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RX-81

あーるえっくすはちじゅういち

RX-81とは、『M-MSV』及び『機動戦士ガンダム戦記』に登場するモビルスーツ。
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機体概要編集

ガンダムシリーズの完全量産化を目的として開発された汎用試作MS。


コア・ブロック・システムこそ装備されていないが、装甲をルナ・チタニウム合金に再度変更し、FSWS計画による増加ウェポンシステムを採用する事で様々な戦局に対応できるように設計されており、コストダウンのために色々と簡略化した事で性能が低下しているジムとは違って総合的なポテンシャルはガンダムと同等かそれ以上のものを持っている。

計画初期のコンセプトは「RX-78の格闘性能の向上」だったが一度白紙に戻され、「部品の互換性、状況に応じた武装の変更」へと仕様が変更された。


一年戦争末期から開発が進められていたが、終戦を機に地球連邦軍は急速に軍縮を進め、その煽りを受けオーバースペック気味だった本機は試作機が少数生産された段階で開発が打ち切られた(その後の「連邦軍再建計画」でも量産性の高いジム系列を主力とする事を決定している)。

その後の詳しい所在は不明であったが、ベルファストの港湾部に秘密裏に保管されていた試作機2機が整備を施した後、データ収集を目的に特務部隊『ファントムスイープ』に配備され実戦投入されている。


元々の初出自体は非常に古く、1983年発売のMSVシリーズ1/144フルアーマーガンダムのインストでRX-81の機体形式と非常に大まかな概念のみが供述されたが、デザインは一点も起こされず、後の1990年にM-MSVで外観と装甲・武装バリエーションが明確に設定された。

その後2009年にカトキハジメによってデザインが大幅にリファインされ『機動戦士ガンダム戦記』に登場、『ジーライン』という機体名が与えられている。ただしゲーム内ではこの呼称は使われず「RX-81」で統一されている。


頭頂高はゲルググと同じ19.2mで、一年戦争の機体としては大型の部類に入る。

リファイン後も頭頂高の設定は変更されていないが、『機動戦士ガンダム戦記』を始めとして『機動戦士ガンダムオンライン』や『機動戦士ガンダムバトルオペレーション』などのゲーム作品ではジムやガンダムと同サイズで描写されている。

プレミアムバンダイから発売されたプラモデル『HG 1/144 ジーライン スタンダードアーマー』では頭頂高の設定が反映されており、比較的大型のキットとなっている。


バリエーション編集

ジーライン編集

型式番号RX-81

ジーラインの基本フレーム状態で、特に装備や増加装甲を施さない素体の状態を指す。

この状態では装甲が薄く、戦闘での使用にはあまり適さない。

が、逆に言えば身軽であり、ガンダムと同等のスペックを持つため機動性は十分に高い。

M-MSV版では頭部下のフェイスシールドを上げる事によるメインカメラの保護機能が備わっており、リファイン版でもそれを踏襲してか額のバイザーを下ろすことによってカメラの保護が可能である。

ジーライン スタンダードアーマー編集

仕事逃避

型式番号RX-81ST

ジーラインに増加装甲を装着した形態の一つ。M-MSV版の名称は「RX-81 スタンダード」。

脚部にスラスターユニットを追加し、胸部・肩部、腿部にスラスターを内蔵した増加装甲が装着されている。

素体と比べて重量は増加しているが、推進力と防御力は上昇しており、バランスの良い機体と言える。

フル装備時では、テールスタビライザーを2基装着したバックパックを装備。一説ではこのスタビライザーはプロペラントタンクを兼ねており、作戦行動可能時間が延長されているとする資料もある。

