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疑いは晴れた 誰が何と言おうと私は君を認める 竈門炭治郎

それは、誰よりも慈悲の涙を流す者

概要

吾峠呼世晴による漫画『鬼滅の刃』の登場人物。

鬼殺隊最高位たる“”、その中心を担う隊士。

極めた全集中の呼吸の流派に従い、岩柱の称号を持つ。

初登場時から瞳孔のない白眼で描かれており、盲目である事が後に本人の口から明かされる。これは彼が赤ん坊の時に高熱を出して、失明した為である。目が不自由であるのにもかかわらず、他の感覚があまりにも鋭いが為に、本当は視えているのではないかと一部の人からは怖がられたり、嘘つきだとしつこく絡まれる事もしばしばあった。

常に数珠を持って合掌し、周りの事柄に涙して念仏を唱えている姿は慈悲深く見えるが、「柱合会議」の場に連行された炭治郎の言い分を聞こうともせず、「なんとみすぼらしい子供 生まれてきたこと自体が可哀想だから殺してやろう」「鬼に取り憑かれているのだ 早く殺して解き放ってあげよう」と口にするなど、その慈悲は一見するとかなり独善的なようにも見える。

しかし、これは柱という階級の者の中でもまとめ役になる事が多い彼だからこそ、リスクや不穏分子を野放しにする事はできない立場故の言動であり、決して独善的な人物などではなく、むしろ本来は本当にとても慈悲深くて涙もろい人である(更に言うなら、この時の柱達の反応は彼だけが強硬という訳でも無い)。柱としての責任感なども人一倍強く、言っている事も鬼殺隊を支える立場の者としては至極真っ当である。

加えて、これは後述する彼の過去の影響による「子供」という存在への本質的な人間不信も原因であり、後に再び炭治郎と会話をする機会があった際には炭治郎に、鬼の妹の禰豆子よりも人命を優先した事を称賛する言葉を贈ったのだが、これは炭治郎が禰豆子の命を惜しんで判断を迷ったであろう事を分かった上で、彼がその事を正直に告白するかを試す為のものであり、それに対して正直に自分の事を答えた彼に上記の台詞で本当の意味で完全に心を開き、自身の過去を彼に語る事となった。

過去

彼の父親は流行り病で亡くなり、母親は出産の時に亡くなった為、身寄りがなく寺育ちだった。

かつて、彼はとある寺に住み、盲人の身ながら、孤児を引き取って育てて暮らしていた。

そんな時、日が暮れる前に寺に戻るという言いつけを聞かなかった孤児の一人が、と山中で遭遇する。

だがその子供は、事もあろうに自分が助かるために命乞いをし、自身の代わりに悲鳴嶼と寺の子供達を差し出してしまう

鬼と取引したその子供は、夜になると普段は鬼がお堂の中に入ってこれないようにするために焚いていた鬼が嫌うの花のお香を消し、中に簡単に入れるよう手引きした。

四人の子がたちまち殺される。異変に気づいて残る四人の子供を守ろうと、必死になって自分の側を離れない様に訴える悲鳴嶼だったが、そんな彼の言葉を聞いたのは一番幼い沙代という女の子だけであり、それ以外の子供達は悲鳴嶼の言葉を無視して、「目の見えぬ大人など当てにはならぬ」とばかり逃げ出した末に、鬼に喉を掻き切られて死んでしまった。

そうして最後に残ったのは悲鳴嶼と沙代だけだったが、そこで彼は生まれて初めて『守る為に戦い』、呼吸も何も使わない素手の力だけで鬼を殴り殺し、自分の強さを初めて自覚する盲目のために今までそのような機会がなかっただけで、彼の中には恐るべき力が眠っていたのだった。

こうして初めて鬼を殺し、沙代だけは守り切った悲鳴嶼であるが、事が全て終わり夜も明けた後に駆けつけた人々に、今まで悲鳴嶼に守られていたその沙代は無情にも、「あの人は化け物 みんなあの人が みんな殺した」と証言したのである。

恐怖で錯乱しての言葉とはいえ、鬼の屍は太陽の光を浴びて塵となって消えており、子供達の惨殺死体だけが残されていたとあっては、悲鳴嶼の弁明を信じる者など誰もいない。彼の決死の行動は全てに裏目に出てしまい、彼は死刑囚になってしまう。

