2024 年 113 巻 12 号 p. 2293-2298
39歳男性.4年前からの周期性の発熱,間欠的な胸腹部などの疼痛のため当院紹介となった.紅斑様皮疹もあり家族性地中海熱を疑ったが,コルヒチンは無効でMEFV遺伝子変異は認めなかった.TNFRSF1A遺伝子にp.Thr90Ileのhetero変異を認め,TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)と診断した.プレドニゾロンは無効でカナキヌマブが奏効した.TRAPSは自己炎症症候群の一つで常染色体顕性遺伝が多いが,家族歴のない成人発症例もある.