概要
ヨハン・ルートヴィヒ・ヴェルダーが1868年に開発したフォーリングブロックライフル。
ピーボディ銃のアクションを速く打てるように改良した仕様になっており、連射がしやすく一説には後に採用されたGew71よりも早かったと言われ、その事から「バイエリッシェス・ブリッツ・ゲヴェーア(Bayerisches Blitzgewehr)」の愛称を持つ。
その他に、薬室開放トリガーが設けられているために片手で操作できる事、そのために騎兵向けのピストルタイプが存在する事が特徴。
当時バイエルン軍は普墺戦争で敗北し再軍備の際に急場凌ぎで近代化改修したM1867バイエルン・ポドヴィルス・リンドナーとM1854/67オーストリアン・ヴェンツルという2つの後装式単発銃を使用していた。
しかし軍備が整い始めた頃、より近代的な装備を欲した軍は上記の銃器の配備と並行してライフルのコンペを行い、そのコンペを勝ち抜き採用されたのがウェルダーの設計だった。
ドイツの工業力により順当に生産し配備され、銃自体も好評だったものの翌年には普仏戦争が始まり、参加することになったバイエルン軍はウェルダー銃の配備は完了しておらず、兵員の一部は上記の後装式2つを使用することになってしまった。
その後にドイツがGew71を採用し弾薬を統一するようにバイエルンに圧力をかけたため、改修を受ける事になり、改修したものはアプティエテスと呼ばれた。統一された弾薬は元の弾薬と10mm以上違っており、反動がデカくなり、反動が吸収しきれずストックが割れるなどの部品破損を起こし、更に破損や薬室の張り付きなど諸々の理由で薬莢の抽出が困難になる事態が起きてしまった。
そのため、殆どの部品を改修したM1869/76nMwが開発される事になる。
M1869/76nMwの採用後は、一度は装備を完全に置き換えたものの、最終的にはドイツのGew71とGew88に置き換えられた。
主なバリエーション、派生型
ウェルダー・ピストル
騎兵向けのピストルモデル。11.5mmウェルダー弾(11.5×35mmR)を使用する。
M/1869 アプティエテス
ドイツの要請で作られた改修モデル。11.15x60Rモーゼル弾を使用する為、薬室が大きくなっている。
M1869/76 ノイエス・マスタ・ヴェルダー
アプティエテス問題を解決するために作られた再設計モデル。M1869/76nMw。レシーバーより前はGew71のものと同じになっているため、それで見分けられる。
フィクションでの使用
オルクセン王国史 - 1870年代~1890年代ほどを発想元とした異世界ファンタジー軍記物。漫画版にてオルクセン軍の旧式小銃として、この銃をモデルとした銃「Gew61」が登場する。
性能
全長 | 1315mm |
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銃身長 | 890mm |
重量 | 4.4kg |
使用弾薬 | 11.5mmベルダン弾(11.5x50mmR) |
装弾数 | 単発 |
口径 | 44口径 |