そんな時に鬼殺隊のお館様である産屋敷耀哉に出会い、産屋敷の力によって死刑囚の身の上からも解放されて鬼殺隊に誘われ、柱となったのだった。

慈悲の心を持ちながらも、一方的かつ独善的に見える態度はこの過去に起因する。

しかし、最後に自分を裏切った沙代の事も「あの緊迫した状況の中で気が動転してしまったが故の行動であろう」「子供はいつも自分のことで手一杯だ」と擁護しており、ショックで上手く話せない為に誤解される言い方しかできなかった事は悲鳴嶼も分かっている模様。それでも彼は「せめて沙代にだけは、ありがとうと言って欲しかった」「その一言さえあれば救われた」と述懐している。

なお、単行本16巻にて「沙代の話」として、彼女の真意が補足された。

「あの人は化け物、みんな殺した」というのは寺に侵入した鬼を指しており、決して悲鳴嶼が仲間を殺したなどとは思っていなかった。しかし真犯人である鬼の死体は消滅し、沙代はショックでまともに話せなくなってしまったため、周囲の大人は悲鳴嶼が殺したかのように解釈してしまったのである。ただ、仮に犯人は鬼だと言っても惨劇を目の当たりにして気が触れたか、悲鳴嶼を庇っていると思われ結局有罪になった可能性が高い(それでも悲鳴嶼の気持ちにもう少し整理はつけられただろうが、同じ場所で過ごした仲間に裏切られ他の子供が次々殺され、保護者が自分を守るためとは言え、延々鬼を殺し続ける光景を見続けた子供に正確な証言をしろというのも酷である)。

沙代は十四歳になった今でも、不本意にも悲鳴嶼に濡れ衣を着せてしまう形になってしまった事を悔いており、謝りたいと思っているのだという。

そして容姿や身につけている勾玉等の共通点から前々から疑われていたが、17巻にて案の定寺に鬼を招き寄せたのは善逸の兄弟子の獪岳である事が明かされた。因みに獪岳はいいつけを破って夜に出歩いていたのではなく、寺の金を盗んだことを他の子供達に責め立てられ追い出されたというのが真相である。

子供達は彼を気を揉ませまいとしたのか保護者に相談もなく追い出した後ろめたさからか、獪岳は寝ていると嘘を吐き、悲鳴嶼は目が見えないこともあって鬼に言われるまで獪岳がいない事に気づかなかった。

獪岳は後に鬼殺隊入りするも、完全に人の道を踏み外してと化した末に、無限城にて因果応報の最期を遂げる事になるが、彼がそこまで堕ちてしまったと知れば悲鳴嶼が心を痛めたのは間違いなく、同じく無限城に参戦しながらも再会せずに済んだのは、悲鳴嶼にとってはせめてもの幸いだったかもしれない。

人物

岩のようにどっしりと支える鬼殺隊の第二の大黒柱

この様な過去の経緯から警戒心や猜疑心が強い性格となってしまった上に、鬼だけでなく「子供」に対しても、「無邪気で無垢だからこそ、無情で無慈悲である」「自分を守るためなら平気で嘘をつき、平気で残酷なことをする我欲の塊」という考えを持つようになり、厳しい見方をする様になってしまう。

先の「鬼に取り憑かれた子供だから殺してあげよう」という発言も、「子供であるが故に鬼という危険な存在に感化されてしまったのでは?」という自身の過去に起因した価値観からの考えである。さらに言えば、まさか人を喰わない鬼が存在するなど、この時点では考えもしなかった彼は、当然ながら「炭治郎が人を喰わせながら鬼の妹を匿っていた」と勘違いしていた。つまりこの時点の彼は炭治郎の事を、上記の寺の子供達と同様に「己の私欲の為に鬼に人命を売った子供」だと思っていたのである。

だからこそ上記の炭治郎への態度は、「これ以上鬼に取り憑りつかれて悪事を重ねる前に、殺して鬼から解放しよう」という、本当に彼なりの慈悲故の言動なのである(ちなみに彼に限らず、この時点での炭治郎に対するこの見方は他の柱も概ね同じであり、そもそも禰豆子のような例は鬼殺隊の長い歴史を紐解いても前代未聞であるため炭治郎の言い分を当初は信じようとしなかったのも殆どの柱がそうである)。

