こんにちは。コーダーのなかちです。
みなさまは、大人の科学マガジンをご存知でしょうか?
学研から不定期に発行されている科学系雑誌で、冊子と自分で組み立てる本格的な実験キットのセットです。
ふろくがメインってやつです。
昨年末、そのシリーズの新作が発表され、SNSなどで大きな話題となりました。
それが『大人の科学マガジン 小さな活版印刷機』です。
2018.05.29
一時期品切れ状態が続いていましたが、今は購入可能なようです。
私は予約をして発売日に入手していたのですが、入手したことに満足してしまい数か月間本棚の肥やしとして放置しておりました。
そもそも手作業が好きな性質でもないのに何故買ったのか……でもなんか「欲しい!!」ってなっちゃったんですよね……
しかし先日「友達へのプレゼントに添えるカードをこれで作ってみよう!」と急に思い立ち、遂に使ってみることにしました。
組み立てには30~40分かかったんですが……。
すみません、この時点でブログのネタにしようと思っていなかったので、過程の記録がありません(ネタは常に意識して生活しないとダメですね……)。
パーツが大小(確認)個ほどあり、付属のドライバーを使って組み立てる必要がありますが、普段工作的なことを一切やらない私でも説明書通りにやれば完成させることが出来ました。
完成品はこちら。
表紙の写真だと金属っぽく見えますがプラスチックです。しかも黒いので手垢が目立ちます。しかも完成した後にどっかのネジ一つ余ってました。辛い……。
しかし、ディスプレイの仕方によっては結構オシャレなインテリアにも見えるかもしれません。
金属や木に文字を彫り込み判子状にしたもの(活字)を並べて文章にした板(活版、組版)を作り、それに塗料を塗って印刷すること。
Wikipedia先生より引用。
ヨーロッパでは15世紀に発明され、漢字文化圏に比べ活字の数が少なく済むため、広く活用されたようです。
日本でも明治以降は新聞・雑誌などで活版印刷の技術が存在感を発揮した歴史があるようですが、膨大な数の活字が必要であったり、版を組むのが大変であったり……印刷技術の向上により現在商業印刷の分野ではほとんど扱われることがありません。
しかし最近では、活版印刷物の独特の味わいに魅力を感じる人が増え、体験やイベントなどが各所で開催されているようです。
ワークショップ参考
このキットに含まれる文字は以下のものです。
個人的にはカタカナもあると嬉しかったですが、そこまで贅沢は言えません。
活字の初期状態はプラモデルのパーツのようにまとめて繋がっている状況ですのでハサミで切り離します。
この際接続部分がフラットになるよう綺麗に切り離さないと、版を組んだ時に文字がガタついてしまい、印刷の仕上がりに差が出てしまいます。
画像のような穴の開いたパネルに活字を差し込んでいくのですが、文字を置いていく際は鏡文字になるよう並べないと実際刷った時に文字列の流れが逆になってしまいます。
また、文字自体にも左右の向きがあります。
例えば『E』という文字を『E』という向きのまま置いてしまうと刷った際に逆向きになってしまいますのでそのあたりにも注意して並べる必要があります。
私は間違えそうだったので、紙に鏡文字を書いてそれを見ながら並べていきました。
インキは付属の黒インキを使っていますが、水性絵の具で代用可能だそうです。
アイデア(と手間暇)次第で表現の幅が広がりそうですね。
キッチンペーパーのような吸水性のある紙をセットし、水とインキを染み込ませます。
説明書と同じくらいの量のインキを出したのですがこれだとほぼ紙に色が乗りません……水もインキもこれより多めが良いと思います。
インキの上でハンドルを倒すことを繰り返し、ローラーにインキを含ませていきます。
じゅうぶんにインキが伸びたら、活字部分までローラーを下ろします。
何度か繰り返し、均等にインキが付くようにします。これが中々に難しく、見た目にも実際にもインキが付かないこと付かないこと……
ここでようやく印刷です。
何度もローラーを動かすとその都度印刷がされてしまうので、基本的には一発勝負!
さて、ここまでで何気にトータルで3時間くらいかかっています(笑)
とりあえず、試作品を見てみましょう。
ン~~~~~ッッッ微っっ妙……
これはあれだ……新聞紙から切り抜いた文字を並べて作られた脅迫状っぽい出来ですね……
DENSUK…で力尽きているのは大文字の『E』の活字が一個しかないためです……
この時点で肩こりが天井を突き抜けていましたので一旦保留。後日にリベンジすることを決意です。
後日、上記と同じ手順を踏んで再度リベンジ。
今回は版作り・インキのセット・印刷まで合わせて20分程度で出来ました。目覚ましい作業速度の進歩です。
ここで出来たものが以下になります。
『DENSUKE』部分についてですが、まず『DENSUK』の状態で一回印刷した後に全ての文字を外し、最後の『E』1文字だけをセットして刷っています。
見た目ではわかりませんが版が二種類あるということなのです(やむを得ず……)
しかし、これを応用すると二色刷りを行うことも可能となります。
例えば……
そういった変化をつけてみても楽しいかもしれません(いちいち台や活字を洗ったりする手間はかかりますが……)
印刷に使った紙ですが、100円ショップのセリアで見つけたヴィンテージ風のカードを使って刷ってみました。
あとインコのスタンプをちょっと押してみました。
紙やインキによって雰囲気も変わるので、それなりに味のある名刺……?が出来たかと思います。
版の並べ方は自由自在ですので、文字を波状に並べてみたり、エ〇ァの各話タイトル風に直角に並べてみても個性が出て楽しそうです!
今回の成果はこんな感じです。お疲れ様でした!
手書きやスタンプとは一味違う、むしろそれらよりもよっぽど手間のかかる活版印刷。
しかし丁寧に一枚ずつ刷り上げた作品は、プリンターで印刷したものとは一線を画す味があります。
個性的な名刺や、大切な人への心のこもった贈り物に添えるカードなどとして使うとインパクトがあるのではないでしょうか?
そして今の時期から「子どもの自由研究どうしよう……」とお悩みの親御さん、活版印刷どうでしょうか??
歴史の研究+実践で、面白くなりそうな気がします。是非ご検討ください!
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