人事異動の挨拶マナー｜現部署や異動先、取引先への伝え方

異動の挨拶：基本をチェック

人事異動で地位や職務内容・勤務場所等が変わる場合は、お世話になった人に挨拶するのが基本です。挨拶のタイミングや対象、手段について、ポイントを把握しておきたいですね。まずは異動の挨拶マナーを見ていきましょう。

挨拶のタイミングは正式辞令の後

異動の内示を受けてから正式な辞令が下りるまでに、一定の期間があることがほとんどです。挨拶は発令後に行うのが基本。勇み足にならないよう注意してください。

異動の内示は、企業にとって重要な機密情報です。異動を伝える相手や順番を選ぶ必要が生じるケースも多いため、自己判断で異動の詳細を伝えるのは避けましょう。異動の内示を受けたら、早い段階で上司に相談するといいですね。その際は、「正式な辞令が下りるのはいつか」「社外に異動を伝えてよいのはいつか」などを確認するようにしてください。

相手は「現部署」「異動先」「取引先」

異動の挨拶は、これまでお世話になった人・これからお世話になる人が対象です。共に働いてきた上司や先輩、同僚などはもちろん、異動先で関わることになりそうな人にも、異動について伝えるといいですね。

また、他社とやり取りする業務についていた場合は、顧客や取引先にも挨拶が必要です。中でも重要な顧客や取引先には、直接挨拶に伺うのが基本。後任の担当と共に先方へ出向き、これまでのお礼をきちんと伝えるとともに、業務の引き継ぎについても説明します。

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手段は「メール」や「電話」、「口頭」で

異動の挨拶をする主な手段となるのが、「対面で直接」「電話」「メール」です。このうち、もっとも気持ちを伝えやすいのは、「対面」でしょう。お世話になった取引先や顧客のもとに直接出向き、異動のことを伝えるといいですね。また、上司や先輩、同僚などにも、直接会って伝えるのが望ましいと言えるでしょう。

とはいえ、状況や相手の意向も考える必要があります。どうしても都合が合わない場合などは、メールで挨拶をする方がいいかもしれません。

メールを活用する場合に注意したいのが、「みんなに同じ文面を送ったな」と思われないようにすること。誤解を招きそうなテンプレ文章は避け、可能であれば個別送信をするといいですね。一人ひとりに対して挨拶メールを送ることで、気持ちがより伝わるでしょう。

ネガティブな言葉は使わない

異動の挨拶は、これまでの感謝や「これからよろしくお願いします」という気持ちを伝えるためのもの。前向きな気持ちや今後の抱負、新しい目標などを伝えたいですね。

もし、望まない異動や不安の多い異動だったとしても、不平や不満などを感じさせる言葉を使うのは控えます。思わぬ形で異動先の人の耳に入ると、トラブルにつながる可能性があるからです。

また、職場で親しくしている人への挨拶においても、礼儀やマナーは意識したいところ。本音を打ち明けたい気持ちがあったとしても、異動の挨拶でネガティブな言葉を使うのは避けます。

長すぎる挨拶はNG

異動の挨拶スピーチは、2〜3分程度で簡潔に済ませるのが基本。「次の配属先」「現部署の思い出」「経験から得られたこと」などを簡潔にまとめておきます。

挨拶が長すぎると、他の人の業務に支障が出るかもしれません。現職場はもちろん、異動先においてもそれは避けたいですね。そうならないよう、あらかじめ内容を考えておき、スピーチの時間を測っておくといいかもしれません。

挨拶は、「大変お世話になりました」「次の部署でも精一杯頑張ります」といった前向きな言葉だけでもOK。周囲の人に気持ちが伝わるよう、姿勢を正して大きな声でハキハキと話してください。

お菓子を渡すなら個包装のものを

異動の際、お菓子を用意する人は多いでしょう。感謝の気持ちを込めて、みんなに喜んでもらえるものを贈りたいですね。異動先の人の好みがわからない場合は、万人受けする商品を選ぶのがベター。フレーバーが異なる詰め合わせを選ぶのも一つです。

お菓子を渡す場合は、個包装のものを選ぶようにしてください。取り分ける必要があるお菓子だと、後片付けなどが大変です。そのお菓子が苦手な人や、健康上の理由で食べられない人もいるかもしれませんが、個包装であれば持ち帰ることもできますよね。多めの個数のものを選び、不足なく行き渡るようにしてください。

また、高価なギフトは相手に気を遣わせてしまうということも。この点は十分に意識するようにしてください。必要があれば、のしをつけるのもいいですね、異動先に渡すお菓子であれば、「御挨拶」と記し、蝶々結びの水引を使います。

身辺整理も忘れずに

業務引き継ぎに加えて、身辺整理も進めてください。デスクやロッカーなどはきちんと整理し、きれいな状態にしておきたいですね。手垢や汚れなどがあれば、可能な限り拭き取りを。他のスタッフが気持ちよく使えるよう、きちんと環境を整えます。