しかし、元からあった真っ直ぐな優しさや真っ当な慈悲深さ自体は決して見失ってはおらず、上述したように常に真正面から努力を重ねて、完全に疑いも誤解も解けた炭治郎に対しては心を開いたり、自身の価値観に照らし合わせれば忌避する筈の体質を持つ玄弥に対し、『呼吸の才能がない為に継子には出来ない』『弟子を取らない。鬼殺隊を辞めるように』と旨を言い渡した上で玄弥の頼み込みに押し負けて、弟子として面倒を見ている(『鬼殺隊の規約に定められた継子』ではない)。

人間関係

上述した様に玄弥とは師弟関係にあり、柱稽古に先んじて既に反復行動を体得していた。なお、教えるのはあまり上手くないらしく、玄弥曰くよく見て覚えているらしい。

玄弥が鬼喰いをする事を見かねて、「弟子」という形にして定期健診目的でしのぶを紹介した上で彼に修業をつけている模様。なお玄弥が修業のストレスで癇癪を起した時は、治まるまで静かに見守っているらしい。

玄弥の兄である実弥にも一目置かれており、産屋敷耀哉とその一族を除いて敬語で接する唯一の人間でもあり、過去には耀哉に無礼を働いた実弥を叱ったこともある。

また、かつて鬼に襲われて両親を目の前で殺された胡蝶姉妹を助けたのは彼であり、また鬼殺隊への入隊を希望してきた彼女達に試練を与えて、それをクリアした彼女達に育手を紹介したのも彼である。2人とはその時以来からの付き合いであり、2人が自分と同じ柱になった後も何かと気にかけていた(詳細は外伝小説を参照)。

その他

普段から異様に思えるほど何かと涙を流しているが、これは単に彼がもの凄く涙脆いからであり、例えば母親と子供が手を繋いで楽しそうに歩いている様子を察しただけで感動したり、ゴミが散らかってるのを察して悲しくなったりするなどして度々に泣いているという。

が好きで自宅でも飼っているらしく、同じく猫好きの甘露寺蜜璃とは猫談義で度々に盛り上がっている。

趣味の尺八は昔お坊さん仲間から教えてもらったらしく、その事からかつては僧であったと思われる。数珠を持ち歩き普段から何かにつけて「南無阿弥陀仏」と唱えている様子や、弟子の玄弥に阿弥陀経を教えているところからして、どうやら浄土教の宗派(浄土宗浄土真宗)のようである。

能力

鬼殺隊最強の実力者。

実際に炭治郎伊之助からも鬼殺隊最強と見立てられており、それは鼻のきく炭治郎が「悲鳴嶼さんだけ匂いが全然違う」と語り、強さにこだわる伊之助も「初めて会った時からビビッと来た」と称した程である(その勢いで突っかかったのか地面にめり込まされている)。

実際、盲目というハンデを覆す程の高い戦闘能力を有しており、伊之助達の評に違わない。

才能だけではない経験による読みの深さもあり、"上弦の壱"である黒死牟を単騎で押さえて時間を稼ぎ、その剣を折るまでの実力を有する。

強力なと対峙し続ける柱の中で最年長・最古参であり、加えて信頼の置ける思慮深さを備える事から、当主の産屋敷耀哉とは異なる形で曲者揃いの柱達を纏める『前線指揮官』として立ち回り、柱の中で唯一の事を最初から知っていたり、産屋敷の自身を囮とした作戦の全容を彼からあらかじめ知らされていたりと、付き合いの長さもあって柱の中でも産屋敷からも特に高い信頼を置かれている。気性の荒い不死川実弥でさえ彼には敬語で接している程である。

身体能力

当時の日本人としては規格外である2メートルを超える恵まれた長身に、「天与」と言うべきレベルのフィジカルとセンスを最初からその身に備えている為に、特別な修練を積んでいなかった18歳以前の時点で、超越生物である鬼を日が昇るまで素手で殴殺し続けて仕留めるという、信じ難い程の強さに達していた(アニメではその模様が詳細に描写され、なんと鬼と真正面から取っ組み合った末に腕力でその両腕を引き千切っていたことが明かされ彼の凄まじさが強調されることとなった)。(本人曰く「食べる物が少なく痩せ細っていた」にもかかわらずこの驚異的なスペックである。)この事もあって同じ柱の宇髄からも「得体の知れない奴」とまで評されている。(宇髄は悲鳴嶼の事を尊敬しており、この台詞は「恐るべき強さを称賛している」のであって、決して「悪口」では無い。)

