シャム猫ココ
しゃむねこここ
日本では羽田詩津子訳でハヤカワ・ミステリ文庫(早川書房)から刊行されている。
原語での各作品の題名が "The Cat Who..." に統一されていることから "Cat Who Series" と呼ばれる。日本語翻訳版では「猫は〜(する)」に統一されており、この作品の猫(原語のThe Cat)の名から「シャム猫ココシリーズ」と呼ばれる。
ココ(Koko)
第1作でクィラランが下宿した大家の飼い猫。元の飼い主が死亡したためクィラランに飼われることとなった。本名カウ・コウ=クン。非常に美食で新鮮なロブスターやチキンなどを好む。大変美しい毛並みのシールポイントのシャム猫の雄で、ひげが30対ある(一般の猫より多い)。
人の死を感じて咆吼する(死の咆吼)ほか、はたき落とした本の題名やスクラブルのチップ、足で踏みつけたタイプライターにより打たれた文字などが重要な単語を示すなどしたことから、クィラランはココには特別な能力があり、起こったことの真相が判っているのだと考えている。
ヤムヤム(Yum-Yum)
第2作でのある事件の後クィラランに飼われることとなった猫。ココ同様美しい毛並みのシールポイントのシャム猫で、愛らしい性格の雌。前足をよく使い小物を盗みとり敷物の下に隠したり靴ひもを解いたりするため、クィラランは「前足のヤムヤム」とあだ名をつけるが、ココとは異なり普通の猫だと考えている。
ジェイムズ・クィララン(James Qwilleran)
ココとヤムヤムの飼い主。長身で特大の口ひげを蓄えた男性。フルネームはマーリン・ジェイムズ・マッキントッシュ・クィラランである。元事件記者で犯罪に関する著書があるが、離婚、アル中といったひどい時代を経たのち、第1作で「南」の新聞「デイリー・フラクション」の文化欄記者となり特集記事を担当する。第1作から第4作までは特集記事の取材中に事件に遭う。第5作でムース郡を訪れ、ある出来事のためにムース郡へ移住することとなる。
長編
- 猫は手がかりを読む(1988年11月、The Cat Who Could Read Backwards )
- 猫はソファをかじる(1989年8月、The Cat Who Ate Danish Modern )
- 猫はスイッチを入れる(1990年4月、The Cat Who Turned On and Off )
- 猫は殺しをかぎつける(1988年5月、The Cat Who Saw Red )
- 猫はブラームスを演奏する(2001年6月、The Cat Who Played Brahms )
- 猫は郵便配達をする(2002年1月、The Cat Who Played Post Office )
- 猫はシェイクスピアを知っている(1991年1月、The Cat Who Knew Shakespeare )
- 猫は糊をなめる(1991年9月、The Cat Who Sniffed Glue )
- 猫は床下にもぐる(1993年9月、The Cat Who Went Underground )
- 猫は幽霊と話す(1994年4月、The Cat Who Talked to Ghost )
- 猫はペントハウスに住む(1994年12月、The Cat Who Lived High )
- 猫は鳥を見つめる(1995年4月、The Cat Who Knew a Cardinal )
- 猫は山をも動かす(1995年11月、The Cat Who Moved a Mountain )
- 猫は留守番をする(1996年8月、The Cat Who Wasn't There )
- 猫はクロゼットに隠れる(1997年9月、The Cat Who Went into the Closet )
- 猫は島へ渡る(1997年12月、The Cat Who Came to Breakfast )
- 猫は汽笛を鳴らす(1998年8月、The Cat Who Blew the Whistle )
- 猫はチーズをねだる(1999年5月、The Cat Who Said Cheese )
- 猫は泥棒を追いかける(1999年12月、The Cat Who Tailed a Thief )
- 猫は鳥と歌う(2000年6月、The Cat Who Sang for the Birds )
- 猫は流れ星を見る(2002年6月、The Cat Who Saw Stars )
- 猫はコインを貯める(2002年12月、The Cat Who Robbed a Bank )
- 猫は火事場にかけつける(2003年6月、The Cat Who Smelled a Rat )
- 猫は川辺で首をかしげる(2004年2月、The Cat Who Went Up the Creek )
- 猫は銀幕にデビューする(2005年2月、The Cat Who Brought Down the House )
- 猫は七面鳥とおしゃべりする(2006年1月、The Cat Who Talked Turkey )
- 猫はバナナの皮をむく(2006年6月、The Cat Who Went Bananas )
- 猫は爆弾を落とす(2006年12月、The Cat Who Dropped a Bombshell )
- 猫はひげを自慢する(2007年6月、The Cat Who Had 60 Whiskers )