EPSON PCシリーズとは、セイコーエプソンがかつて販売していた、NEC PC-9800シリーズの互換機である。
商品名としては、「PC-286」「PC-386」「PC-486」「PC-586」として売られていた。
1986年に、すでに日本のビジネスパソコンのトップシェアを誇っていたPC-9800シリーズの互換機開発を開始、1987年から1995年までにかけて販売された。
本家であるPC-9800シリーズに対してコストパフォーマンスに優れた機種を投入したことや、本家にはない互換性を持たせたままハイレゾモード(高解像度モード)を搭載した機種、デスクトップおよびノートでパーツ交換によって簡単にアップグレードできる機種を投入することで、パソコン市場で一定のシェアを獲得した。
日本のビジネスパソコン市場において、すでにホビーパソコンでもトップシェアを獲得したNECが、PC-9800シリーズによるトップシェアを手にしつつあった。
これに対して、ソフトウェア資産も豊富な同シリーズの互換機開発を行うメーカーがいくつもあったが、セイコーエプソンのその一社であった。
同社は海外向けにAT互換機を販売していたが、日本での成功を目標にPC-9800シリーズ互換機にも着手した。
1987年元日にティザー広告を新聞に掲載し、3月に発表(この日付においてはかなりの錯綜があった)、4月に「PC-286 model1~4」を発売する予定だった。
しかし、NECが上記モデルのBIOSを解析した結果、PC-9800シリーズ用のBIOSとBASIC ROMに類似点が多い理由で、著作権の侵害を理由に販売差し止めの訴訟を起こした。
エプソンは係争によるイメージダウンを忌避し、問題となるモデルの販売を中止、代わりにBASIC ROMの非搭載と完全新設計で作られたBIOSを組み込んだ「PC-286 model 0」を開発、発売に至った。
NECとは同年11月に和解している。
1987年当時、まだまだMS-DOSを使ったアプリケーションが少なく、BASIC ROMを使用したものが多かったこともあって、当初の販売は不振であったものの、1987年9月に独自に開発した互換BASIC ROMを発売、その後5インチFDモデルのPC-286Vと3.5インチFDモデルのPC-286Uに搭載されることで、ようやく軌道に乗り始める。
同年11月には、ラップトップ機としてPC-286Lを発売、まだ本家NECがPC-9800シリーズとの完全互換のあるラップトップパソコンをリリースしていない状況で、PC-9800VM互換の機種を投入することに成功した。
1989年には、PC-286NOTEを発売した。ノートパソコンとしては世界で最初に発表されたが、発売においては東芝のDynabookに遅れてしまった。しかし、日本における「ノートパソコン」の呼称を定着させた最初の機種となった。
1991年に日本語版Windows 3.0が登場すると、その機能の良さから日本でも注目され、エプソンもそれに対応できるよう、PC-486GRを発売した。この機種では、CPUだけでなく、グラフィックアクセラレーター用のローカルバスを搭載することで、Windowsに対応できるよう簡単にアップグレードできる構造を搭載した。
その後もノートパソコンにも液晶モニターを交換できるアップグレードコンセプトが組み込まれ、パソコンの買い替えを行わずともそのまま性能アップができるようになった。
しかし、Widows 3.1の発売に前後して、NECがコストパフォーマンスを改善したPC-9821シリーズを投入、さらにWindows 95では、ハードウェアによる日本語処理によって優位を誇っていたPC-9800シリーズのメリットがなくなることから、1995年6月に最後の機種を販売、アップグレード対応として自社独自のWindows 95を発売して撤退した。
その後、店頭販売向けのAT互換機を発売していたが、すでに通販専門のエプソンダイレクトが一定の利益を手にしていたこともあって、パソコンの販売チャネルを統一した。
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最終更新:2024/12/23(月) 15:00
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