誕生の経緯
設立は2009年頃と言われておりミリタリーマニアでコスプレイヤーであった創設者のアイディアである。後にコミケで頒布された同人誌のキャラデザなどは同人サークルを営んでいた知人(以下原作者)が形を興したものだと伝わっている。初期はSWATのような黒一色の装備こそ着込んではいたが、ヘルメットに「N.E.E.T.」の文字がなく背面のプレートに『自宅警備隊』と書かれた非常にシンプルな出で立ちであったと言われている。ヘルメットの『N.E.E.T.』の文字はその後の改良でつけられた模様。なお意味は『Not Emploiment Enbattle Team(非労働武装集団)』の略である。
装備
・『N.E.E.T.』と記載されたヘルメット
・顔にはゴーグルとバラクラバ(目出し帽)
・上下には黒の戦闘服とミリタリーベスト(背面に『自宅警備隊』のプレート)
・手は指が出た手袋
・手足にニーパットとエルボーパットを装着し、腕に腕章を着用
・靴はミリタリーブーツ
↑基本装備は上記の通り。あとは基本的に逸脱しなければ武装やネタ装備を各々で持っていくというのがデフォルトである。
主な任務
年間通して家の家事手伝い及び自宅の警備と称する引きこもり生活を生業とする。また趣味で収集したコレクションの管理も行っている。また年に数回開催されるコミケやニコニコ超会議といった大型イベントやコスプレイベントでの宅外への派遣も行われている。かつてイベント参加を『宅外派遣』と称した時期もあるが現在ではサークル出展による物販活動を意味するようなっている。
役職
隊長
自宅警備隊のトップのみが就任し歴代で唯一創設者のみが名乗った。創設者が退団した後は空席となった。
方面隊長
北海道~九州までのエリアの長が就任。実質的な現場指揮官として作戦に従事した。
方面副隊長
方面隊長の補佐または方面隊長に代わって部隊指揮を任された人の役職。
支部長
都道府県内の支部のトップが就任。特別な役割はなく栄誉職のような位置づけであったとされる。
作戦参謀
直接的な指揮権は無かったが、トップや末端の隊員へのイベントのアドバイスや戦術指南を主に担当していた役職。
制作部・企画部・放送部・ゲーム部
イベントの参加やグッズの制作、プロモーションやイベント企画を受け持っている人。裏ボスこと原作者のポジションである。
関係組織及び関係者
カーチャン
J( 'ー`)し←コミケで創始者と邂逅したのを期に一緒に行動することが初期から中期にかけてあったものの、自宅警備隊自体がコスプレから遠のくに連れ関わりが薄くなった。実は組織外の個人のコスプレイヤーさんだったりする。
武装職安
2012年8月に自宅警備隊の隊員を就職させるべくライバル組織として誕生した組織。元は2名の隊員が志願して形作ったものとされ、2019年の夏コミまで一緒にサークル活動も行っていた。対抗組織とはいえ個人間での連携や交友度は非常に高かったようで個別のサークルであったがお互いの頒布物や売り子を手伝いあったりもしたようである。だが2017年3月を最後に更新がなくなり、その後2019年の冬コミでは武装職安の名がサークルからなくなり組織は自然消滅した。なおこの組織の出現に影響を受けてか2012年冬以降に自宅警備隊以外の個人が作ったネタミリタリー団体が複数確認されている(現在は全て活動休止)。
外国の自宅警備隊
日本のみならずドイツを始め、中国・台湾・アメリカ・イギリス・ウクライナ・スウェーデン・ロシアといった国で自宅警備隊公認のもと組織されたことがあり、実際に一部の隊員に関してはコミケなどで一緒に参加したりもした。
輝かしい活動記録
