岳南鉄道とは (ガクナンテツドウとは) [単語記事]

岳南鉄道［がくなんてつどう］とは、静岡県富士市内に路線を有する、富士急行グループの鉄道会社である。同社鉄道路線の運転実務を担う法人（子会社、富士急行本社からは孫会社）である岳南電車［がくなんでんしゃ］についても述べる。

概要

富士市内を走る岳南鉄道線・1路線を運行している。制服社員は富士急行のものを（徽章類まで）そっくりそのまま着用していたりする職階があるなど、親会社の一事業部的色彩が強い。

現在は旅客輸送のみであるが、2012年 3月16日までは沿線にある製紙会社への貨物輸送も行っていた。また、過去にはバス事業も行っていたが、親会社の地域分離会社である「富士急静岡バス」に譲渡し撤退。

採算性その他を勘案し、2013年 4月1日から運転実務は子会社の「岳南電車株式会社」に移管のうえ、管理・運営にあたっている。

岳南電車、富士市、NEC、ヒラテ技研の四者の協力で「ローカル鉄道と連携したスマートシティ構築の可能性に関する調査」を行っていた。内容は市内の工場からの排熱つかった発電を行い、その電力を岳南電車の電力自営線を経由して近隣へ配電するというもの。データを集め事業化可能かどうかを検討していた。

それを受けて2017年 7月7日、東京電力エナジーパートナーら４社と市が協定。鉄吉原本町駅～比奈駅間沿線にある大規模製紙工場の自家発電の余剰電力、排熱を利用したコージェネレーションからの給電を岳鉄軌道敷に自前の送電線を敷設して供給することとなる。

東海道本線と接続する吉原から、旧吉原市の中心地で、旧東海道の吉原宿のあった吉原本町・岳南鉄道本社事務所のある本吉原・製紙工場があり、かつて貨物列車が発着していた岳南原田・比奈を経て、終着駅である岳南江尾までの9.2kmの路線を有している。

全旅客列車が、吉原～岳南江尾間の全区間通し運転である（定期ダイヤでは途中始発・折り返し便の設定はないが、現有車両の方向幕には途中折り返し可能な駅のコマも収容されている）。

最末期の貨物列車運転は、吉原～比奈間の運行で、吉原でJR線と相互に引き渡し・受け入れをしていた。

※吉原駅の貨物取り扱いが終了したことにより、2012年 3月16日に貨物列車の運行は惜しまれながら廃止された。

蛇足であるが「工場萌え」属性を持つ人にとっての同社線は、製紙工場の裏手を縫うように走るため、たまらなく魅力的な路線らしい。