上杉風太郎
うえすぎふうたろう
本作の主人公。この日結婚式を迎えた花婿で、花嫁である五つ子とは高校時代に父親から紹介されたアルバイトで出会い、家庭教師と生徒と言う関係だった。名前の由来は、上杉謙信および風神。
本作は生涯の伴侶となる五つ子の誰かと結婚式を迎えた風太郎のそこに至るまでの過程を回想する形で物語が進んでいく。
黒い短髪で、頭頂部に新芽のようなくせ毛がある。この髪型はらいはにセットしてもらっているが、らいははこの髪型にしかカットできない。
瞳の色は一定しておらず、原作初期とアニメ1期では青色だが、コミックス12巻表紙やアニメ2期以降では琥珀色になっている。加えて目つきが悪い。
ヒロイン達と比べると地味なところがあり、また当人も性格故かあまりファッション等には気を使わない(公式動画でも”一応主人公(笑)”と書かれてしまっている)…と言うか家庭環境的に使えない。
5年前の小学生時代は、父に似た金髪のヤンキー風の格好をしたやや粗暴な性格で、耳にはイヤーカフも付けていた(ピアスではない)。らいはは当時すでに小学生だったものの、入退院が多かった故かこの姿の風太郎を憶えていなかった。
母は料理店を出す夢をもっていたが、出店直後に事故で他界している(風太郎が6歳の頃との事なので2006年頃)。この時にできた多額の借金によって彼の家は極貧を強いられており、アニメで追加された台詞を聞く限り定期的に借金取りが訪ねてくるような状況だった。
祖父母は別の家にいるが、健在(勇也を呼び捨てている方は父方で、風太郎君と呼んでいる方は母方と推測される)。原作で父方の祖父母の家が描かれていたがそちらは風太郎の家程貧乏というわけでもないようだ。
頭の良さは半端ではなく、物語スタート時点で高校入学からの全テスト全教科で100点を採り、不動の学年主席の立場にある。無論彼自身もそれへの自信は過剰と言える程で、「テストの答案を恥ずかしがって見せない→見ると全部100点」と言う嫌味全開なネタを持ちネタにしている程。
しかし悪く言ってしまうとその取柄は勉強一点に特化してしまっており、それ以外に関してはかなり粗が多い。特に人付き合いは最底辺の極みで、前述の鬼神っぷりに反して同級生どころかクラスメイトともまったくコミュニケーションを取っていなかったのに加えて、極貧な家庭環境故に学食でいつも「焼肉定食、焼き肉抜き」(ご飯単品だと200円だが、焼肉定食400円から焼き肉を抜くと、200円引きとなり、同じ200円でご飯に味噌汁、お新香が付く為)を頼んでいたため周りから変な目で見られていた。加えて、このコミュニケーション不足はそのまま異性相手でもノーデリカシーな発言をしてしまうと言う欠点を生み出しており、五月とは初対面時の発言が災いし、林間学校で解決するまでの約二ヶ月の間、仲が拗れてしまった。
おまけに彼の携帯電話(スマホではない)のアドレスは家族の物しかなく、五つ子達のメアドも、夏祭りの後に一花に脅される形でようやく登録する程。姉妹から遊びに誘われても、勉強を優先して断る程に人付き合いに興味がない。この辺りは物語が進むにつれて少しはマシになっており、前田や武田祐輔と言った男子とは前者は林間学校、後者では全国模試での勝負が縁になったのか修学旅行で同じ班を組むぐらいには良き友人になっている。三年生時の夏休みには偶然海で鉢合わせたクラスメートと遊んだりと中野家との関わりを通して同級生との人間関係も改善された。
また勉強ばかりしているせいか運動神経が悪く、四葉に置いてきぼりにされたり、彼女に追いかけられた時に逃げきれなかったりする。また一花を肩車したり、三玖を背負ったりするシーンがあったが、彼女達の重さに耐えられず直ぐに降ろしてしまった。
普段こそ自身とらいは以外をとにかく見下すような態度が目に付くが、本質的には相手と真摯に向き合い、悩みに寄り添える誠実さと優しさを持っており、その人柄が知れていくにつれ、姉妹からの信頼を勝ち得ている。
そんな彼でも成果が出ていないのに給料を貰った際には、彼女達にも恩義を感じており、またらいはに林間学校での四葉への恩返しを促された時にはそれを実行する等、五つ子達と接する内に彼自身もまた人間的に成長していく事となり、最終的に「勉強・友情・仕事・娯楽・恋愛も捨てる必要はなかった」と結論付ける。
