2024 年 40 巻 2 号 p. 58-62
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株が流行の主流となった第6波以降,小児SARS-CoV-2感染症(COVID-19)患者数は急激に増加し,それに伴い重症例も増えている.COVID-19関連急性脳症は2022年11月までに103例が報告され,症候群別ではけいれん重積型(二相性)急性脳症(AESD)が最多(27例,26.2%)であった.出血性ショック脳症症候群(HSES)8例,劇症脳浮腫型脳症(AFCE)6例,急性壊死性脳症(ANE)4例とサイトカインストーム型脳症が18例(17.5%)であり,COVID-19以前の他のウイルスによる急性脳症症候群別頻度ANE 2.8%,HSES 1.7%に比して高頻度であった.重篤な経過を呈するHSES,AFCEが高頻度であることから,COVID-19関連急性脳症の予後は不良(死亡11例,10.7%)であった.