ムーンマルガム

この思想は当然ながらケミーの意思ではなく、依代となっている人形の意思そのものであり、ネミネムーンの力を気に入ったのか「月」や「眠り」を連想させるキザな口調をしている。また、下記の能力による影の中での眠りを至上の喜びとしており、無理矢理叩き起こされて狼狽するなどコミカルな面や、ごみ捨てのネットをわざわざ掛け直すなど几帳面な一面も。

能力

三日月を模した大型の鎌『ヒュプノトス』による戦闘を得意とする他、影を操作して人間をその中に引きずり込む芸当も可能。この能力は自身にも適用され、影の中を自由に移動して奇襲を仕掛ける。

更にはヒュプノトスから飛ばす三日月型の斬撃や左腕を液状化して、相手を粘液まみれにする嫌な技等、攻撃手段はかなり多彩。

また、影のない場所でも満月に似た複数のオブジェクトを錬成し、人為的かつ好きな場所に影を作り出せる。

人形の強い悪意によってケミーと強固に結合されており、例え欠損があっても月の満ち欠けのように再生してしまう。

更に上級錬金術師にしか扱えないザ・サンと同じコズミック属性のケミーを取り込んでるのもあってか、一般怪人とは思えない戦闘力を見せており、現時点での最高戦力である仮面ライダースーパーガッチャードを圧倒している。

活躍

グリオンの手によってマルガムとして錬成されると、自身の歪んだ思想を現実にするべく街中でトラックの運転手達を襲い始める。

しかし、その際にお得意様の出前で外に出ていた宝太郎が騒ぎを聞き付け、囚われたケミーと人々を助けるべくガッチャードへと変身、交戦する。

逃げ遅れた人達を影の中に引きずり込み、圧倒的な戦闘力でガッチャードを追い詰めるもデイブレイクゴルドダッシュを駆るガッチャードデイブレイクが割り込むように現れ、彼の高い戦闘スキルに「分が悪い」と悟って撤退した。

その後は自分の欲望を一先ず満たせたのか、影の中で呑気に寝ていたが、自分に憑依しているケミーの正体と潜伏場所を錆丸が特定。

彼のアドバイスを聞いたりんねがケミーライザーで実体化させたバーニングネロの激辛成分を影に噴射されたことで、思わず影から飛び出してしまう。

「なんだ、青い方の仮面ライダーか。それならまた眠れそうだ」

安眠を邪魔されて怒りを露にするが、宝太郎の顔を見るやすぐさま余裕を取り戻して再戦。今度はスーパーガッチャード・クロスユーフォーエックスに変身して挑まれるも地力の差もあって唾液の左腕を擦り付けるなど完全に見下していたが、ユーフォーエックスの力で影の中に眠らせていた人々の解放を許してしまう。

ここで邪魔者の始末に目的を変更し、ガッチャードとりんね達に三日月状の斬撃を飛ばすも、彼らを助けるように再びガッチャードデイブレイクが現れて状況が一変。どうにか応戦するものの、クロスエックスレックスとなったスーパーガッチャードの「エックスレックスシャイニングフィーバー」を叩き込まれて敗北、爆散した。

「月は何度欠けても再び満ちる……次こそお前を永遠に眠らせよう……！」

しかし、欠損した身体をすぐさま再生して爆炎の中から復活。仮面ライダーの戦闘力を改めると、再び影に潜り込んでその場を撤退した。

続く第18話で必殺技による傷が癒えると再び行動を開始する。今度は錬金アカデミーの元生徒である錆丸と蓮華を影に放り込むと、途方に暮れている宝太郎とりんねの前に出現。影の中に捕えた2人を見せて動揺させると、その隙を突いてりんねを捕獲し、続けて宝太郎も狙うが、またしても現れたガッチャードデイブレイクに乱入に失敗。再び損傷した肉体を再生させるために何度目かの撤退を余儀なくされる。

それでも自身の再生能力や人質がいるアドバンテージもあり、採石場で勝利を確信していたが、新たな力と想いに覚醒して駆け付けた宝太郎が変身するファイヤーガッチャードのスピードに対応できず、影の中に潜る隙もないほど一方的に追い詰められてしまう。

「姿を変えても、お前の弱点は一緒だっ！」

最終手段として捕えたりんね達を影から解放して危害を加えようとするも、それすらも間に合わずに叩きつけられてしまう。圧倒的な戦闘力の差で満身創痍の中、必殺技のエネルギーを極限までチャージするファイヤーガッチャードの姿に恐れをなして逃げようとするも、最期は『スチームホッパーバーニングフィーバー』の直撃を受けて採石場から遠くまでぶっ飛ばされる。

それでも尚、往生際悪く再生しようとするムーンマルガムだったが、悪意すらも焼き尽くすライダーキックに耐えきれるはずもなく、依代の悪意人形は焼失し完敗。

逆に自分が永遠の眠りについてしまうと、拘束されていたネミネムーンも無事に解放されて宝太郎に封印された。