概要
TBS系列局が日曜17時台前半に設定しているテレビアニメの放送枠。
実は2種類存在する。
- 1983年6月から1985年3月にかけて存在した枠。製作ホスト局はTBS。
- 2008年4月から2017年4月上旬まで存在した枠および2022年4月から再設定された枠。製作ホスト局は毎日放送(MBS)。
一般的に「日5」といった場合、2008年4月以降の枠のことを指すが、ここでは1985年3月以前の枠も「初代日5」として取り上げる。
歴史
初代日5(1983年6月 - 1985年3月)
ASATSU-DK(当時は旭通信社)広告代理店、バンダイスポンサード、TBS製作の枠がこれにあたる。
初代日5はロボットアニメ中心の放送で、主に小学生を対象にしていたが、当時のアニメファンを唸らす作画が一部で話題だった。
スポンサーのバンダイが玩具・プラモデルを販売していた。
2代目日5(2008年4月 - 2017年4月)
2008年春の番組改変の際、土曜日18時に設定されていたアニメ枠(通称:土6)が、それまで日曜17時30分 - 18時24分枠で放映されていたTBS製作のニュースショー『報道特集』を土曜17時30分-18時50分枠に移動することになった(番組名も『報道特集NEXT』に変更、現在は『報道特集』に戻っている)ため、(再び)この日曜17時台前半に移動してきた。
土6時代と比べると放送期間は短くなっており、2クール放送中心だが、1クールのみやそれ以下となった放送作品も少なくない。
連続放送4クール超えとなったのは『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』と『機動戦士ガンダムAGE』の2作品のみである。
ほかのテレビ局がローカルセールス枠か特別番組である為か、取り扱うアニメの特徴は「土曜日18時台」時代と同様にハード系、アニメファン向けのものが多かった。これに加え1~2クールで番組が切り替わることも合わさり視聴者やファン層が定着しにくい状況だった悪影響もあり、視聴率は土6時代から継続して低迷していくことになる。
結局2017年4月2日に放送された『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』最終回限りで(土6含めて)23年9ヶ月という、あまりにも長い歴史に幕を下ろした。
3代目日5(2022年4月 - )
2022年1月28日深夜、『からかい上手の高木さん3』放送終了後に、過去に日5で放送した作品を振り返るトリビュート映像が放送され、その締めに「2022年 『日5』復活」のテロップが表示され、日5枠が約5年ぶり再開することと、『機動戦士ガンダム水星の魔女』が10月放送予定であることが発表された。
ところがそれから約半月後の2月12日、深夜アニメとして放送された『呪術廻戦』が、日5枠にてアンコール放送を実施する事が明らかになった。
結果、この『呪術廻戦』の再放送が日5枠再開の第1弾となった。
ちなみに、枠廃止後に放送されていた(全国ネットの)バラエティ番組『所さんお届けモノです!』は、これらに追われる格好で土曜7時台後半に移動した。
枠復活から1年半後の2023年10月からはTBSが前座の16時30分-17時00分にアニメ枠(しかも全国ネット)を設置する事が決定。TBS系列で日曜夕方に全国ネットアニメ枠が1時間連続する構成になる。
放送局
初代はローカルセールス枠で、放送局毎に時間帯が異なっていたほか、放送を行わない放送局も少なからずあった。
だが2代目以降は一転して視聴できるエリアが北は北海道から南は沖縄県までと非常に広くなっていた上、TBS系列局のない秋田県、福井県、徳島県、佐賀県でも加入しているケーブルテレビがTBS系を再送信(ただし徳島と佐賀は近隣府県のTBS系をTVアンテナまたはケーブルテレビの再送信)していれば視聴できる。
BSでは一部作品がBS11やアニマックスにおいて、遅れネットで放送される。
たまに放送時間が30分繰り下がったことがあるが、その場合裏番組として『遊戯王』シリーズ(テレビ東京系列局)と被ってしまった。
また、NHKEテレでも日曜17時台にアニメを放送することがあったため、その場合もやはり裏番組として被ることがあった。
音楽
2代目以降は、前身である土6の流れを汲み、ソニーミュージック日本法人(SMEJ)(やそのアニメ関連子会社)がスポンサーに付いていたことから、SMEJがサウンドトラックを手掛けている。
作品によっては主題歌のみSMEJではない別の音楽ソフトメーカーが手掛けたこともあるが、それでも深夜アニメに見られる、出演声優が主題歌やエンディングテーマを歌うということはまずない。
