アベノミクスによる金融緩和、円安政策によって日本は物価の高い国から一転、安い国に転じた。購買力平価は実際の平均為替レートよりも約4割安くなっている。
円安に反転した当初は株価上昇、日本製大復活という夢が語られたが、上がったのは日本企業の株価だけで、円高時代に海外に流出した製造業は日本に回帰してこなかった。製造部門を捨てた日本企業からは技術者がいなくなり、品質も中国製品の方が上なのだから、日本製品は日本人ですら買わない。しかも日本は再生可能エネルギーの活用で遅れを取っているため燃料価格の高騰が経済を直撃する構造になっており、ITサービスでも著しく遅れた国のため、「デジタル化」が叫ばれても海外サービスを高い金を出して購入しなければならなくなった(デジタル赤字)。
日本経済及び国民生活は上記の惨状でも、日本企業としては「安い日本」により海外に持っている資産の稼ぎが良くなっているため必ずしも痛手ではなかったりする。