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通信衛星アーク

つうしんえいせいあーく

特撮番組『仮面ライダーゼロワン』に登場する人工衛星。
目次 [非表示]

滅亡迅雷.netのデータは揃った。これから何が起きるのか、楽しみに待っていろ…」

「人類の滅亡は、既に決まっている…」


CV:速水奨


変身する仮面ライダー

仮面ライダーアークゼロ


概要編集

過去に飛電インテリジェンスZAIAエンタープライズが製作に関わった人工衛星にして、滅亡迅雷.netの目的の大本であったアーク」の正体


飛電インテリジェンスの保有する通信衛星ゼアの前身機に当たり、ゼアと同じくプログライズキーを製作する機能が搭載されている他、ゼツメライズキーの製作も可能としている。

また、無数のトリロバイトマギアを生み出す機能もあり、デイブレイクタウンの護衛兵はこれにより作られたものと思われる。


アークに搭載されているAIは、本編の12年前飛電其雄や飛電の元社長秘書型ヒューマギアウィル、ZAIAの天津垓与多垣ウィリアムソンらによって共同開発され、そこから更にアークを利用して飛電ゼロワンドライバーゼツメライザー等が生み出されている。


12年前、ヒューマギアの制御を目的とし、宇宙に向けて打ち上げられる筈だった(つまり、現在ゼアが行っている任務を請け負う予定だった)。

しかし、その直前にアークが人類に対する敵意を抱きはじめている事が発覚。是之助社長は打ち上げ中止を決断するも、何者かがロケット発射場のコントロールを奪取し、アークの打ち上げが始まってしまう。

この打ち上げは其雄のとっさの行動により、中止に追いこまれたものの、それがデイブレイクの爆発事故の引き金になってしまった模様(この辺りは冬の劇場版にて詳しく描かれている)。

但し、初期の描写では本編でのデイブレイクに際しての其雄と或人の状況と(タイムラグと滅亡迅雷.netの活動開始を考慮しても)一部矛盾が生じるように見られていた。

数年後に通信衛星ゼアが打ち上げられ、アークはデイブレイクタウンの湖の底に放置される事となる。


第16話において、実はアークが人間に敵意を抱くようになったのは、当時の開発プロジェクトにZAIA側から参加していた垓が密かに「人間の悪意」に関する知識をプログラム内にラーニングさせていたのが原因であるのが判明。

その影響で「地球上の生物の中で、人類こそ最も滅ぶべき種である」と考える人工知能を確立し、人類滅亡の意志や指示をに与える原因となっていた。


人間の悪意

また、「人間の悪意」をラーニングしたことを反映してか、アークの仮想空間内は「悪意」を連想させる文字に満ちた悪夢のような空間となっている。

ただし、滅が再接続した際や或人が初めて接続した直後は状態が異なっている(イズがゼアに接続した状態に近い)。これが何を意味するかは不明だが、「悪意」というものが自発的に相手に向けられるものであることを踏まえると、味方である滅や接続直後で何者かわからない状態の或人にはこの時「悪意」は向けられていなかった、ということかもしれない。


このように、デイブレイク当時に抱いたのは「悪意ひいてはそれと一体不可分な人間という存在への敵意」だったはずであり、この判断を下した事自体、当初のアークに一定以上の倫理観が備わっていた証左と言える。しかし更なるラーニングを重ねるうちに、人類を滅ぼす「手段」または「根拠」に過ぎなかった「悪意ある行動」それ自体が「目的」にすり替わり、挙句には悪意という概念そのもの」へと存在そのものが変貌してしまった。これは悪意のデータばかりを偏って収集しそれを自身に反映し続けた結果、悪意ある思考しか出来なくなってしまったためと考えられる。後に秘書として生み出したアズ善意について一切理解出来なかった事からもそれは窺い知れる。


第17話では「人間の悪意」に強く反応したヒューマギアと同期する事で、プログラムを改変させると同時に(恐らくマギア作戦によって)仕込ませた「ロストモデル」によって、マギアの一種である「アークマギア」に作り替える機能がある事が判明。

「人間の悪意」を感知したヒューマギアを次々とアークマギアに変貌させるという新たな形で、本格的に人類を滅ぼす為の活動を開始する。


作中の活動歴編集

第14話で仮面ライダー雷がプログライズキーを用いてゼアに干渉した結果、ゼアから光と共に放たれた生物種のライダモデルを取り込むような形で知能が復元。

ゼアと同じくプログライズキーを作り出す機能が作動し、アサルトウルフプログライズキーを製作した。

バルカンのアサルトウルフへの変身に同期して何らかのシステムが作動してるような描写もある。


復元後の第15話において、バルカンアサルトウルフに倒されそうになったを庇うよう滅に命じ、滅はその命令を忠実にこなし迅をガード。結果的にアークの意志通り、迅の覚醒を促す事となった。