コスプレ自体は2010年に本格的に活動を開始し創設者が1人で行っていたが、2011年8月のコミックマーケットにおいて、真夏日のコスプレエリアをカメラを持って歩き回っていた姿を2chのコミケまとめで取り上げられたのを期に知名度が上がり、同年12月のコミケでは分隊規模となってコスプレ及びミリタリー界隈で頭角を表すに至った。翌年の夏コミでは初のサークル出展し、創設者が記載した同人誌はネタと濃いめのミリタリー知識を詰め込んだ内容となっており、大変読み応えのあるものであった。そのため会場では昼には完売し、後に同人委託という形で再頒布するに至った。2013年には一迅社から『自宅警備隊完全読本』が出版され、同人以上のクオリティで構成されている。2014年のニコニコ超会議では求人雑誌anともコラボ企画でTシャツを頒布。なおこの時期からコミケでのサークルスペースは壁サークルにまで成長している。2015年はラジオ会館の1周年セレモニーにおいてゲスト出演する。同年からおそ松さんを始めとした『無職・ニート・引きこもり』のキャラクターに関係するアニメとのコラボ(一部例外あり)も展開され今日まで続いている。2016年に創設者が人知れず引退。翌年2017年には原作者を中心に組織内にバンドを結成し『ブラックレジメンツ』というチームで各種イベントに殴り込みにかかった。その後2020年のコロナ禍で活動が一時休止状態に陥るも、その後は復活するイベントでサークル出展を展開していった。
2024年現在はコスプレよりも個人Vtuberとのイベントの出展や企画に注力している模様で今後の展開に注目が集まっている。
波乱万丈の記録
10年以上活動してきた自宅警備隊であったが必ずしも順風満帆というわけではなかった。序盤は志願者の中にオタサーの姫が混ざり危うくサークル崩壊を起こすなんて事もあった。時には参加したイベントで些細なネタで何故か炎上したりと注目度が高い頃は何かと慎重に行動せねばならない時期もあったのである。また大所帯になるに連れ、隊内でも派閥抗争があり、特に関東では物販の参加の義務の是非について原作者側と物販の売り子否定派で別れて一触即発の事態が長期間続いたなんて事もあったのである(資金調達しないとコラボやプロモーション活動ができずジリ貧に陥るため物販活動は必須である。ただ否定派の立場から見れば決して高くない装備を自前で集めて手間ひまかけて申請までして全て自腹でイベント参加するのに、隊に所属してるんだから売り子は義務だと言われるのは半ば酷な話である)。
2016年に創始者と初期の主力メンバーが脱退し、2頭体制が崩れ原作者が事実上のトップになると新たなカリスマを立てるためにバンドを結成する。バンド事態は順調であったが、そのボーカルが2019年8月のコミケ後に「全てが嫌になった」と言い残して失踪し、翌年12月にはそのボーカルの代わりを担っていたメンバーが脱退。2021年以降は過去の勢いを盛り返せずバンドはそのまま自然消滅をするに至ったのである。
組織の体系で言えばミリタリーに造詣のあった創始者が離れ、コンテンツビジネスでの企画や販売に注力していた原作者の方針により徐々にミリタリーコスプレから逸脱しだし、コロナ禍辺りからグッズやツイッターの公式アカウントで、その影響が顕著に現れ始めていた。その間にコロナ禍の期間に多くの隊員がミリタリーのコスプレ団体から逸脱しつつあった自宅警備隊に見切りをつけて離れていき、また生活スタイルの変化によりコスプレから引退するものも少なくなかった。また新隊員の加入も減少し担い手の不足によってコスプレイベントで姿を見かける事はほぼ皆無となったのである。
それを見越してか原作者もコスプレに見切りをつけて自宅警備隊コンテンツの商業化やビジネスに没頭するようになり、昨今はVtuberを売り子にしてサークル活動を展開している。しかし2023年8月に頒布予定だった同人誌に対し、自宅警備隊と関わったVtuberのひとりが掲載の許可を得ずに自身が同人誌に掲載されたと訴えられ、さらに原作者の過去の過激な発言で炎上したために残った身内の一部からも苦言を呈されるまでに至るという失態も犯している。コスプレ団体から足を洗い、企画屋、イベント屋に変わりつつある今の自宅警備隊は今後どのような道を歩むのだろうか。今はただ原作者のみが知るところである。
関連項目
・自宅警備員:元ネタとなったネットスラング
・ニート
・無職
・コスプレ