スーホの白い馬
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すーほのしろいうま
モンゴルに伝わる民話。並びに絵本
モンゴルの伝統楽器「モリンホール(馬頭琴)」の誕生を語った物語。
日本では福音館書店の絵本から知られるようになり、アニメ映画化、国語の教科書への採用などで知名度が高い。
しかし、モンゴル本国では実はマイナーな童話であり、同じ馬頭琴誕生の逸話としては『フフーナムジル』の方がよく知られている。
モンゴルにスーホという羊飼いの少年がいた。ある日スーホは、群れからはぐれた白馬の子供を拾ってくる。
白馬は成長すると素晴らしい名馬となり、競馬大会で優勝するが、白馬を気に入った王様は、貧しい生まれのスーホを詰った上に痛めつけて白馬を奪い取ってしまった。
しかしある日、白馬は王様を振り落として逃げ出した。
矢を射かけられながらもなんとかスーホの元へ帰りついた白馬だったが、矢傷が元で死んでしまう。
嘆き悲しむスーホの夢枕に白馬が立ち、自分の遺体を使って楽器を作ってほしいと言い遺す。
目を覚ましたスーホは、夢で教えられたとおりに白馬の遺体で楽器を作った。これが馬頭琴の始まりである。
本作は、モンゴルや騎馬民族の風習や歴史との乖離が激しく、不自然な箇所が余りにも多く見られる(特に話の根幹たる「王が美しい白馬を奪おうとする」が大問題であり、遊牧民族たる彼らにとって馬とはそれはもう大切な資産である。それを「美しいから」なんて理由でなんの罪もない若者から簒奪しようとしたら兵士たちも馬を大切にしているのだからその場でクーデター、最悪暗殺されても誰も擁護してくれない程の事態である)ことから、内モンゴル自治区出身の非常勤講師ミンガド・ボラグ氏は、特定の時代、社会、政治思想により作り出された作品であると著書で主張している。
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