入隊後は、人的損耗率が極めて高い鬼殺隊の中にあって最も過酷な柱として、盲目というハンデを抱えていながら五体を欠損させる事もなく実に8年もの期間強靭な鬼と戦い続け、肉体と戦術を文字通り命懸けで研ぎ澄ませてきた。

加えて平時に於いても、自身に壮絶な鍛練(柱稽古では最終段階に置かれ、善逸でさえ達成出来ず、伊之助も心臓が停止して本気で死にかけた程に過酷)を課した悲鳴嶼の肉体は、最早人類として最高峰と呼べる領域にまで至っている。現に鬼殺隊最高戦力である柱の中でさえ腕相撲一位の座にある。身体と力に恵まれなかった胡蝶しのぶからは、鬼から救われた時その巨体に安心感を覚えていた事もあり、憧憬まじりに羨まれている。

しかも腕力と筋力だけでなく、直線距離での移動速度は現柱の中でも3位であり、黒死牟すら「信じ難い」と驚愕する程の機動力と身軽さも持っている。2メートルを超える巨体に加えて下記する重量級の日輪刀を持ちながらも、これ程の機動力を維持できるというのは脅威としか言いようがない。

全集中 岩の呼吸

悲鳴嶼が修め、極めた“全集中の呼吸”。上記の『人類最高峰』の肉体にさらにブーストをかける。

岩の呼吸”は多数の流派の中でも基本となる、五大流派の一つであり、その名の通り岩のような堅い防御力に、それを活かしたゴリ押しによる攻撃力と攻守両面に長けた流派である。

詳細はリンク先を参照。

指揮官

盲目という不利な条件下で百戦を経て練磨されてきた悲鳴嶼の戦術判断力は、頂上戦に於いてなお二手、三手先を読み通す。

他の鬼殺隊士も――同格である“柱”を含めて――行冥の心身・実績に絶大なる信頼を寄せている為に、彼の指示をこそ勝利の最適解と信じて瞬時に従う。

柱結集時には初めて彼を目にした柱達に対峙する男こそ無惨であり、同時に斬首は無効であるという重要事項を即時共有している(そして隊士の士気を上げるという戦略により、産屋敷邸爆破については敢えて黙す)。

装備

武器

一般の鬼殺隊士が用いる日本刀ではなく、片手用の戦斧に棘付きの鋼球鎖をつないだ鎖鎌ならぬ鎖斧とでも呼ぶべき、特殊な形状をしている。

空想科学読本』によれば、中身が完全に詰まった鉄球で直径40㎝と仮定した場合、推定重量は292㎏。つまり、掠めただけで棘の生えたオートバイと接触するほどのダメージを受けるに等しい。

この棘鉄球と斧を投擲する中距離戦闘が主体。

全ての部位が日輪刀同様に猩々緋砂鉄・猩々緋鉱石で打たれているのは言うまでもないが、その中でもより多くの陽光を吸収したこれらの鉄が、特殊な製法で極めて高い純度で極限まで蓄積されており、大質量の鋼球のみならず鎖でさえも首を絞めればに致命傷を与えうる。

加えて悲鳴嶼は、この鎖の金属擦過音を全周囲へ響かせる事でアクティブソナーとしても用いており、広域空間を立体的に把握する為の“目”としても利用している。

さらに武器が二つ繋がっている形であるため、この二つをぶつけ合う事で単機で赫く染める事も可能。

総じて最強の鬼殺具として完成されており、そしてまた“最強の鬼狩り”が“最強の武器”を持つという事は、『戦力集中の法則(ランチェスターの法則)』に適っている。

柱である事を示す『惡鬼滅殺』の四文字は、戦斧の背に入っている。

隊服

背に“滅”の字が描かれた、黒い詰襟

特別な繊維でできており、通気性はよいが濡れ難く、燃え難い。雑魚鬼の爪や牙ではこの隊服を裂く事すらできない程に頑丈。

悲鳴嶼は紫色の僧衣の上から着用しており、首と手首には数珠を巻いている他、柱達の中では唯一足袋を履いておらず、更に隊服の上から、「南無阿弥陀仏」の文字が染め抜かれた羽織を着ている。