ただしアニメサタデー630(第1部)とスーパーアニメイズムでは、このパターンが崩れた例もある。
名称・ロゴ・ジングル
「日5」というのは2代目ではあくまでもファンが前身の「土6」にちなんで付けた愛称にすぎなかった。
3代目では正式に「日5」と名付けられ、それに伴い他の毎日放送アニメ枠と同じくロゴも製作され、放送開始時には「アニメシャワー」「アニメイズム」「アニメサタデー630」「スーパーアニメイズム」と同様に「日5」のロゴを使ったジングルが流れるようになった。一部で日5のロゴを使い、独自演出となっているものがある(「シャングリラ・フロンティア」ではエムルが登場する)。
放送番組
※(★)は再放送、もしくは初出がOVAや劇場版等の別媒体である作品(テレビ放映用に再編集したものも含む)。
初代日5(1983年6月 - 1985年3月)
プラレス3四郎(1983年6月5日 - 1984年2月26日・全37話)
週刊少年チャンピオンで連載されていた牛次郎・原作、神矢みのる・作画のロボットプロレス漫画をアニメ化し、実製作は今は亡きカナメプロダクションが担当だった。
スタッフもいのまたむつみ、佐野敏浩、故・石田昌久、湯山邦彦等の実力派スタッフが集結。
原作を大幅に脚色し、ローカルセールス枠にもかかわらず高視聴率を獲得し、2クールの予定が3クールへ延長となった。
ビデオ戦士レザリオン(1984年3月4日 - 1985年2月3日・全45話)
光速電神アルベガスまでテレビ東京(・テレビ大阪・テレビ愛知)などで放送されていた東映本社ロボットアニメがTBSへ移籍。パソコンから次元転送で立体化されたロボットで戦う個性派ロボットアニメだった。
当初は地球連邦政府対反乱軍のリアルロボット寄りの内容だったが途中からジャーク星人の地球侵略へと路線変更となり、ここが賛否両論点と言え、玩具売上不振等で予定より2カ月早く放送終了となる。
酒井あきよし、故・上原正三、故・首藤剛志等の脚本、終盤の越智一裕、本橋秀之、佐野敏浩、故・金田伊功のハイレベル作画は伝説を残した。
NET→テレビ朝日放送だった超電磁ロボコン・バトラーVから続いた東映本社ロボットアニメの最終作となった。
また、初代日5枠の事実上の最終作でもある。
まんがはじめて物語(★)(1985年2月10日 - 1985年3月31日)
ビデオ戦士レザリオンが早期終了した為、穴埋めで再放送された。
一応は初代日5枠の最終作ではある
2代目日5(2008年4月 - 2017年4月)
コードギアス反逆のルルーシュR2(2008年4月 - 9月)
2代目日5枠の第1作。
『コードギアス反逆のルルーシュ』の続編で、分割4クールの後編。
前編は深夜アニメとして放送されたが、元は前身の土6枠で放送する予定だったらしい。
後にスピンオフ映画『亡国のアキト』などが制作され、2017年 - 2018年にはテレビアニメ版を再構成及び再構築した劇場版3部作が公開された。
そして2019年には劇場版の続編である新作映画『復活のルルーシュ』が公開された。
機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン(2008年10月 - 2009年3月)
土6枠にて放送された『ファーストシーズン』の続編で、分割4クールの後編。
『ファーストシーズン』から5年後の世界を描く。
後に完結編となる劇場版『A wakening of the Trailblazer』が制作された。
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(2009年4月 - 2010年7月4日)
土6枠で放送された作品(通称『旧鋼』)の「作り直し」。
話を原作準拠にした再アニメ化でとことん原作にこだわりすぎた結果、日5枠では最長の5クールとなった。
さらには同時進行していた原作のクライマックスを可能な限り再現するために当初予定から1話追加されることになった。
なお、キャストはエルリック兄弟などの一部を除き一新されているが、中には別役出演になった者も多い。
後に劇場版『嘆きの丘の聖なる星』が公開された。
戦国BASARA弐(2010年7月 - 9月)
深夜アニメ『戦国BASARA』の続編。
ゆえに一部系列局でその第1作のダイジェスト版(名付けて『宴EDITION(パーリィーエディション)』)が、深夜アニメとして放送。
後に劇場版『The Last Party』が公開された。
STARDRIVER 輝きのタクト(2010年10月 - 2011年4月3日)
日5枠では初の完全オリジナル。
