。時間の膨大さや永遠性を示唆している。

イディオム:
feel partly no more than grains of sand: 「ただの砂粒以上のものを感じ取れなくなる」というフレーズで、自己の小ささや存在の儚さを示している。
stand to lose all time: 「すべての時間を失おうとしている」という表現で、永遠性や時間の重要性を強調している。
next to your deeper fears: 「君の深い恐れの隣で」というフレーズで、感情的な脆さや未知への恐れに対する寄り添いを表している。
surrounded by million years: 「何百万年に囲まれている」という表現で、時間の壮大さや自分の存在の一瞬性を描写している。

 

I'll be the roundabout
The words will make you out-and-out
I'll be the roundabout
The words will make you out-and-out
僕は回り道になるだろう
言葉が君を完全に表現するんだ
僕は回り道になるだろう
言葉が君を完全に表現するんだ
 
In and around the lake
Mountains come out of the sky, they stand there
24 before my love and I'll be there
湖の中やその周りで
山々が空から現れ、そこにそびえ立つ
あと24(時間または日)で君のもとへ、僕はそこに行くよ
 
I'll be the roundabout
The words will make you out-and-out
You spend the day your way
Call it morning driving through the sound and in and out the valley
僕は回り道になるだろう
言葉が君を完全に表現するんだ
僕は君のやり方で一日を過ごす
朝と呼んで、音の中をドライブし、谷を抜けていく
 
In and around the lake
Mountains come out of the sky and they stand there
One mile over, we'll be there and we'll see you
Ten true summers, we'll be there and laughing, too
24 before my love, you'll see I'll be there with you
 
湖の周りで、そしてその中で
山々が空から現れて、そこに立っている
1マイル先で、僕たちはそこにいて、君に会うだろう
10回の本当の夏を経ても、僕たちはそこにいて笑っているだろう
24(時間または日々)が過ぎる前に、君は分かるだろう、僕が君と一緒にいることを

曲の紹介

「Roundabout」は、複雑な楽曲構成と高度な演奏技術が融合したプログレッシブ・ロックの代表的な作品です。イントロのアコースティックギターのリフは、スティーヴ・ハウが指弾きとハーモニクスを駆使して生み出したもので、複雑なアルペジオと印象的な和音進行が楽曲全体の雰囲気を決定づけています。このリフは、スコットランドの自然から着想を得ており、聴く者に壮大な旅の始まりを予感させます。さらに、リフの背後に加わる低音のベースラインやシンセサイザーの柔らかなサウンドが、リスナーを壮大でダイナミックなサウンドスケープに引き込みます。リック・ウェイクマンの華麗なキーボードプレイやクリス・スクワイアの力強いベースライン、そしてアラン・ホワイトの緻密なドラムプレイが楽曲全体を支え、イエス特有の音楽的深みを生み出しています。

どういう曲なの?

「Roundabout」は、全長8分29秒の長尺曲でありながら、シングルカットされた際には3分27秒に編集され、1972年1月にアメリカでリリースされました。このシングルは、ビルボードHot 100で13位、キャッシュボックスで10位を記録し、商業的にも成功を収めました。

楽曲は、プログレッシブ・ロック特有の変拍子や複雑なリズムパターンを特徴とし、具体的にはイントロのリフが9/8拍子で構成され、これが楽曲全体の不規則でユニークな雰囲気を形作っています。また、曲中では4/4拍子や6/8拍子への移行が頻繁に行われ、リスナーに予測不可能な展開を提供します。これらのリズム変化は、イエスの卓越した音楽性を象徴しており、リスナーを一瞬たりとも飽きさせません。イントロのアコースティックギターから始まり、シンセサイザー、エレクトリックギター、ドラムス、ベースが織りなす複雑なアレンジメントが印象的です。また、曲中にテンポの変化やメロディラインの転調が盛り込まれており、リスナーを飽きさせない工夫が施されています。

この曲のメッセージは?