鎹鴉

雄鴉で名前は「絶佳(ぜっか)」

最終戦では変化する戦況を逐次伝えていた。

対人関係

公式ファンブック鬼殺隊最終見聞録・弐にて柱内での互いの印象と打ち解け度数が明かされた。

涙を流し念仏を唱える姿に恐れを感じるのか、話しかけにくい番付では3位に選ばれている。

だが深く信頼もされており打ち解け度数は90%と高い数値を誇る。

男女の心理の機微にも敏感で、一部柱に対しては誰を意識しているかも見抜いている。

冨岡義勇

行冥からみた義勇の印象は「流石に口下手すぎ。暗い。胡蝶と話すのが楽しいらしい。」、義勇からみた行冥の印象は「尊敬している。ちょいちょい話しかけてくれる。優しい人。好き。」

劇中では描かれなかったが、無口で口下手な彼にも話しかけていた模様。また彼が現柱で最も付き合いが長いと思われる。

胡蝶しのぶ

行冥からみたしのぶの印象は「繊細。無理をしがち。冨岡と話すのが楽しそう。」、しのぶからみた行冥の印象は「心から尊敬している。」

行冥は過去に胡蝶姉妹の命を救った恩人でもある為か、深く信頼されている模様。

煉獄杏寿郎

行冥からみた杏寿郎の印象は「前向き。弱音を吐かない。正直。」、杏寿郎からみた行冥の印象は「恵まれた体格、羨ましい! あの巨大な武器を軽く触れて凄い! 素晴らしい筋質!」

杏寿郎の訃報が届いた際には、悲しみの涙を流し念仏を唱えていた。

宇髄天元

行冥からみた天元の印象は「大口を叩きがちだが、冷静。自分の実力などは正確に見ており、傲りはない。」、天元からみた行冥の印象は「自分より縦寸がでかいやつを初めて見た。クソ強い。」

天元は198cmというかなりの高身長なのだが、行冥は220cmというそれを更に20cm以上上回る破格の高身長である。

時透無一郎

行冥からみた無一郎の印象は「言うべきことは言える。精神が成熟している。」、無一郎からみた行冥の印象はみたい。一番強い人。」

無限城の戦いでは共に行動を共にし、産屋敷耀哉について彼に伝えた。

甘露寺蜜璃

行冥からみた蜜璃の印象は「気立ての良い子。伊黒が好きらしい。」、蜜璃からみた行冥の印象は「猫好きの可愛い人!それなのに鬼殺隊で一番強いなんて素敵。」

劇中にて描写は無いが、お互い猫好きでよく猫の話で盛り上がっており、仲は良かった模様。

伊黒小芭内

行冥からみた小芭内の印象は「生真面目な子。繊細。甘露寺が好きらしい。」、小芭内からみた行冥の印象は「とても強い。信頼できる。」

最終決戦では、行冥の助言により小芭内は透き通る世界をみることが出来る様になった。

不死川実弥

行冥からみた実弥の印象は「強い精神の持ち主。根は素直。恥ずかしがり。カナエが好きらしい。」、実弥からみた行冥の印象は「尊敬している。」

行冥と実弥は柱内でも実力上位と公式から断言されており、無限城の戦いでは使う呼吸は違うのにもかかわらず抜群の連携を見せた。

公式ファンブック『鬼殺隊見聞録』、次いで単行本20巻にて設定が明かされた。

1年筍組の担任を務めている。担当教科は公民。その容貌から最初は怖がられるが、本編同様の猫好きから持ち物が大体猫であり、非常に可愛い。そのためすぐに「あれ? この人猫好きの優しい人?」と気付かれる。炭治郎が描いた猫の絵を見て、あまりの悲惨さから涙を流したとか(ジャンプに掲載された番外編の四コマでも、あまりの下手さに涙を流している場面がある)。

ちなみに本編と違って盲目ではない。

「お父さん」と呼び間違えられる事が多いらしい。

キメツ学園!