ジーライン ライトアーマー編集

メイン画像。

型式番号RX-81LA

ジーラインに増加装甲を装着した形態の一つ。M-MSV版の名称は「RX-81 ライトアーマー」。

スタンダードアーマーと比べると装甲の追加は最低限で、胴体部の増加装甲はほぼ皆無である。代わりにスラスターが大型になり推力が強化されている。

また、頭部に長距離射撃用のセンサーとカメラユニットが追加されており、高速での一撃離脱及び狙撃に特化した機体となっている。

フル装備時では、中央にスラスター内蔵の大型テールスタビライザーを装着したバックパックを装備する。

M-MSV版では完全に射撃に特化しており、ビームサーベルなどの接近戦用の装備すら廃されていた。

ジーライン アサルトアーマー編集

ジーライン シリーズ

型式番号RX-81AS

ジーラインに増加装甲を装着した形態の一つ。

ジム・ストライカーの装甲を発展させた格闘戦用の増加装甲を全身に配置し、兵装も格闘戦に特化。

さらに、フル装備時では推力の強化に重点が置かれている。

フル装備では7基のバーニアが配置されたドラム型バックパックを装備し、このバックパックも後述する追加装備に対応している。

この装備はRX-81のリファインの際、カトキハジメがM-MSVで名前だけ登場した「突撃型」の記述から着想を得て、ゲームスタッフの要望を受けつつ新規に設定したものである。

ジーライン フルカスタム編集

RX-81FC ジーライン フルカスタム

型式番号RX-81FC

ジーラインを終戦から3年を経たU.C.0083の最新鋭技術でチューニングした機体。

肩・股間部の装甲と脹脛側面のスラスターがスタンダードアーマー、腰部側面・脹脛後部のスラスターがライトアーマー、頭部下・前腕・腰部・脛・足の甲の装甲と背部のドラム型バックパックがアサルトアーマーと共通し、バックパック中央のスラスターを姿勢制御バーニア内蔵のプロペラントタンクに換装している。

さらに基本フレームの胸部と前腕に増加装甲を追加、バイザーはヘルメットのような曲面状のものに変更された。

背部にはジム・キャノンⅡのものによく似たビーム・キャノンを搭載(関連性は不明)、収納時には砲身を短縮できる。

装備しているライフルは設定資料の武装欄ではヘビーライフルと記載されているが、外観は何故だかガンダム7号機のビームライフルである。


『機動戦士ガンダム0083REBELLION』ではキルゲレス隊が運用しており、クロウド・カーツが搭乗した。


武装編集

RX-81は換装による柔軟な戦局対応が目指されていたため、武装も極めて多い。ことわり書きが無いものは全形態で共通に使用できる武装である。

設定資料では詳細が語られていない兵装も多く、本項ではゲーム『機動戦士ガンダム戦記』での性能を交えて解説している。


射撃武装編集

ショートビームライフル編集

速射性を向上させたビームライフルで、取り回しはビームスプレーガンやビームガンに近い。消費エネルギーが少ないため従来の1.5倍程度の弾数が確保できるとされる。その一方で、従来のライフルと比較して大型であり、威力も相応に大きいとする資料もある。

ゲーム『機動戦士ガンダム バトルオペレーション Code Fairy』では、一年戦争末期に新規開発されたばかりの、威力を重視して調整されたものをジム・スパルタン(RG)が装備している。

ヘビーライフル編集

ショートビームライフルの銃口を延長しエネルギーパックを増設、装填弾数を犠牲にして威力と射程を向上させたビームライフル。技量の高いベテランパイロット向けの武装と言える。

M-MSVでは「狙撃用ヘビーライフル」という名称も記載されていた。

ショットガン編集

RX-81AS用に開発された散弾銃で、「アサルト・ショットガン」とも呼ばれる。

その外見からセミオート式と考えられ、片腕である程度の連射が効き、フォールディングストックによる安定した射撃も可能である。

バルカン砲編集

頭部に搭載された全換装形態で共通の射撃武装。威力は低いが牽制用には十分な性能。


近接武装編集

ビームサーベル編集

メインとなる格闘兵装で、リファイン版から追加された装備である。ガンダム戦記では専用兵装として軽量・高威力に設定されており、バランスが良く取り回しの良い兵装となっていた。