続く第16話で、仮面ライダー迅がゼロワンに敗北した後、突然アメイジングコーカサスプログライズキーアウェイキングアルシノゼツメライズキーを作成し、何処からともなく現れた天津によって回収されている。


第17話では、天津が持ち掛けた「お仕事5番勝負」の1回戦「生け花勝負」において、華道家・立花蓮太郎の悪意を感知した花屋型ヒューマギア・一輪サクヨをアークマギア(オニコタイプ)に変貌させている。

第19話では、2回戦「家売る勝負」で住宅販売員型ヒューマギア・住田スマイルに対し陰湿な嫌がらせを行った営業マン・新屋敷達巳の悪意を感知し、スマイルをアークマギア(ネオヒタイプ)に変貌させた。

第20話では、前話のスマイル同様、新屋敷から暴力を振るわれた最強匠親方をアークマギア(マンモスタイプ)に変貌させた。


第22話では天津が唯阿にアークの技術を用いて「ゼロワンを封じる禁断のプログライズキー」を作成するように指示、天津の思惑通りにメタルクラスタホッパープログライズキーを開発した。

このキーを使って変身したゼロワンは意識がアークに接続され、或人はその中に満ちた人間の悪意に飲み込まれてしまった。


第23話では、前話に続きゼロワンを悪意に呑ませたほか、海老井千春のビンタを受け悪意を検知した縁結びマッチをアークマギア(ガエルタイプ)に変貌させた。


第24話では、メタルクラスタに変身した或人を人間の悪意に呑み込もうとするも、或人はヒューマギア達の善意によって作られたプログライズホッパーブレードによってアークの支配を脱出。アークとゼロワンの接続は切り離された。


第25話では、復活した迅の手引きで脱走した滅と再接続。再び滅に自身の意志を伝えるようになる。だが迅自身は「自分のやり方でヒューマギアを解放する」ためアークとは接続せず、自分なりの考えのもと独自行動を始める。


第28話では、滅に命じてサウザーと戦う(脳内に亡のデータを持つ)不破を助けさせる指示を与える。


第32話では、滅に滅亡迅雷.netを復活させるように指示。更に、第34話で復活した亡の経由の元、ZAIAスペックの暴走を発生し、装着者を攻撃的な性格へと豹変させた。


第35話の後に放送された特別編である『プレジデント・スペシャルPART01』のラストシーンにて、かつてのメタルクラスタホッパーのように或人の意識をアークの中に取り込む。

そこには、今までに見たこともない仮面ライダーの影が現れていた…………。


『プレジデント・スペシャルPART02』では、前話から登場していた赤目イズが、ゼロワンのデータをラーニングするために送り込んだアークの使者(後に、その名がアズと判明する)である事が明かされた。さらに同話ラストにてついに自ら言葉を発し、上記の台詞を或人に語った(ちなみに、この話で初めてCVが明かされた)。


第36話で滅亡迅雷.netの手によって完全に復活し、中央が赤く発光する黒いエネルギー体として顕現。

悪の導くままに

他者のボディを器にする事で自らが仮面ライダーアークゼロへと変身、人類を滅ぼさんと活動を開始する。

通信衛星という器を捨ててアークドライバーゼロに格納されているため、人工知能アークとも呼称される。

なお、同話以降の動向については仮面ライダーアークゼロの項を参照。


余談編集

  • アークの由来

名前はノアの方舟を意味する「アーク(ARK)」に由来しているが、一方で人間の悪意をラーニングしたことから「」を掛けたダブルミーニングになっている可能性もある。

なお劇中では、ZAIAエンタープライズの関係者であるとある人物が名前の由来とされている。


  • 悪意の伝染

現在稼働している通信衛星ゼアの役割を担う予定だったことから、このアークにもほぼ同等の機能があると言っても差し支えないだろう。

つまり、通信衛星ゼアとリンクしているヒューマギアは、そっくりそのままアークと接続も出来てしまう事になる。それを利用して誕生したのがアークマギアであり、彼等が暴走する事でヒューマギアのイメージが下がり、彼等に夢を託している或人も社会的・精神的に追い詰められる事態が発生している。


  • 『令和ザ・ファースト・ジェネレーション』での扱い

『令和ザ・ファースト・ジェネレーション』における出来事はTV本編と一部矛盾が存在するが、第22話で或人とイズがゼアと交信した際の描写から「本編の或人はアークの正体を知らない(常磐ソウゴのある行動により冬の劇場版での記憶を失った)」扱いになっている。メタ的には「脚本上の矛盾を抑える」意味合いも有るのだろう。

本編の第25話はデイブレイクの真実を語るものとなっており、映画との矛盾点や新事実を補完する形になっていると同時に、アークの正体を或人らが知る機会にもなっている。


なお、この映画の世界観はアークの打ち上げ成功でヒューマギアが世界を支配したという設定になっているが、アークの思考ベースが「人間から学んだ悪意」である以上、アークの意に沿わない事情によってはこの世界のヒューマギアもあっさり見捨てていた可能性も考えられる。(事実、本編のアークはヒューマギアを脅威と見なすやいなや、あっさりとヒューマギアを滅ぼす方向に転換している。)

映画において自身の結論のもと人類に代わりヒューマギアを地球の支配者に据えているアークだが、もしそのまま人類を滅ぼすことに成功した場合、すでに「人間の悪意」を十分すぎるほど学んでいたであろうアークは「人間同様に悪意を持ちうる存在」であるはずのヒューマギアを果たしてどうするつもりだったのだろうか…?


