全ての素数の積とは、数学の問題である。2014年にツイッターなどで広まった。
議論の発端は、コロプラが提供するクイズゲーム『魔法使いと黒猫のウィズ』で次のクイズが出題されたことである。
「全ての素数をかけた時にできる数は、偶数、奇数のうちどちらか?」
1.奇数
2.偶数
3.どちらの場合もある
4.どちらでもない
ゲーム側が正解に設定していたのは「2.偶数」だった。しかし、数学的にそれは正しくないと反論する者が現れた。主に「2.偶数」と「4.どちらでもない」で意見が割れたが、その他の選択肢が正しいという主張もあらわれた。
それぞれの解答の大まかな論拠を並べる。
いずれも一見すると尤もな解答である。あるいは詭弁と感じるが何がマズいのか直感だけでは説明できない。
この記事の読者は上記解答のどのような点が、なぜ、どのように誤りであるか、あるいはなぜ正しいと言えるのか、指摘できるだろうか。さらに上記とは異なる論理を考えることができるだろうか。
「4.偶数でも奇数でもない」が正解である。一番強力な論拠は、
全ての素数の積を自然数Nとすると、N+1は自身以外のいかなる素数で割っても1あまる数となるので、定義からN+1は新しい素数となる。しかし、既に全ての素数を漏れ無く列挙してあるという仮定からスタートしているため、矛盾となる。
背理法からNは自然数ではないので、仮に何かに収束したとしてもそれは奇数の集合にも偶数の偶数の集合にも含まれない。
である。この回答は現代数学で確定した正解であり、高校数学までの知識でも容易に導ける。
前述した解析接続はあくまで「テイラー展開表示をしてある複素関数は係数次第で定義域が限定されてしまうが、展開の中心を変更することで関数の定義域を広め、元の関数を含むより定義域の広い関数へ解析的に接続する作業」であり、その副産物として発散するような数列であっても形式的に特定の実数と対応付けることができる、というものである。「解析接続は全ての素数の積を実数4π2に収束させる技術」というわけではないので、論拠としては不適切であろう。
ゲーム側が設定した「2.偶数」が正答となる問題は下記などが考えられる。
これらの問題文であれば無限大に発散することなく積を定義できる。当然、その中に「2」が含まれていれば間違いなく偶数である。
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最終更新:2025/01/11(土) 18:00
最終更新:2025/01/11(土) 17:00
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