ヒートランス編集

RX-81AS用に開発された格闘兵器。金属を熱する事で対象物を熱によって溶断するヒートホークヒート・サーベルの原理を用いた兵器で、威力はビームサーベルに劣るがリーチは格段に長い。ジェネレーターへの負荷も少なく、アサルトアーマーの推進力と合わさり高い打撃力を発揮する。

漫画『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』では、戦後間もない時期にペイルライダー・デュラハンが装備しており、一年戦争当時からRX-81の開発が進んでいたことが窺える。

ツイン・サーベル編集

RX-81FCの両膝に格納されている格闘兵器。ジム・ストライカーのツイン・ビーム・スピアと機構は同じだが柄と変形部分が縮小されており、片腕で取り回せるようになっている。


追加武装編集

ミサイルランチャー編集

バックパックの両側に4連装ミサイルランチャーを追加したもの。弾頭は小型だが追尾性は高く、複数の敵を同時にロックオンできる。

ガトリング・スマッシャー編集

バックパックの両側に4連装の実弾火器を追加したもの。威力は並のマシンガンを軽く上回り連射性能も良好、特に近距離での掃射が有効である。

ガトリングと銘打たれているが砲身は回転せず、4つの銃口から順番に弾丸が発射される。Gキャノンの4連マシンキャノンに近い仕様であると考察する資料もある。

アサルト・キャノン編集

バックパックの右側に威力の高いキャノン砲、左側に照準器を追加したもの。中距離支援用の装備で、曲射弾道による遠距離砲撃も可能。


その他編集

シールド編集

ルナ・チタニウム合金製のシールド。下部には近接戦闘用の突起があり、打突兵器としても使用できる。

元はガンダム7号機用の装備で、リファインの際にジーラインと共通規格の装備として設定された。ゲーム『機動戦士ガンダム戦記』でジーラインが装備するものは十字マークが省略され、代わりにファントムスイープ隊のエンブレムがマーキングされている。

アサルトシールド編集

RX-81AS用に開発されたシールドで、ジム・ストライカーのグラップ・シールドのクローを、ガンダム7号機のシールドに取り付けたもの。重量は嵩むものの、敵機を掴んで捕えたり、クローで直接殴りつけることもできる。

シールド・アンカー編集

RX-81FCの装備として新規に設定されたシールド。

グラップ・シールドのクローを有線射出式にしたもので、離れた敵機を掴んで引き寄せられる。

『機動戦士ガンダム0083REBELLION』では相手の兵装を掴み取り、シールドごと離れた場所へ射出するという使い方もされていた。


立体化編集

M-MSVのRX-81、リファイン後のジーライン共に長らく商品化はされていなかったが、2023年11月にプレミアムバンダイから『HG 1/144 ジーライン スタンダードアーマー』の発売が決定。

アーマーが独立したパーツになっており、基本フレームとスタンダードアーマーの換装が再現されている。


関連項目編集

MSV M-MSV FSWS計画 機動戦士ガンダム戦記 ファントムスイープ隊


ウィンダム:ジーラインと同様に名機の完全量産化を実現させた機体。


マラサイ:アクションフィギュア『MOBILE SUIT IN ACTION!!』の解説文に「外見はザク系だが、その仕様はガンダムの完全量産を目指したRX-81計画の流れを引き継ぐもので、そのためバリュート・システムや専用形状のダミーバルーン等の豊富なオプションが初期から開発されていた」と言った趣旨の文章がある。

しかしこれはRX-81がリファインされる前の2005年のもので、内容に関しても『機動戦士Ζガンダム』の描写や他の設定資料と食い違う部分が多く、どのような根拠を持って書かれたかは不明である。


あばたーふみな:彼女が纏っているアーマーは、M-MSV版「RX-81 スタンダード」をベースにした物である。

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