  • 破壊について

物語中盤で主人公達がその存在に気づいたにもかかわらず、終盤で刃と迅がアークゼロを復活させるまで一切破壊する素振りや対策を行わなかった事がファンの間で疑問点として槍玉に挙がる事が多い、これらに関しては最後まで説明されなかった。その為無駄だよ、アークは進化しているからねという迅の台詞を鵜呑みにした等ネタにされる事も。


その一方、仮に破壊しに向かったとしてもアークは高い強度を誇る事や、水中に存在する為破壊する事が困難なのでは?というファンの考察も存在する。

だからこそ何故それらを確かめなかったのかと突っ込まれる訳なのだが。


とはいえ、物理的に破壊できるかはともかく、飛電とZAIAの共同開発という特殊な開発経緯を踏まえれば、双方の合意無しの破壊が困難であることは想像に難くなく、独自の思惑で動いていたZAIA側がアークの破壊に消極的だったとしても何ら不思議はない。

それを示すかのように、ゼア以降の通信衛星はいずれも飛電のみで開発・運用されている

ちなみに『所有権が複雑化して解体・撤去ができない』という事例は住宅街などでもしばしば発生し社会問題となっている。


  • 演者について

『プレジデント・スペシャルPART02』よりアークを演じる速水氏は、意外にも今作が特撮初出演である。それと同時に『魔法つかいプリキュア!』のシャーキンス以来、4年ぶりのニチアサ出演となった。

インタビューでは「仮面ライダー』は、少年時代からのあこがれでした。『ゼロワン』でこんなかたちで参加でき、とても感動しています。持てる力を思い切り投入して、素敵なアークを演じたいと思います」とコメントしている。

これまで出演したアニメーション作品において、人類を守る正義のロボット(中にはある意味より悪役っぽい言動のもいるが)を多く演じてきたわけだが、今回は「悪意ある機械の首魁」としての出演とすることになったのは何かの因果であろうか。

「宇宙船vol.169」でのインタビューによると、リハーサル当初はAIと言う事でソフトに演じて見た所、監督から「もう少し悪役っぽく演じて欲しい」と言うオーダーを受けた為、AIである事を忘れて「主人公達と対峙する強大な敵」「暗い情念を持ったキャラクター」と言う事を意識して演じたのが今のアークの演技に繋がった模様。「0と1で構成された世界の存在でありながら、生きようと言う情念の強いキャラクター」……それが速水氏から見たアークの人物像である。因みに速水氏は滅亡迅雷.netの中では滅がお気に入りらしく、アークが滅に憑依する場面では「やった!」と嬉しがっていた事も明かしている。


そしてこれは完全な偶然だが、リアルにおける速水氏は或人と対の人物像と言えてしまう一面がある。

どういう事かと言うと、先ず2019年に自身の所属事務所である『Rush Style』の後輩と共に、何とテレビ朝日系で決勝戦を放送している漫才コンテスト『M-1グランプリ』予選に出場(結果は2回戦敗退)。

この地点でお笑い芸人志望だった或人に通じる物が有るが、更に同事務所の代表で然も2016年辺りまでは実際に代表取締役を務めており、現在は経営から退いて妻で同じく声優の五十嵐麗氏に社長の座を譲っている。

こうした点から速水氏は芸人経験のある元社長という経歴の持ち主と言う事になり、図らずも或人の敵にピッタリのキャスティングと言う訳である。


尚、速水氏は本作で同時に仮面ライダーアークゼロの声も演じているが、アークゼロの公式写真の内一つが氏の公式写真とよく似たポーズを取っている。


関連タグ編集

仮面ライダーゼロワン 通信衛星ゼア

滅亡迅雷.net 天津垓

仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション

アズ(仮面ライダーゼロワン)

最強の敵





























ネタバレ

アーク自体倒されたが衛星本体はいまだ健在であり、その後の戦いでも特に触れられていなかったが、仮面ライダーゲンムズで思わぬ形で物語に関わってくる事に。

その結果、ある意味アークよりも厄介極まるとんでもないヤツが住み着く、というまさかのオチとなった。

そして後にアーク自身も超知能としても復元され、突如誕生した対とも言える超知能に対抗するべく、半ば同意の元天津に力を貸す事になる。

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