高等部公民教師であり、1年筍組担当教諭でもある。

1話から登場。

炭治郎の遅刻と活躍に悩ましく思いながらも誇らしく思っている(この時冨岡に善逸の事は駅員から聞いていない、さらに炭治郎とは最寄りが逆と教えている)。

大の猫好きで職員室の机は猫グッズに溢れており、学園にいた猫に「岩雄(イワオ)」と仮に名付け、飼い主が見つかるまで遊び相手になっていた事もある。イワオの飼い主本名が明らかになった後も、飼い主の計らいと当初は動物の連れ込みに反対していた冨岡の黙認によって引き続き遊び相手になった。

売店のリクエストボックスに「猫缶」をリクエストしつづけている。

誰も怒った姿を見たことがないほど温厚で優しいが、確実に怒らせたら1番アカン先生である。また、宿題忘れは1日待つ代わりにプリント3枚追加のペナルティを与えるため優しいけれど甘くはない

ちなみに2.5頭身でデフォルメされている『キメツ学園!』で宇髄と共に実身長を明記されたことがあり、またそれを裏付けるかのように頭身そのままにクレーンゲームの箱よりも大きく描かれたことがある。

外部出演

コトダマン

闇属性・英雄族のコラボユニットとして登場。

すごわざ「南無阿弥陀」は発動時の文字数と敵の数によって威力が変動するという特徴があり、具体的には敵の数が少なく文字の数が多くなるほど威力が増していく。

状況によっては全体攻撃としてはあり得ない火力を叩き出すが、常にそのような状況を作り出すのも難しい上級者向けの性能となっている。

白猫プロジェクトNEW WORLD'S

コラボイベント第3弾にて登場、最初のクエストをクリアすると仲間キャラとして入手することができる(他の柱たちはキャラガチャで入手可能)。このイベントからチェインルーラーの上級職【チェインマスター】(鎖剣)が実装されたため、(イベントクリアする前に、ガチャで蜜璃を引き当てない限り)プレイヤーが一番最初に手にするチェインマスターのキャラクターである。

転生された時系列は、柱稽古編の直前。炭治郎・しのぶ・義勇・蜜璃とともに見知らぬ世界に移動し、どこぞの鬼の血鬼術かと疑うが、炭治郎から以前訪れたことのある世界であることを説明され、しのぶと義勇の補足もあり、柱2人の言うことならばと事態を受け入れた。すぐに天元・無一郎・小芭内・実弥と合流し、そこから元の世界に帰るために奮闘することになる。

なお、アクションスキルは「精神の極まり」「鬼からの解放」などという名称で、岩の呼吸を使用していない。これは、元の世界で念仏を唱えている最中に呼ばれて日輪刀を持ち出せなかったためである(モチーフ武器も「斬陣刀」と、他の鬼滅キャラのように「〇〇の日輪刀」ではない)。

また、イベント「みんな歓迎!飛行島」では、同声優がCVを担当するイシュプール・ヴヴェックと共演。

行冥からみたイシュプールの印象は「神々しい気配を感じる」。イシュプールからみた行冥の印象は「どこからか来たような行くような、そんなやつ」

異文化の交わりとして簡単にできる遊びを求められた際、自身が得意とする腕相撲を提案し、『言語に頼らない交流』をモットーとするイシュプールと親交を深めた。

余談

まだ登場シーンが少なかった第1回人気投票では3票で62位炭治郎が斬った岩より下)と柱で断トツ最下位であり、演じた杉田氏は落胆したらしい。その後、柱稽古編劇場公開の舞台挨拶では杉田の母親からは「あんたのキャラのクッションが売れ残るのは何故なのか」という電話が届き、杉田の「これからだから」という言い訳していた。

しかし後の第2回人気投票では、一気に843票を獲得して22位まで躍り出て、23位の無惨に対して108票もの票差をつける人気を獲得した。

また悲鳴嶼は杉田氏の幼少期の夢だった僧侶でもある。

銀魂」の作者であるゴリラが「無限列車編」の劇場公開に際し「柱にこっちの『スパイ』を送り込ませた」という発言は悲鳴嶼を指しており、その「正体」こそ同作の主人公である坂田銀時である(中の人が同じ杉田智和)。尚、同じく銀魂出演者である小芭内の中の人(銀魂にて沖田総悟を演じている)と杏寿郎の中の人(銀魂にて神威を演じている)は「スパイ」に含まれないらしい。(ゴリラ曰く「『銀魂』を裏切って『鬼滅』に行った鈴村・日野らにはどんぶり一杯行く!」とのこと)