家庭教師は当初はお金の為でしかなかったが、次第に「姉妹の面倒を見てやりたい」気持ちが芽生えていき、一時は無給(正確には出世払い)で家庭教師を続けたことも。今は卒業後を見据え「全員の将来の夢を見つけてやる」のを目標としている。
恋愛に関しても当然とすべきか鈍感で、当初は「学業から最もかけ離れた愚かな行為」とまで断じていた。
それ故に姉妹は大切に思いつつも、あくまでも生徒としての感情しか持たず、好意には全く気付いていなかったが、二乃からの告白をきっかけに姉妹を異性としても意識し始める。
彼が熱心に勉強をするようになったのは、5年前の小学生時代に「写真の子」に出会ってからである。当時の風太郎は前述の通り、風貌に違わず勉強は二の次の態度であった。
京都での修学旅行にて、当時好意を秘めていた女子生徒・竹林と同じ(五人一組の)班になったものの、彼女は同じ班にいた勉強熱心な幼馴染・真田が好きであるのに気付いてしまい、他の二人の男女も仲良さげだった事情から「自分は彼等にとって邪魔になる」と思い、仮病を使って独り離れ黄昏れていた。そんな中、妙齢女性のコスプレイヤーに盗撮の疑惑を掛けられたが、その冤罪を晴らしてくれたのが「写真の子」であった。
その後その少女と行動を共にし、彼女の「人の役に立つ人になりたい」思いに共感し、それ以来勉強に取り組むようになった。
反面、勉強に没頭するあまり人間関係を蔑ろにするようになった結果、友人と呼べる存在がいなくなってしまったが、本人はそれを気にも留めなくなっていった。
……と、これだけならば過去の話で終わるが、実はこの「写真の子」が五つ子達の中の誰からしい事実が提示されていた。なお、当時の五つ子は皆そっくり同じ姿である為、見た目だけでは判別出来ない。
五月が「写真の子」と同じお守りを持っていた事実から、風太郎自身も一度はその疑惑を持ったのだが、決め手も確信も無い事情から追及を諦めている。
そして、その正体と胸の内を知らぬまま、3年の文化祭の最終日にて、彼は大きな決断に至る。
※ここから先は、物語終盤における更なるネタバレ有
学園祭が終わりを迎えた時…。この瞬間から彼は五つ子の想いに対してついに、自分の答えを出す…。
???「上杉さんがなんでここに…?」
???「あ!もしかして怪我しちゃいました?そりゃそうですよね 早とちりしました」
???「保健室だから当然…」
風太郎「お前に会いに来たんだ…」
風太郎「四葉」
風太郎が向かった場所…
そして、彼が選んだ相手…
それは五つ子四女である中野四葉であった。
風太郎「あいつらの家庭教師をやれたことを誇りに思う」
風太郎「おまえがいなければとっくにつまずいていた」
風太郎「安心すんだよ」
風太郎「おまえは俺の支えであり、俺はおまえの支えでありたい。」
口に出した台詞ではどの姉妹にも当てはまるような言い方となっている。(実際作中描写では姉妹全員そのように支えていた)
風太郎は四葉を選んだハッキリとした要因は諸説あり、ユーザーによって解釈も分かれている。
- 四葉がそばにいてくれたから
- 言うほどそばにいたか?という疑問はあるが、ノベライズ版ではこのように説明されている。
- 学校生活を楽しませてくれたから
- 直前に回想が挟まっている。
- 京都の子を彷彿させるから
- 最初から協力的だったから
(一枚絵で済まされているが)当初の目標だった卒業はできたようである。
高校卒業後はスマホ(色は黒)を持つようになったが、パソコン作業は苦手としてる模様。
彼は卒業後、東京の大学へ進学。結婚式時点での描写を見る限り東京に在住しているようだが、職業は明かされていない(ゲーム『彼女と交わす五つの約束』では五月を選んだ場合のみ判明しているが、それは五月を選んだからこそという面があるため、それぞれのルートで異なる可能性もある)。
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初投稿です。 ちょっぴり愛の重い5つ子に振り回される中野父と上杉くんのシュール系コメディ。 たくさん食べる君が好き。 感想、ブクマ等ありがとうございます。 Twitterはじめました。 2019/07/20の[小説] 男子に人気ランキング5位 2019/07/20の[小説] デイリーランキング83位 に入ることができました。 2019/07/21の[小説] 男子に人気ランキング9位 2019/07/21の[小説] デイリーランキング54位 に入ることができました。 ありがとうございます。6,894文字pixiv小説作品