李烈火
りれっか
大陸から日本にやってきた武術家。
嵩山少林寺にて寺の大僧正の側近として衛士を勤めながら、武術と「人の世の無常」について学ぶ青年で、日々武術修行と禅学に明け暮れている。
日本には、深紅の凶星を見たことと、「日出ずる国の災いと、それがやがて大陸、世界へと広がり、
この世を暗黒に変貌させる」という予言を知り、その災いを防ぐために訪れた。
ただし、他のキャラとの絡みはほとんどなく、目的を果たした後はさっさと本国に帰ってしまう。
特徴的なのはその辮髪。
若くてイケメンであるにもかかわらず、見事な剃り込みで形成されており、初見のプレイヤーからすれば単なるハゲキャラにしか見えないレベルである。
正義感の強い真面目な青年であるが、絶望的な方向音痴だったり、ピーマンが嫌いだったり、帰りの船を乗り間違えてアメリカまで行っちゃったりと、かなりお茶目でおっちょこちょいな部分が散見される。
SNK末期時代の本気
……とまぁ、普通に見てみるとまったくシナリオに要らないキャラである。
正直な話、当時格ゲーに必須とされていた「中華枠」の補填のために出されたキャラでしかなく、大部分のキャラのように地獄門と関連があるわけでも、また斬鉄のようにSNKの時系列を関連付けさせるためでもない完全な蚊帳の外の人間である。
し か し
彼の注目に値すべきはその見た目とモーションと作り込みである。
なにせ、中華アクション映画の金字塔『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ(Once Upon a Time in China)』(通称:ワンチャイ)に登場する李連杰が演じる黄飛鴻の動きを完璧なまでにコピーして見せているからある!!!!
パクリとかリスペクトとか、そんなちゃちなもんじゃねえ。もっと凄まじいSNKの末期症状を見た、そんな感じなんだぜ・・・!!
あまりの出来の良さに全国のワンチャイファンが感動にむせび泣いたとかなんとか。
無影脚の細かい動きから、小足から繋がるなめらかなコンボ、ガード・挑発・勝利演出や各攻撃や動作の所作の細かいところに至るまで完全にコピーしているため、ワンチャイの黄飛鴻をまんまゲームキャラとして落とし込んだと言っても過言ではないのである。
そんなためか、遂には師父とまで呼ばれることに…。
まさに公式が末期である。
SNK、恐ろしい子っ…!!
webラジオ『あばれ!らじおっさん!』 第286回 「SNK『月華の剣士』を作った人に色々いろいろ聞いちゃおうの巻」では「『もうリー・リンチェイを再現しよう』って担当者がなりました。逆に違うところを探す方が難しいレベルの仕上がり」とぶっちゃけられている。
ただ、残念なことに技のネーミングについては色々と安直だったため、その辺については不満や批評が多い。なお、彼のネーニング周辺にはこれやらこれあたりからのセンスが流用されている。
ちなみに本名は「李成龍」。
李連杰の「李」+『酔拳』で黄飛鴻を演じたジャッキー・チェンの中国名「成龍」なのは間違いないだろう。