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ブリュンヒルデ

ぶりゅんひるで

北欧神話に登場するワルキューレの一人。 リヒャルト・ワーグナーの『ニーベルングの指環』にてヒロインに抜擢されたことで、もっとも知られた戦乙女となった。
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概要編集

アイスランドの『ヴォルスンガ・サガ』をはじめとする各種伝承や、それらを原典とするリヒャルト・ワーグナー戯曲楽劇)『ニーベルングの指環』に登場する「ワルキューレ」の一人。ルーン文字によるまじないに長けている。

その名は『輝く戦い』と言う意味。

北欧神話ではフン族の王「アッティラ王」をモデルにした人物、「アトリ王」の妹とされる。

『ニーベルングの指環』では神々の長「ヴォータン(オーディンを元にした登場人物)」と大地の女神「エルダ」の娘。灰色の天馬「グラーネ」を騎馬としている。


多くのワルキューレの中でも『ニーベルングの指環』における愛憎劇から一躍人気を獲得しており、現在では創作作品においてワルキューレの代名詞といった厚遇を受けている。


シグルズとの恋物語編集

『ヴォルスンガ・サガ』ではシグルズ、『ニーベルングの指環』では英雄ジークフリート恋人(ないし夫婦)関係であるとされ、『ヴォルスンガ・サガ』では「アスラウグ」という娘も儲けている。

ジークフリート、シグルズとの一連の恋物語は『ヴォルスンガ・サガ』と『指環』で大筋が同じだが、相違点も多い(ワーグナーが楽劇化に合わせて大幅に作り変えているため)。

以下は『ヴォルスンガ・サガの内容に基づいた記述である。


主神への離反編集

きっかけはオーディンの命によって「兜のグンナル」という男と「アグナル」という男の間に起った戦争で、オーディンはグンナルを勝たせるように指示をしたものの、ブリュンヒルデはアグナル側に付いてグンナルを殺害し、オーディンの怒りを買った。

そして彼女に相応しい男が現れるまで、の壁に囲まれた祭壇で眠りに着くこととなった。


運命の出会い編集

やがて成長したシグルズは母より父が使っていた剣の破片を貰い受け、養父レギンにそれを打ち直させて「グラム」を完成させる(ニーベルングの指環においては「ノートゥング」で、ジークフリート自身が完成させた)。その剣をもって竜「ファフニール」を退治し、ファフニールの財を独占するべくシグルズ殺害を目論んだレギンを返り討ちにして諸所を遍歴していた。


あるときヒンダルフィヤル山に着いたシグルズは、その山の頂で甲冑を身にまとった人間が炎の壁の向こうで眠っているのを発見する。

この人間こそブリュンヒルデであり、シグルズは彼女を炎から救い出し、目覚めさせることに成功する。

二人は互いに惹かれあい愛し合う仲となり、ブリュンヒルデはシグルズに多くの知恵を授けたという。

時が過ぎるとシグルズは旅立ち、二人は「ヘイミル」と言う名の領主のもとで再会する。

ヘイミルと言うのはブリュンヒルデの養育を任されていた人物で、彼女の姉である「ベックヒルド」を妻としている人物である。

ヘイミルの館の下でブリュンヒルデとシグルズは再会し、改めて結婚の約束を交わし婚約の証としてそうとは知らずに呪われた黄金を生む、「アンドヴァリの腕輪」を彼女に渡した。

そしてまたシグルズは旅立つこととなる。


悲劇の結末編集

ブリュンヒルデとの再びの別離ののち「ギューキ王」の元を訪れたシグルズは、シグルズと娘「グズルーン」の結婚を望むギューキ王とその妻グリームヒルドによって忘れ薬を盛られてブリュンヒルデとの愛の記憶を失い、グズルーンと結婚させられてしまう。

自分の知らないところでブリュンヒルデを裏切ってしまったシグルズだが、義兄弟・グンナルの懇願によってブリュンヒルデへの求婚を手伝わされることとなった。

しかしグンナルでは実力が足りず、ブリュンヒルデを娶るための条件が揃わなかったため、シグルズはグリームヒルドの魔法によりグンナルの姿へと変身し、結婚に至る試験を代わりに遂行することでグンナルとブリュンヒルデを結婚させた。


その後に、ギューキ王の館にてブリュンヒルデとグズルーンがともに水浴びをしている際に諍いを起こし、グズルーンが勢いからシグルズの不正を漏らしてしまう

これにより「自分の名誉と誓いを破らせたうえに封印していた愛を裏切った」として、ブリュンヒルデは「この結婚が偽計によって成されたのならば、シグルズか私かグンナルの内誰かが死ななければならない」と言った。ブリュンヒルデを失うことを恐れたグンナルは弟「ホグニ」と共謀し、義兄弟の誓いに加わっていない弟「グットルム」にシグルズを殺害させてしまう。

ブリュンヒルデはシグルズの死後狂ったように笑い、自らの行いを悔み、シグルズと同じ棺に入り二人ともに火葬されることとなったという。


『指環』における相違点編集

  • ジークフリートの両親の父もヴォータンなので、彼は異母きょうだいの子=甥にあたる。
  • オーディン同様にヴォータンも彼女に罰を下すが本意ではなく神々の筆頭としてやむなく下したものだった。
  • ジークフリートがブリュンヒルデの下を離れた理由が“2人で暮らすことよりも外の世界の冒険を優先したから”。
  • ジークフリートを殺したのは、「グンター(ヴォルスンガ・サガのグンナルに対応)」の家臣で下剋上を企む裏切り者の「ハーゲン」。ハーゲンはジークフリートの遺体から魔法の指環を奪おうとしたが、ブリュンヒルデがそれを阻止、指環の元々の持ち主であるライン河の乙女たちに返却した。ブリュンヒルデがジークフリートの火葬の火に飛びこんで後追い自殺をする傍ら、ハーゲンは指環を追って河に飛びこみ溺死した。

関連タグ編集

北欧神話 ワルキューレ シグルドリーヴァ

ニーベルングの指環

ニーベルンゲンの歌(同名の、イースラント国の女王が登場する)


創作物でのブリュンヒルデ編集

他にあれば追記お願いします。

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