エウロパサウルス
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えうろぱさうるす
ジュラ紀後期のドイツに棲息した、ブラキオサウルス科の竜脚類の一属。ヨーロッパサウルスとも。
ドイツ北部のハルツ山地付近にあるランゲンベルグのジュラ紀後期の地層から化石が見つかり、2006年に発掘地と最初に発見したホルガー・リュトゥケに因んで「ホルガーのヨーロッパ産の爬虫類」を意味するエウロパサウルス・ホルゲリと命名された。
マクロナリア類のブラキオサウルス科に分類される竜脚類だが、そのサイズは他の竜脚類と比べると非常に小型であった。成体でも最大全長6.2メートル・体重1トン前後にしか成長せず、全長25メートル・体重30トンにもなる近縁種ブラキオサウルスと比べるとその大きさの差がよくわかる(専門家は、生きている個体を捕獲できた場合「動物園でインドゾウの畜舎を改造すれば充分飼える」と言っている)。
この恐竜が小型化した理由は、当時のヨーロッパの自然環境にあると考えられる。中生代のヨーロッパはテチス海という巨大な海に面しており、現在の日本列島やインドネシアなどの様に島々が点在していたと考えられている。その結果、地域によっては他の大陸同様に十分な棲息面積や食糧が存在するところもあれば(この時期の例として、スペインのトゥリアサウルスなど)、他の地域よりも小さな島で十分な食糧が存在しないところもあった。こうした島に進出した大型動物には、生存のために体を小型化するという島嶼矮化という現象がみられる。おそらくジュラ紀当時のドイツも小さな島であり、エウロパサウルスの祖先はそこで生き残るため小型化したのだろう。
島嶼矮化は後の時代のヨーロッパにもみられ、例として白亜紀後期のルーマニアに棲息したティタノサウルス類のマジャーロサウルスが挙げられる。
全長6.2メートルの成体から1.7メートル程の亜成体が7頭分まとまって見つかっており、群れで行動した可能性が示唆されている。
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