ちなみに杏寿郎の鎹鴉(中の人は銀魂で近藤勲を演じている)と水柱(中の人は銀魂で斉藤終を演じている)と霞柱鎹鴉(中の人は銀魂にて神楽を演じている)が銀魂のスパイかは不明

ちなみに上弦の参中の人もスパイには含まれないらしい(ゴリラ曰く「どうせアイツは、鬼滅の現場でも誰にも心開かないから、ってみんなの悪口めっちゃ言ってたから許す」とのこと)

尚、最後にゴリラは「僕のは全部冗談」と言っているが、本当に冗談なのかは不明

ちなみに、身長は220cmとあるが、作中時代の成年男性の平均身長である160cm強よりも頭二つ〜三つ分高く、それどころかジャイアント馬場(208cm)やかつてNBAに在籍していた伝説の鋼鉄巨人、シャックことシャキール・オニール(216cm)よりさらにデカく、かのチェ・ホンマン(218cm)とほぼ同じくらいである。

勿論ここまで散々語ってきたように決して見掛け倒しなどではなく、かつて一般人だった頃に怒りに任せたとはいえ鬼をフルボッコにするほどの恵まれた素質に加え、過酷な柱を8年(つまり隊士歴はそれより長い)も務め、ほぼ全隊士が音をあげていた柱稽古よりさらにハードな鍛錬を自らに課しているのだから、歴代最強クラスとされる現柱でもぶっちぎりで最強なのも無理からぬことだろう。

柱稽古編のアニメ第8話にて、初めて日輪刀を携えた悲鳴嶼が最初に鬼舞辻無惨と交戦した際には、

  • 盲目であるにもかかわらず離れた位置から横滑りしながら棘付き鉄球を正確に命中させ、無惨の首から上を跡形もなく吹き飛ばす技の精密さ
  • 無惨の脅威的な再生力を目の当たりにしても、お館様の言葉を踏まえ「夜明けまでにこの化け物を陽の差す場に拘束し続けなければならない」とその後の作戦を決定する冷静さ 👺<判断が早い
  • 極めて高次元で両立されたパワーとスピード(この時に岩の呼吸参ノ型「岩軀の膚」を使用し、無惨の反撃を無傷で凌ぎ切った。鎖を振り回すと共にヌンチャクか何かのように軽々と鉄球と斧が宙を舞うのだが、可能な限りスローで再生してもその軌道が目で追えない。)

…と、「鬼殺隊最強」の呼び声が誇張でも何でもないことを改めて視聴者に見せつけた。

「設定上最強」「巨漢」「怪力」「武器が鉄球と斧」「地属性」「盲目」「ぶっ飛んだ第一印象」と、少年漫画のお約束におけるあらゆる「やられ役要素」が注ぎ込まれているにもかかわらず、それら全てを跳ね除け、最強の名にふさわしい実力と活躍を最後まで見せてくれた極めて稀有なキャラクターである。

『無限城決戦編』にて(以下、ネタバレ注意)

※「無限城決戦編」は『鬼滅の刃』の最終章に当たるため、見出しからのネタバレ(当キャラの生死含む)防止目的であえて下記のように表示している。

ネタバレA無限城内部での対「上弦の鬼」戦。
ネタバレB鬼の首魁「鬼舞辻無惨」との最終決戦及び「真の最終決戦」。
ネタバレC無惨を倒した後の話

ネタバレA

古今東西の勝負事において、切り札を最終局面まで温存する手は定石であり王道である。

王道に勝る道無し……いわんや、千年をかけた盤上に於いては。

最強の鬼狩り・悲鳴嶼と、最強の鬼・黒死牟は、互いに主命を果たさんがため出揃う。

無限城の深淵において、超越者達の頂上戦が必然として幕を上げる。

"上弦の壱"との戦いで無一郎と実弥が苦戦を強いられていたのに対して、悲鳴嶼は互角に戦っており、鍛え上げられた肉体や巨体に見合わぬ俊敏さに最強の鬼黒死牟に「素晴らしい」「ここまでの剣士は300年ぶり」と武者震いをさせるほど。(剣士…?)