後に新作パートを追加した総集編映画が公開された。
まんが日本昔ばなし(★)(2011年4月10日)
かつてゴールデンタイムに放送されていた番組のアンコール放送。
(単発とは言え)この枠の最高視聴率8.0%をマークしている。
放送後、この番組の再開を求める投書がMBSに届いたとか。
青の祓魔師(2011年4月 - 10月2日)
原作はジャンプSQ連載。
放送当時は既刊が6巻しか発売されておらず、原作に追いついてしまうため、後半部はオリジナル展開となった。
その後、アニメ最終回後を描く劇場版が公開された。
この数年後に続編が深夜枠アニメイズムで放送された。
機動戦士ガンダムAGE(2011年10月 - 2012年9月)
日5のガンダムシリーズでは(分割クール作品を除けば)現時点で唯一の連続4クール。
マギ The labyrinth of magic(2012年10月 - 2013年3月)
原作は『週刊少年サンデー』連載。
分割4クールの前編で、原作の「シンドリア編」までをアニメ化している。
宇宙戦艦ヤマト2199(2013年4月 - 2013年9月)
『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの大幅リメイク。
諸事情によりひとまず第1話と第2話を映画として先行上映した後にテレビ放送された。
のちにテレビ東京・テレビ大阪・テレビ愛知(+中国放送)にて深夜アニメという形で続編『宇宙戦艦ヤマト2202』がテレビ放送された。
マギ The kingdom of magic(2013年10月 - 2014年3月)
本枠で放映された『The labyrinth of magic』の続編で、分割4クールの後編。
原作の「マグノシュタット編」をアニメ化。
最初から分割4クールが決定していたとはいえ、この枠で続編が放送された最初の作品。
後に外伝『シンドバッドの冒険』がアニメイズムで放送された。
ハイキュー!!(2014年4月 - 9月)
週刊少年ジャンプ連載作のアニメ化。
この枠では珍しいスポーツもの。
続編が3シリーズ4作製作されているが、深夜アニメかつ東京都ではTOKYOMXで放送→アニメイズム→スーパーアニメイズム→アニメイズムと放送枠が転々としている。
進撃の巨人 特別編 イルゼの手帳(★)(2014年9月28日)
OAD収録、テレビ未放送エピソードを、プログラムの合間を埋める形で放送。
本編は本来はUHFアニメとして作られたものだったが、全国ネットでの放送となった。
これが放送されたのは、MBSのアニメ担当のプロデューサーが企画に参加していた縁だった模様。
七つの大罪(2014年10月 - 2015年3月)
原作は週刊少年マガジン連載で、これによりこの枠では4大少年漫画雑誌掲載作品がそろったことになる。
アルスラーン戦記(2015年4月 - 9月)
田中芳樹の同名小説の4巻までをアニメ化した作品。
原作小説そのものではなく、これを下地にした荒川弘の漫画が事実上の原作となっている。
ただし荒川版のアニメ化は前半のみで、後半は荒川版の範囲を追い越したことから、アニメスタッフが荒川から漫画版未登場キャラクターのデザインを提供してもらった上でオリジナルで作成している。
2作続けて講談社原作の作品となった。
機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ(第1期)(2015年10月 - 2016年3月)
ガンダムシリーズ作品で、分割4クールの前編。
僕のヒーローアカデミア(2016年4月 - 6月)
原作は週刊少年ジャンプ連載。
『戦国BASARA弐』以来の1クール作品となったが、第2シリーズ以降は日本テレビ系列局の土曜夕方枠に移動(製作ホストは読売テレビ)。
アルスラーン戦記 風塵乱舞(2016年7月 - 8月)
本枠で放映された1期の続編で、原作小説の6巻までをアニメ化。
1期で実質的な原作となっていた荒川は今期ではキャラクターデザイン原案・監修担当となっており、1期後半同様にアニメスタッフがオリジナルで作成している。
全8話と1クールよりも短めとなっている。
七つの大罪 聖戦の予兆(2016年8月 - 9月)
本枠で放映された1期の続編とも言える完全新規エピソード。
全4話であったため、日5枠では(単発作品を除いて)放送期間が最も短い作品となっている。
後に2期『戒めの復活』がアニメサタデー630にて放送後、第3期『神々の逆鱗』と完結編『憤怒の審判』はテレビ東京系列局に移動(ただし熊本放送では第3期も放送)。
