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マイアミの奇跡

まいあみのきせき

1996年、アトランタ五輪で日本代表がブラジル代表に勝利した試合。
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概要編集

1996年に開催されたアトランタオリンピック日本代表サッカー競技にてブラジル代表を1-0で勝利した試合の通称である。


詳細編集

試合前の状況編集

28年ぶりにオリンピック出場を決めたサッカー日本代表はグループリーグの抽選の結果ブラジルのいるグループDに入り、さらにその初戦の相手がブラジルとなった。


ワールドカップ最多優勝を誇るブラジルと当時ワールドカップに出場をしたことがなかった日本の差は歴然としており、オリンピックサッカー競技の基準となるU-23世代を見てもその後2002年の日韓ワールドカップで優勝した立役者のロナウド(ロナウジーニョとして出場。当然別の英雄とは無関係)やロベルト・カルロスなどがおり、さらに1994年のワールドカップで優勝したマリオ・ザガロ監督が五輪監督も兼任し、ベベットやリバウドなどの2年前のアメリカワールドカップ優勝メンバーをオーバーエイジ枠として招集した。ブラジルほどの国がオリンピックでここまでやるかと思うだろうが、実は当時ブラジルはオリンピックで金メダルを獲得したことがなく、悲願達成のためあらゆる手を講じていたのである。


一方日本は前園真聖城彰二といったA代表兼任の選手や中田英寿川口能活などJリーグでも活躍していたのはいたが海外でプレーしている選手は当時おらず(中田がセリエAに行ったのは2年後の1998年)、さらにA代表兼任でレフティモンスターと評されていた小倉隆史が合宿中に大怪我を負うアクシデントに見舞われるなど万全とはいえる状況ではなかった。また、西野朗監督の意向でオーバーエイジ枠を使わなかったこともあり、ブラジルは勿論他の出場国と比較しても明らかに見劣りする戦力であった。このため試合前の評判はブラジルが勝つとか当たり前で、興味はブラジルが日本から何点取るかという評価で、実際日本のスタッフがビデオでブラジルの試合を見たがあまりの差に「見なかったことにしよう」と選手にビデオを見せなかったほどである。


試合展開編集

そして当日。スタジアムはブラジルサポーターで埋め尽くされた状態で試合が開始された。最初のシュートは中田であったが、その後はブラジルがシュートをガンガン放つ。しかし日本はGK川口が好セーブを連発。ブラジルもシュートを外したりゴールポストに当てたりとなかなかうまく照準が合わない状態で前半を0-0で折り返した。後半もブラジルが猛攻を仕掛けるもやはり点が入らず、この状況にブラジルサポーターが怒るのはいうまでもなく、サポーターの1人がグラウンドに侵入し試合が一時中断する事態にまでなった。


そうこうしているうちに後半27分、日本はディフェンスラインとGKの間のスペース目掛けてボールを上げる。そのボールをブラジルDFが追っていたが、ボール以外を見ておらず飛び出してきたブラジルGKジーダと激突。双方が倒れてボールが転がる所を駆け上がっていた伊東輝悦(メイン画像の人)がブラジルゴールに入れて日本が先制する。


その後もブラジルが攻め続けるが点が入らないまま試合終了。前評判を覆し日本がブラジルに勝利した。


その後編集

ブラジルに勝利した日本は続くナイジェリアに0-2で敗戦し、最終戦のハンガリーには3-2で逆転勝利しブラジル、ナイジェリアと2勝1敗で並んだものの、得失点差で3位となりグループリーグ敗退となった。ちなみに金メダルを獲ったのは同じグループのナイジェリアである(ブラジルは銅メダル)。


日本にとってこの勝利はアトランタオリンピックを語るうえで一番の見せ場となっている。これは日本がブラジルに勝利という番狂わせが起きたことは勿論であるが、このオリンピックの日本は総じて絶不調で、話題が(お家芸の柔道を除けば)サッカーしかなかったというのもある。IOC(国際オリンピック委員会)の方針もあり世界中が選手のプロ化が進む一方で、日本は未だに企業チーム主体のアマチュアリズムから脱却できず、さらにバブル崩壊で企業チームが次々と休廃部が進みアマチュアリズムの限界を感じていた中、Jリーグの誕生によってプロ化が進んだサッカーがこのような結果を出したことから、他の競技も一気に企業チームに捉われないプロ化が進むことになる。


中田英寿、城彰二、川口能活は1998年ワールドカップの予選で日本代表に選ばれ、ジョホールバルの歓喜を演じている。


関連項目編集

サッカー日本代表 アトランタオリンピック

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