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概要

DDG-176「ちょうかい」は、海上自衛隊に所属するイージスシステム搭載ミサイル護衛艦こんごう型護衛艦の4番艦として就役したイージス艦である。

艦名は山形県秋田県にまたがる鳥海山からきており、日本の艦艇名としては摩耶型砲艦、高雄型重巡洋艦の同名艦に続き3代目。

2024年9月現在での定係港は佐世保

沿革

中期防衛力整備計画に基づく平成5年度計画7200トン型護衛艦2316号艦として、石川島播磨重工業東京第1工場(以下石播東京。石播は現在のIHI)で1995年に起工し、1996年8月27日に進水、1998年3月20日に就役した。

就役直後は第4護衛隊群第64護衛隊に編入され、佐世保に配備された。また本艦は姉妹艦の中で唯一、イージスシステムがより新しいベースライン5であり、民生部品による低価格化、データリンクの機能向上等が進んでおり、またリンク16のアンテナを新造時より装備した。さらに、長銃身化して弾丸の初速を増し、かつ不審船などへの対水上射撃も可能になったMk.15 Block1BにCIWSを換装したのも、本艦が姉妹艦中最初である。

2004年11月26日、テロ対策特別措置法に基づき、インド洋に派遣された。2005年3月まで任務に従事し、同年5月9日帰国。2008年3月26日、護衛隊改編により第2護衛隊群第6護衛隊に編入、この年の11月には、自衛隊によるものとしてはこんごうに続き2度目のRIM-161スタンダード・ミサイル3(SM-3)による迎撃演習(JTFM-2)をハワイ・カウアイ島沖で行った。予め時刻を知らせられない条件下で太平洋ミサイル試射場から発射された標的ミサイルの捕捉とSM-3の発射・追尾はできたものの、弾頭の軌道姿勢制御装置の不具合により迎撃は失敗した。

その後、2011年には東日本大震災による津波で家ごと流された男性を救助している。

2014年10月24日に現在の第4護衛隊群第8護衛隊に異動となり、現在にいたる。

本艦は長らく環太平洋合同演習リムパックに、海自のイージス艦としてはあたご型護衛艦2番艦あしがら(こちらはドーンブリッツ2015に参加)ともども1度も参加したことがなかったが、2016年7~8月に実施されたリムパック2016に初めて参加した。相方は「ひゅうが」である。

なお、米国防総省が2024年12月19日に発表した各種装備の契約で、日本向けのトマホーク巡航ミサイルの明記が確認されており、また海上幕僚監部によると、本艦はこのトマホーク巡航ミサイルを日本艦として初めて搭載することになったという。これに伴いトマホーク対応化工事も進められる模様。

ちょうかいの姉妹艦「こんごう型護衛艦1番艦・こんごう

ちょうかいの姉妹艦「こんごう型護衛艦2番艦・きりしま

ちょうかいの姉妹艦「こんごう型護衛艦3番艦・みょうこう

最初で最後の「江戸っ子」イージス艦

海上自衛隊ミサイル護衛艦(DDG)は「あまつかぜ」から「みょうこう」まで一貫して三菱重工長崎造船所で建造されてきたが、IHI製の本艦は海自DDGとして初めて三菱長崎以外で建造された艦となった。

ところが本艦建造後、むらさめ型6番艦「さみだれ」、同8番艦「あけぼの」の両汎用護衛艦の建造を最後に2002年3月をもって石播東京が閉鎖される。その上、石川島播磨重工の造船部門が分社化→合併を経てジャパンマリンユナイテッド(JMU)となったこともあり、本艦は海自のイージス艦として最初で最後の石播東京製ともなっている。

後継艦であるあたご型護衛艦あたご」「あしがら」が他のこんごう型護衛艦と同じく三菱長崎で建造されたこともあり、海自DDGで三菱長崎以外で建造された艦は本艦のみだった。その後、まや型護衛艦まや」「はぐろ」はともにJMU横浜事業所磯子工場にて建造されており(このJMU磯子工場は石播東京が移転した姿)、これが三菱長崎以外で建造される海自DDGの2・3例目となる。

日本海軍時代からの通算では、2代目の重巡鳥海が逆に三菱長崎で建造されたが、日清・日露戦争の時代に存在した初代の砲艦鳥海はIHIの前身にあたる東京石川島造船所で建造された。

つまり本艦は2代目鳥海をはさんで、初代鳥海と同じIHI製に戻った、という見方もできる。

なお、亡き石播東京跡地には現在、複合商業施設・アーバンドックららぽーと豊洲が建っている。

継子ゆえの不遇?

