人間が作った映像の「怨念」、AIはくつがえせない ゴジラ山崎監督

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ロサンゼルス=五十嵐大介
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 対話型AI(人工知能)「ChatGPTチャットGPT)」で注目を集めた最新のAI技術は、ハリウッド映画制作にも影響を与えている。実写とCGなどを合成させるVFX(視覚効果)の世界で活躍してきた「ゴジラ-1.0」の山崎貴監督は、日本で初めての視覚効果賞を受賞する授賞式直前の報道陣の取材で、最新のAIについての思いも語っていた。

 「いまAIを触っている感覚からすると、すごい絵ができるんだけど、なんか気持ち悪い」。山崎氏はAIが作った映像についてそう話す。将来的にはAIの力を借りる可能性もあるとしつつ、「しばらくはないんじゃないか」という。

 ロボットやCGの世界では、「不気味の谷」と呼ばれる現象が語られてきた。作られたものが人間に似てくると人は親近感を持つが、ある段階から急激に嫌悪感に変わるというものだ。

 山崎氏は、AIに立ちはだかる不気味の谷は「言語化できない」としたうえで、AIが作る映像について「牛が作ったような、別の生物が作った感じがする」という。

 「全然違う感覚の生命体が…

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この記事を書いた人
五十嵐大介
サンフランシスコ支局長兼編集委員
専門・関心分野
テクノロジー、経済、グローバリゼーション