小数とは、実数の表し方の一種である。
「0より大きく1より小さい数」という概念そのものは遥か昔から存在したが、初めはそれを分数のみで表現していたものと思われる。一方で、
(10分の1)×a + (100分の1)×b + (1000分の1)×c + ...
と、「10分の1ずつ細かくした基準を作っておき、それらがいくつずつ存在するか」で表現する方法が編み出された。これが小数であり、上記の例は現代では「0.abc...」のように書かれることになる。
中国では「分」(10分の1)・「厘」(100分の1)のように1より小さい数について10分の1ごとに名前が付けられており、数値の表現ということでは古くから現代の十進法小数に近い考えであったといえる。
メソポタミア地域では、1より大きい数の記述に六十進法を用いていたこともあり、小数についても六十進法(すなわち、細かくする基準も60分の1単位)が使われた。例えば「[11] . [45][14]」のような六十進法の三桁で、11 + (60分の1)×45 + (602分の1)×14 (= 42134/3600) を表していた。
ヨーロッパにおいては、一部で六十進法の小数を利用する例はあったが、16世紀になってやっと十進法の小数が計算しやすいこともあり広がっていった。17世紀に入った頃には現代のようなかたちで小数が記述されるようになる。
小数には0.72や33.4のような、小数部が有限桁となる有限小数と、0.4545...(5/11の小数表記) や3.14159...(πの小数表記) のように何処までいっても止まらない無限小数がある。無限小数のうち前者のように同じ規則で数字が並ぶものを循環小数、それ以外を非循環小数と呼んで区別することもある。また、自然数や有限小数も循環していると見なせる (例:1 = 1.000… = 0.999…) ので、循環小数に含むこともある。
有理数は小数表記すると(有限小数も含めた)循環小数となり、無理数は非循環小数となる。実数が有理数であるか否かは、小数が循環するか否かで考えることもできる。
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最終更新:2025/03/11(火) 19:00
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