JR貨物19D形コンテナ
じぇいあーるかもつじゅうきゅうでぃーがたこんてな
阪神淡路大震災を機に、船舶代行輸送の需要が高まったため、JR貨物19B形コンテナに船舶輸送用の隅金具を設置して改良した。1996年3月に10個が製造されたことをきっかけに、その後も継続的に増備を進め、2018年にJR貨物20D形コンテナに移行するまでに48217個が製造された。その製造期間の長さと製造数の多さも相まってバリエーションが大変多い。
2024年12月5日時点で21195個が使用されており、JR貨物のコンテナで最も多いが、近年は20D形への置き換えが進行しており減少傾向である。
0番台
隅金具の性能確認等を行うため、1996年3月に、東急車両製造大阪製作所にて10個が製造された。社名表記は「日本貨物鉄道株式会社」。
1997年には量産型が4950個製造された。この製造分では社名表記が「JR貨物」に変更されている。
量産型の製造会社は、JINDO(韓国)、CIMC(中国)、日本車両(日本)。
なお、隅金具に不備があったのかはわからないが、この後に製造されたJR貨物19F形コンテナには隅金具が設置されていない。
2010年ごろから置き換えが始まり、2018年ごろまでに全廃した。
5000番台
2001年のJR貨物19G形コンテナ登場に合わせて、屋根の強化や隅金具の構造変更が行われた。
「環境にやさしい鉄道貨物輸送」のステッカーが貼られている。これはのちに「環境にやさしい鉄道コンテナ」に変更されている。
以降、細かな仕様変更を行いながら、2006年までに20700個が製造された。
12101、12102は通風機構の試作として製造されたが、のちに鉄板で塞がれている。
製造会社は、6501~7000が日本車両(日本)。それ以外はCIMC(中国)、または東急車両(日本)。
2003年に東急車両製造が和歌山製作所を開設したことから、この年は7700個と、大量に製造されることとなったが、2003年中に大阪製作所が廃止されたため、それ以降は毎年2000~3000個となっている。
2013年ごろから置き換えが始まり、現在は僅かに残るのみとなっている。
東急車両の個体はアスベストが含有されていることから、売却を行わずに解体されている。
30000番台
2007年に19G形と共にフルモデルチェンジされた。2017年までに21610個が製造された。
エコレールマークのステッカーが貼られるようになった。
以下は特徴のあるコンテナ。
- 19D-31901~31980・・・半ドア防止機能付き
- 19D-31981~32000・・・セルフクリーニング機能付き
- 19D-32601~33000・・・エラーロゴ機能付き
- 19D-33651~33700・・・50周年記念コンテナ(黄緑塗装)
42001以降は塗装が大幅に変更され、JRFマークの代わりにJRマークが張られるようになった。また、「環境にやさしい鉄道コンテナ」のステッカーが省略された。
2023年から置き換えが始まっている。
37111~37900は、80000番台製造分として、欠番になっている。
製造会社は、2011年製造分までが東急車両(日本)、2012年製造分から総合車両(日本)、他にCIMC(中国)がある。
80000番台
東日本大震災による津波で被災したコンテナの代替新造のため、2012年に総合車両(日本)にて791個が製造された。塗装は30000番台に準じるが、ドアを強度を上げている。
他の同時期のコンテナに比べ、塗装の老朽化が早かった、CIMCの5000番台初期製造分に対して、2007年から2009年にかけて19B形コンテナのリニューアル塗装に準じたリニューアル工事が行われた。リニューアル塗装では、JRFマークが小型になり、菱形の帯が省略されたほか、番号末尾に「R」の文字が追加されている。
製造後5~10年程度経過したコンテナに対する内張り板の張り替えは、かねてより行われてきたが、2009年に表記が一新され番号末尾に「いた」の文字が追加されるようになった。現在は概ね9年が経過したコンテナに行われる。
2010年より産業廃棄物輸送用のW19D形、事業用のZ19D形、死重輸送用のZD19D形、フォークリフト操縦実験用のZX19A形に転用が進んでいる。当初は0番台、5000番台の転用が主流だったが、2019年以降は、30000番台の転用が主流となっている。現在は5000番台と30000番台がそれぞれ約半数を占め、0番台が僅かに残るのみとなっている。