瞳の中の暗殺者

「蘭の瞳に隠された狙撃犯(スナイパー)を探せ！」「Need not to know....」

本作では毛利蘭の記憶喪失をテーマに、コナン(新一)との関係をメインにした内容となっている。

佐藤美和子、千葉和伸が劇場版に初登場。

また白鳥警部を演じた塩沢兼人氏の最後の劇場版名探偵コナン出演作品。　※今作で風戸京介を演じた井上和彦氏が次作から白鳥を演じる事となる。

前作まで劇場版ポスターに登場していた少年探偵団の3人が初めてポスターに登場しなかった作品でもあり、この事に対して原作者の青山氏が「ちょっと寂しい」と感じたとの事で、翌年に公開された『天国へのカウントダウン』では探偵団メインの作品となった（2023年現在、探偵団がポスターに登場しなかったのは本作と迷宮の十字路、銀翼の奇術師、水平線上の陰謀の4作品のみ）。

初代プロデューサーである諏訪道彦氏の話によると、探偵団の3人がメインでもなく毎回ポスターに出ているのは同年代の小学生に向けての意味合いがあるとの事だが、現在は一部の人気キャラを中心に興行収入の上昇につながっている為、諏訪氏の話とは裏腹にポスターに出ている探偵団が明らかに浮いている部分が強い（特に2019年に公開された『紺青の拳』では出番はごく僅かしかなく、ストーリーにも全く関わらないのにポスターには登場しており、逆に探偵団よりも明らかに出番が多い小五郎はポスターにいなかった）。

20世紀に公開された最後の作品でもある。

ある雨の日、米花公園前の横断歩道を赤になる直前で急いで渡ろうとした少年探偵団は、居合わせた刑事の奈良沢治警部補に注意される。だがそのすぐ後、彼が電話ボックスで何者かに拳銃で撃たれた。コナンはすぐさま犯人を追いかけるが取り逃がしてしまう。奈良沢は自分の左胸をつかみ、何かを伝えようとして事切れてしまった。犯人の手がかりはグレーのコートに黒い傘、凶器が9mm口径の拳銃であること、そして拳銃を左手で撃っていたことから左利きであることだけ。奈良沢が自分の左胸をつかんで死亡したことについては、警察は胸にしまった警察手帳を示したものと解釈された。

その日の夜、今度はマンションの地下駐車場で芝陽一郎巡査部長が射殺された。ニュースや新聞は一連の警察官連続射殺事件を大々的に報道する。

そんな中、白鳥警部の妹･沙羅の「結婚を祝う会」が開催される。米花サンプラザホテル内の会場には、毛利小五郎の元上司･小田切敏郎を始めとする警察官、敏郎の息子でミュージシャンの小田切敏也、白鳥の主治医の風戸京介らの姿もあった。コナンと小五郎は、高木渉から芝刑事が警察手帳を握って死んでいたことを聞き出すが、白鳥に「Need not to know(知る必要のないこと)」(警察関係者の隠語)と言われて釘を刺されてしまう。

蘭がトイレで出会った佐藤と話していた時、トイレを含めたパーティー会場全体が突然停電が発生。蘭が洗面台の下に置かれていた灯りのついた懐中電灯を見つけた時、何者かが入ってきて蘭を庇おうとした佐藤の背中に銃口を向ける。佐藤は何発もの銃弾を受けて意識を失い、それを間近で目撃した蘭はショックで気を失ってしまう。

蘭と佐藤刑事はすぐに病院に搬送され、パーティー会場の全ての出入り口が封鎖された。捜査が進められるが、警察官を含むパーティー会場にいた全員から硝煙反応は出なかった。その後コナンたちは病院に向かい蘭と佐藤の容態を確認するが、佐藤は弾の一つが心臓近くで止まっていて、助かるかは五分五分。一方蘭には外傷はなく、間もなく意識を取り戻す。だが蘭は事件のショックで記憶を失い、自分の名前さえ思い出せなくなってしまっていた。

蘭の入院中何者かが彼女を見張っているような気配を感じ取ったコナンは、佐藤が撃たれた時に蘭が犯人の顔を見たのではと思い当たる。そして退院後駅のホームで蘭が線路へ突き落とされたことから、犯人が口封じのために蘭の命を狙っていると確信。その後も次々と蘭に犯人の魔の手が襲い掛かる。

上記の井上氏の他にも友成真を演じた森川智之氏は後にTVシリーズで羽田秀吉を演じる。

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