また、継子、つまり(前述の「まや」進水まで)唯一の三菱重工以外で建造されたイージス艦であったせいか、プラキットがほかの「こんごう」型護衛艦ではハセガワ・ピットロードの2社からリリースされている一方で、「ちょうかい」のみハセガワ製しかリリースされておらず、さらに高雄型で唯一改装がされなかった2代目鳥海も、やはり高雄型で唯一艦これ仕様のパッケージでリリースされていない(いずれも2016年9月1日現在)など、立体化に関しては何気に不当な扱いを受けがちである……。

「ちょうかい」のみの特徴

本艦には、ほかのこんごう型護衛艦にはない特徴が2つある。

  • 主砲であるオート・メラーラ127mm速射砲は、ほかの海自艦同様に、停泊中などにはキャップがはめられるが、そのキャップの先端部には海自のマークである「桜とイカリ」が記されている。これは本艦の就役時から続くものだが、この型の速射砲に海自マークつきのキャップを使用するのは「ちょうかい」のみで、ほかのこんごう型3隻や、同型の速射砲を装備しているたかなみ型護衛艦の速射砲のキャップにはない。
  • また、本艦はほかのこんごう型3隻とは異なり、艦尾部に軽質油缶を装備していない。

余談

  • 自衛隊観艦式に2000年・2006年・2012年・2015年と、実に4度参加しており、海自のイージス艦としては最多。
  • 2014年4月に行われた「第2回護衛艦カレーナンバー1グランプリinよこすか」で2位(優勝は第2潜水隊群)となる健闘を見せたが、この際ふるまわれたカレーは、全参加艦唯一のシーフードカレーである。
  • 蛇足だが「鳥海」~「ちょうかい」は3代続けて4隻姉妹で、2代目が三女(末妹説もある)、当代が末妹だが、摩耶型砲艦の初代では次女で、こちらでは摩耶-鳥海-愛宕-赤城という姉妹関係になる。

関連タグ

鳥海

こんごう型護衛艦 IHI

あたご型護衛艦

まや型護衛艦

こんごう-あしがら:いずれも「ちょうかい」と同じ佐世保基地を定係港としているイージス艦で、「こんごう」は海自イージス艦最古参、「あしがら」は同最新鋭艦。

あまぎりむらさめ-さみだれ-あけぼの石播東京組:「あまぎり」はあさぎり型護衛艦、以下3隻が新むらさめ型護衛艦。「ちょうかい」と同じ石播東京製で当代は「むらさめ」「あけぼの」が4代目、「あまぎり」「さみだれ」が2代目。「あまぎり」「あけぼの」は「ちょうかい」と同じく佐世保基地を定係港にしている。

すずつき:第8護衛隊の同僚で、新あきづき型護衛艦の3番艦。

はるさめ:やはり佐世保基地を定係港に持つ新むらさめ型護衛艦の2番艦。

たかなみ:汎用護衛艦で横須賀基地を定係港に持つ3代目「たかなみ」は、本艦「ちょうかい」が第6護衛隊に所属していた時代の同僚。

鳥海(艦隊これくしょん)艦これ本編においても、自身のキャラ紹介画面で、「鳥海の名は、現在、海自のイージス護衛艦、その4番艦に受け継がれています」と明記されている。

日本海軍

鳥海(重巡洋艦) - 愛宕(重巡洋艦) - 摩耶(重巡洋艦):初代(砲艦)の摩耶・鳥海・愛宕についてもこれらの記事を参照。

赤城(空母) / 高雄(重巡洋艦)

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