そして能動的に共闘している不死川実弥に指示系統を出し、自身も渦中の戦闘をしながらも組んでいる実弥に気を配り気絶した彼を保護したり状況把握をしていたり、たとえ最恐の強敵との戦闘中であろうと単純な力だけではなく組んだ相方の柱への目配せや保護、状況配意や指揮を取りきる指揮総合的能力すら見せつける。

また彼は既にが発現していたことが判明した。

「これは無惨の時まで温存しておきたかったが、ここで負けては元の木阿弥」

「今使うも止む無し!!!」

極限の死闘の中、透き通る世界を会得、少なくないを払いながら勝利する。

ネタバレB

覚醒した無惨との戦いでは、無惨の圧倒的な力に苦戦しつつも鬼殺隊、延いては人類にとっての宿敵を打ち倒さんために食らいつく。

愈史郎の目隠しの術による透明化、善逸伊之助カナヲの推参、赫刀を発現させた伊黒、鬼殺隊の総力を結集して無惨を押し返す中、悲鳴嶼も日輪刀の鉄球部分と手斧部分をぶつけ合わせることで赫刀を顕現させる

さらに赫刀の顕現によりできた僅かな余裕で無惨に集中することにより、透き通る世界で無惨の身体構造を見抜き、無惨の体内にある多数の脳と心臓を同時に破壊すれば倒せると結論付けた。

しかしその直後、無惨は腿から超高速で動く管を瞬間的に生やして周囲一帯を攻撃、その場にいる全員はその攻撃に対処できず戦闘不能の重傷を負う。

実際には彼と冨岡の二人は伊之助と善逸を庇って重傷を負ったらしいので、攻撃に反応出来ていたことになり、自分の身を守ることだけに専念していれば助かったかもしれないが。

いずれにせよ悲鳴嶼も、左脚の膝から下を切断され、失神してしまう

しかし、全身に回った猛毒に苦しみつつも尚無惨を倒そうとする炭治郎と、重傷を負いながらも無惨に食らいつく伊黒が戦っている中、遂に目を覚まし戦線に復帰する。

日光から身を守る為に肉の鎧を纏い、逃亡しようとする無惨を日輪刀の鎖で拘束する。

激闘の果て、無惨は日光に耐えきれず消滅するも、悲鳴嶼の傷は深く、加えて痣による影響もあって既に助かる見込みは無かった。

故に自分ではなく他の若い隊員の為に薬を使って欲しいと隠に頼み、目を閉じる悲鳴嶼。

その瞼の裏に、突然かつて寺で共に暮らしていた子供達が現れた。

子供達から、悲鳴嶼の言う事を無視してその場を離れようとしたのは、決して我が身可愛さからの逃避ではなく、子供達なりに目が見えない悲鳴嶼を心配し守ろうと、ある者は武器代わりの農具を取りに、ある者は助けを呼びに行こうとしていたという真実を告白される。悲鳴嶼の心を傷付けた事を謝る子供達に、悲鳴嶼は謝らねばならぬのは自分の方だと、子供達を守ってやれなかった事への謝罪を口にする。また、獪岳を追い出していた事を隠していたのも、やはり心優しい彼に気を揉ませて、夜に探しに行ったりさせないようにと子供達なりに考えた結果であり、翌朝になったらちゃんと説明するつもりだった様だが、彼等にその翌朝が訪れる事は無かった。

「もしあの時皆で明日を迎えられていたら」という後悔を零しながらも、子供達が最期まで自分を慕っていてくれた事を知り、最後の心残りが消えた悲鳴嶼は、涙を流しつつ安らかな顔で息絶えた。

「謝らないで」

「みんな先生が大好きだよ」

「だからずっと待ってたの」

「そうか……ありがとう……じゃあ行こう……みんなで……」

「行こう……」

ネタバレC

最終回では彼によく似た容姿の男性が幼稚園の先生として働いている。ちなみに幼稚園で働くその後ろ姿を見た善照は、彼のあまりの巨躯とピンクのエプロン姿のギャップに怯えていた。

単行本最終巻の書き下ろしイラストによると、視力はちゃんとあるらしく、黒目が描かれていた。

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悲鳴嶼行冥
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