『七つの大罪』シリーズの続編『黙示録の四騎士』はTBS製作となり、前記のように3代目日5の前座に全国ネットアニメ枠を新設して放送される。なお、11月にはゴルフ中継の関係で放送時間が30分ずれた際に、日5枠凱旋と言う展開になった。
機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ(第2期)(2016年10月 - 2017年4月2日)
本枠で放映された1期の続編で、分割4クールの後編。
この作品が2代目日5枠の最終作となった。
3代目日5(2022年4月 - )
呪術廻戦(★)(2022年4月 - 9月)
3代目日5枠の第1作で、別枠で放送された作品の再放送。
こちらの放送では音声多重機能を活用した、出演声優によるオーディオコメンタリーが実施された。
機動戦士ガンダム水星の魔女 Season1(2022年10月 - 2023年1月8日)
3代目日5枠の最初の新作。
ガンダムシリーズ作品で、分割2クールの前編。
『STAR DRIVER 輝きのタクト』と同じく学園もの+ロボットもので、かつテレビアニメのガンダムシリーズとしては初の女性主人公もの。
ちなみに2代目以降の日5枠としても初の女性主人公作品となっている。
※初代日5だと再放送であるが『まんがはじめて物語』、土6後期(2002年10月以降)だと『BLOOD+』、土6前期(1996年8月まで)だと4作品中3作品が女性主人公ものである。
本編放送開始前週には2022年7月以降イベントやネット配信で公開されたプレストーリー『PROLOGUE』が放送された。
機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ TVエディション(★)(2023年1月15日 - 2月5日)
機動戦士ガンダムサンダーボルト TVエディション(★)(2023年2月12日 - 2月26日)
機動戦士ガンダムNT TVエディション(★)(2023年3月5日 - 3月26日)
『水星の魔女』Season1とSeason2の間を埋める形で放送された作品。
映画・OVAとして展開された作品をテレビ放送用に再編集したもの。
機動戦士ガンダム水星の魔女 Season2(2023年4月 - 7月2日)
Season1の続編で、分割2クールの後編。
ゾン100 ~ゾンビになるまでにしたい100のこと~(2023年7月 - 9月)
原作はサンデーGX連載。
『戦国BASARA弐』や『僕のヒーローアカデミア(第1期)』に続き3本目の1クール作品。
同時期にはNetflixによる実写版が公開された。
制作側の都合もあってか、日5枠での放送は9話までとなり、ラスト3話に関しては12月25日にTBS系列全国ネットで一挙放送された。
シャングリラ・フロンティア 〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜(2023年10月 - 2024年3月)
原作は小説家になろう掲載作でなおかつ週刊少年マガジン連載作。
ゴルフ中継の関係で前座の『黙示録の四騎士』が休止になった11月の週もシャンフロはそのまま放送されたが、翌週には久々の30分ズレを体験することになり、第3期日5枠では初のテレ東作品(キャプテン翼 ジュニアユース編)と被ることとなった。このパターンは、2度発生することに。
2024年1月2日にはTOKYOMXにて前半部の一挙放送が実施された。
夜桜さんちの大作戦(2024年4月 - 2024年9月)
週刊少年ジャンプ連載作のアニメ化。
シャングリラ・フロンティア 2nd season(2024年10月 - )
上述の第1期最終回で第2期がアナウンスされた。こちらも第1期と同様に連続2クールを予定している。
ウィッチウォッチ(2025年4月 - )
週刊少年ジャンプ連載作のアニメ化。連続2クールを予定している。
放送されなかった番組
第1次日5において、『まんがはじめて物語』の穴埋め再放送を経てその次番組として放送するつもりだった作品。
TBSが当時放送権を有していた西武ライオンズデーゲームやゴルフ中継(例えば中日クラウンズ)等のスポーツ中継を強化する事になり、西武ライオンズデーゲーム放送延長等で十分に放送出来なくなる事を憂慮し、金曜17時台前半に変更されたという。
なお、企画書当時の仮題が『獣戦機ダンクーガ』、または『超獣機神ダイガン』だったが、大張正巳はタイトル候補にダンガイオーを挙げていた。
関連タグ
土6:2代目の前身枠
アニメイズム スーパーアニメイズム スーパーアニメイズムTURBO
アニメサタデー630:前半枠が毎日放送割り当て分であった
TBS木曜深夜アニメ枠(アニメリコ)