巻原定男
まきはらさだお
声:石田敦
幽遊白書の登場人物で、仙水が集めた仙水ファミリーの一員。細目をした大柄な青年。年齢と生年月日、血液型、家族構成は不明。
天沼と共に、次元を切り裂く能力に目覚めた桑原和真を拘束・誘拐する。
原作では、天沼と共に桑原を誘拐しに現れた所が初登場。アニメ版では、御手洗敗北後に戸愚呂(兄)を“食う”場面で登場している。(ただし、この時点では胸元から上は影で隠れている。)
自らの能力「美食家(グルメ)」で、幽助達の協力者だった室田繁、生き延びていた戸愚呂(兄)を取り込むが、後者は不死身だった故に吸収しきれず徐々に精神を蝕まれ、逆に肉体と能力を乗っ取られてしまう。次第に支配されていったことで錯乱と自傷行為に至り、桑原を拉致する時期には完全に侵食されてしまった。その後、入魔洞窟にて蔵馬によって頭部を損壊した事で、“巻原定男”は事実上、完全な死亡を遂げたと言える。その直後の姿は、巻原の下顎の断面から戸愚呂兄の首が伸びているという、さながら乗り物か巻原を“着ている”ような状態であり、かなりグロテスクなものである。
残された肉体も邪念樹に寄生された戸愚呂(兄)と命運を共にする羽目となり、今も洞窟内にて無間地獄を彷徨っている。原作ではこの事が枠外に要訳して走り書きされていたが、アニメ版では一部のファンからは霊界特防隊に発見され抹消されたのではと推察されていた。
ちなみに、スマートフォンゲーム『100%マジバトル』のイベントクエスト、時系列では魔界の扉編からしばらく経った「エピローグのその先へ」のストーリーにて彼らの事が描かれている。やはり入魔洞窟内で邪念樹に寄生されたままになっていたが、狂暴な低級妖怪が絶え間なく戸愚呂(兄)の妖気に引き寄せられるという危険な状態になっており、問題解決のためにそのまま魔界に追放されてしまった。
それ故にファミリーの中では仙水を除き唯一生還しておらず、原作・アニメ版でそれぞれの後日談を描いたエピローグの回でも彼だけハブられ生年月日なども語られていない。
後に明かされた設定では、高校時代は動作が鈍く不器用な立ち振る舞いから、同級生に「ウシ」というあだ名で呼ばれていたとの事。なお桑原からは「デブ」と評されているが、その割にアニメ版では結構鍛えているマッチョに描かれていた。また、常日頃から「楽をして成績を上げたい。運動神経をよくしたい。強くなりたい。色々な能力を身につけたい」という欲求を抱いており、努力が苦手な様子であった。そんな彼がどのような経緯で仙水に勧誘され、人間界を破滅させる計画に加担したのかは不明。
ちなみに、「美食家(グルメ)」という能力名からも分かるように元から食べる事が趣味であり、この嗜好と上記の願望によって能力に目覚める事となったと思われる。
外見及び苗字のモデルは、恐らく槇原敬之氏。
他には『モンスターストライク』のコラボにおいて、巻原本人と戸愚呂(兄)の頭部が出現した状態の2パターンで登場している。
『100%マジバトル』では仙水ファミリー全員が参戦しており、巻原も本人と戸愚呂(兄)に乗っ取られた状態(キャラクターとしては戸愚呂(兄)の派生キャラ)として登場。巻原本人は戸愚呂(兄)を“食って”得た「武態」の能力による両手の単体触手攻撃、アニメ版での食事を再現した回復技を持っている。
(※画像はイメージです)
“美食”という名とは裏腹に戸愚呂(兄)をして「エグい」と言わしめた能力で、他の能力者を肉体ごと丸呑みし、取り込んだ相手の能力を得る事が可能。作中では戸愚呂(兄)の身体を変形させる「武態」能力、室田の読心能力である「盗聴(タッピング)」を使用した。アニメ版では両者共に捕食シーンが描写されており、軽くトラウマものとなっている。最早、美食と言うよりは悪食と表現した方が妥当かも知れない。
領域(テリトリー)は巻原の体内に存在し、経口摂取した能力者を領域内で分解吸収しその能力を会得する。相手を“食べる”度に強くなっていくが、やはり例外というものは存在するようで、不死身である戸愚呂(兄)のように場合によっては消化不良を起こす弱点を抱えている。
これは“食われた”対象は基本的に助かる術は無いと同時に、裏を返せば巻原自身も一度“食った”対象は体外へ“吐き出す”事が不可能である事を表している。
なお、概要通りこの能力は巻原の肉体諸共に戸愚呂(兄)が奪い取っているが、彼が明確に直接この能力を使った場面は描かれていない。(※室田を“食った”際に、この時点で戸愚呂(兄)が巻原の意識を消し去り支配していた可能性もあるが)
完全な余談だが、能力の一環なのか元から口内が人間離れして広大なのかは不明だが、アニメ版ではハンバーガー1個を一口で丸呑みしている。また、二人を“食った”際には元々小柄で当時はほぼ頭部しか残ってなかった戸愚呂(兄)は一瞬で、成人男性で五体満足の室田ですら僅か数秒足らずで“完食”してしまっており、目撃者さえ現れなければ痕跡が残らないため完全犯罪が成立するという地味に厄介な能力でもある。
Pixiv内では過去に巻原個人だけの作品も描かれていたが、後年ではほぼ他のメンバーと共に描かれている作品で占められている。