歌詞は、ツアー中にスコットランドのアバディーンからグラスゴーへ向かう際、多くのラウンドアバウト(環状交差点)を通過した経験から着想を得ています。ジョン・アンダーソンは、その道中で見た山々や湖の風景を詩的に表現し、旅の途中で感じた感情や風景を描写しています。特に、「In and around the lake, mountains come out of the sky and they stand there」というフレーズは、スコットランドの美しい自然景観を象徴的に表現しています。また、旅の中で感じた一時的な孤独や期待感が歌詞の中に巧みに織り込まれています。これらの詩的な要素が、楽曲全体に神秘的で幻想的な雰囲気を与えています。

こんな人におすすめ

  • プログレッシブ・ロックや1970年代のロックミュージックが好きな方

  • 複雑な楽曲構成や高度な演奏技術を楽しみたい方

  • 詩的で象徴的な歌詞に興味がある方

  • イエスの代表的な楽曲を聴きたい方

収録アルバム情報

「Roundabout」は、イエスの4枚目のスタジオアルバム『Fragile』に収録されています。このアルバムは、1971年11月にリリースされ、バンドの商業的成功を確立した作品として知られています。他にも「Long Distance Runaround」や「Heart of the Sunrise」などの名曲が収録されており、バンドの多彩な音楽性を堪能できます。アルバム全体を通して、メンバーそれぞれの個性が際立つソロ曲も含まれており、バンドの多様性を感じることができます。さらに、アートワークはロジャー・ディーンが手がけたもので、彼の幻想的なデザインはアルバムの音楽と相まってリスナーに強い印象を与えています。

時代背景と文化

1970年代初頭、プログレッシブ・ロックはロックミュージックの一大ムーブメントとして台頭していました。このムーブメントにおいて、イエスは高度な演奏技術と複雑な楽曲構成で際立っており、特に「Roundabout」はその象徴的な楽曲として評価されています。他のプログレッシブ・ロックバンド、例えばピンク・フロイドが哲学的なテーマやスペースロック的要素を探求し、キング・クリムゾンがジャズやアバンギャルドなアプローチを取り入れていたのに対し、イエスはクラシック音楽やシンフォニックなアレンジを融合させたスタイルで独自性を確立しました。また、2012年には日本のアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」のエンディングテーマとして使用され、新たな世代のファンにも注目されました。この楽曲は、時代を超えて愛されるプログレッシブ・ロックの名曲として、その地位を確立しています。

制作秘話

「Roundabout」のイントロのアコースティックギターリフは、スティーヴ・ハウがツアー中に作曲したもので、ジョン・アンダーソンと共に楽曲を完成させました。リフはハーモニクスと指弾きのテクニックを駆使しており、リスナーに幻想的な印象を与えます。録音はロンドンのAdvision Studiosで行われ、メンバー全員が緻密なアレンジメントに取り組みました。また、歌詞の一部はモントルー・ジャズ・フェスティバルについて書かれているという説もあります。さらに、「Twenty four before my love you'll see」というフレーズは、ジョン・アンダーソンがあと1日で旅を終え、当時の妻に会える喜びを綴ったものとされています。バンドとプロデューサーのエディ・オフォードとの共同作業が、楽曲の完成度を高めました。

雑学、トリビア

  • 「Roundabout」は、イエスのライブで頻繁に演奏される楽曲の一つであり、ファンからの人気も高いです。

  • この曲は、複雑なリズムパターンと変拍子を特徴としており、バンドメンバーの高度な演奏技術が要求されます。

  • 2012年のアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」のエンディングテーマとして使用され、日本国内外で新たな注目を集めました。

  • アルバム『Fragile』は、アートワークでも知られており、ロジャー・ディーンが手がけた幻想的なデザインがファンから愛されています。

まとめ

イエスの「Roundabout」は、プログレッシブ・ロックの金字塔とも言える楽曲であり、その複雑な構成と詩的な歌詞は、リスナーに深い印象を与えます。この楽曲は、アメリカのビルボードチャートでの成功や、アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」での使用を通じて、異なる世代や国境を越えて愛され続けてきました。また、バンドメンバーの卓越した演奏技術と、壮大なサウンドスケープは、この曲を何度も聴きたくなる魅力に満ちています。その普遍的な魅力と音楽的な緻密さは、ジャンルを超えて幅広いリスナーに影響を与えています。ぜひ一度、「Roundabout」を聴いて、イエスの音楽的な冒険の世界を体験してください。