凶気の桜
きょうきのさくら
2002年公開の映画。
原作は2000年発売のヒキタクニオ著の小説。
「暴力が正義」という理念のもと、渋谷の街で半端な不良やチーマーを狩って回る「ネオトージョー」の青年3人が、右翼団体と親交を深めるうちに、その若頭による陰謀に巻き込まれ、利用されてゆく過程を描いた社会派作品。
撮影は実際に渋谷で行われ、当時の街並みがそのまま収められている。中には現存しない建物も多い。
窪塚洋介の俳優全盛期を象徴する作品の一つである。
ネオトージョー
ナショナリストを自称する、幼なじみ3人で結成したグループ。特注の白い特攻服がトレードマーク。全員が渋谷で生まれ育ったが、それぞれ家庭環境に問題がある事が示唆されている。
- 山口進(窪塚洋介)
主人公にしてネオトージョーのリーダー格。読書家で歴史をよく学んでおり、現代の日本人の堕落ぶりを憂いている。喧嘩も非常に強く、10人以上の不良グループを一人で返り討ちにする。
慕っていた青田の死後、黒幕である兵頭に敵討ちを挑むも三郎の横槍で仕損じてしまう。ラストシーンで景子との待ち合わせ中に何者かに刺殺される。
原作では山口登という名前だが、山口組の二代目組長と同名のためか、映画化にあたり変更されている。
- 市川勝也(RIKIYA)
ネオトージョーの中では最も落ち着いており、現実主義な発言が多い。武器は警棒。三郎と兵頭の策略により殺人の濡れ衣を着せられ、逮捕されてしまう。
父親は億単位の年収を稼ぐ高給取りだが、勝也のことは見放しており1円たりとも小遣いを与えていなかったとの事。
- 小菅信也(須藤元気)
筋肉質な体型で、暴れるのが好きなだけの脳筋。中盤で山口と喧嘩別れし、そのまま青修同盟に加入する。兵頭の策略により切り捨てられ、敵対する不良外国人たちにリンチされた結果下半身不随の後遺症を負う。
山口とは意見が対立することが多かったが、内心ではブレない信念を持っている山口の生き様を認め、憧れていた。