ダルイゼンとは (ダルイゼンとは) [単語記事]

担当声優の田村睦心は『スマイルプリキュア！』伝説のカオス回第35話（ハッピーロボ）の冒頭アニメ『鉄人戦士ロボッター』の主人公タケル役で出て以来の出演となった。

概要

敵組織ビョーゲンズの幹部の一人である少年なのだが、名前が示すようにいつもクールでけだるそうにしているのが特徴。その容姿と田村少年の低音ボイスも相まって、一部から早々に「越前病魔」とか言われたりもしていた。誰が上手いこと言えと。いやその呼び方の元ネタの中の人は3作前に似たようなポジションで出てましたけどね。

そんなダルイゼンではあるが、首領キングビョーゲンの命を受けて地球を蝕みにかかるわけだが、斜に構えた性格ゆえ、プリキュア達にそれを妨害されても気にすることがない。もちろん周囲に被害が拡大しようともそれをなんとも思わない性格でもあるため、その冷酷さを非難されても平然としたままである。

しかしそんな彼の前に立ちはだかるプリキュア達。中でもキュアグレースこと花寺のどかの、懸命に戦い自分に真っ向からぶつかろうとする様を見て興味を示すようになる。とはいえ、彼ものどかの口癖である「生きてるって感じ」をのどかとは逆の意味合い、不快感を示す意味で口にすることがあるが。

こうした状況から、一部の大きいお友達からは定番の主人公 vs敵の少年というシチュエーションを連想し「ダルのど」というカップリングであれこれ妄想するようになっていったりもした。まあのどか役の悠木碧を始めとして出演女性声優陣も「ダル様」と呼んでキャーキャー言ってたりするわけではあるが。

しかしダルイゼンとのどかにはある重大な関係性が秘められていたのである。

ダルイゼンとのどかの「運命」

「キャン！キャン！！（ここからは『ヒーリングっど♥プリキュア』の核心に迫る重大なネタバレが書かれているラテ！）」
「できたら先に作品を見てから読み進めて欲しいラビ！」

本題に入る前に、ビョーゲンズがどのようにして地球を蝕んでいるか、そして如何に進化・成長してきたか整理したい。
キングビョーゲンの命を受けてダルイゼン達テラビョーゲンと言われる幹部達は生命活動を感じた先で細かな病原体ナノビョーゲンをばらまく。そして地球上のあらゆる物質に存在する精霊であるエレメントさんに感染させ進化させることで怪物化、メガビョーゲンへと変貌し暴れ、様々なものを蝕んでいく。
メガビョーゲンの活動が長ければ長いほど地球が蝕まれていくとともに、プリキュアでは浄化できないほどにメガビョーゲンの成長が進んでいき、時には自立歩行が可能な「種」を吐き出すことがある。この「種」は地球に生きる生物を「宿主」として取り憑き、そのまま寄生することになる。寄生した「種」は病原体として長い時間をかけて成長・進化し、その後「宿主」から分離、人に似た姿と知性を得たテラビョーゲンとして誕生することになる。この時実際のウイルスのように「宿主」の遺伝子情報などをコピーしているらしく、例えばバテテモーダならヌートリア、ネブソックなら小鳥の容姿や性格を得ている。
これとは別にメガビョーゲンは「種」とは別に自身の欠片であるメガパーツを生み出すことがあり、このメガパーツを使うことで他のメガビョーゲンを強化させる、あるいは宿主に埋め込むことで直接テラビョーゲンを生み出すことも可能となっている。

さて、ダルイゼンではあるが、キュアグレースに興味を示すとともに、ある疑問がよぎっていた。それは「自分がどのような宿主から生まれたのか」ということ。そのことを問われたシンドイーネも「んなの覚えてるわけないじゃない」とあっさり。そんなことを思いつつも「どうやったら強いメガビョーゲンを生み出せるのか」とメガパーツを手に出て行く。そんなおり偶然にもグレースとばったり出会うことに。そこでダルイゼンはある「実験」を思いつく。そう、彼が行ったのはグレースの腹部にメガパーツを打ち込み、宿主として使って育てることだった。

メガパーツが埋め込まれ、そのまま苦しみながら変身が解除され昏倒してしまうのどか。仲間たちに救われ、両親の車で運ばれ緊急入院することになったのだが、その症状はかつてのどかが患っていた、原因不明の病気と同じだった。だが、ラビリンからの呼びかけ、仲間たちからの励まし、そして自身の気力と頑張りでその状況を何とか克服する。……のだが、のどかから出て行った赤い影。それを追うと居合わせたダルイゼンを含めた一同は驚く事になる。新たなテラビョーゲンの少年ケダリーが誕生したのである。

プリキュア達は変身してケダリーを浄化する。一方ダルイゼンはこの光景から全てのことを思い出し、去る前にグレースに言い放った。

「思い出したよ。オレを育てたのはキュアグレース、お前だよ」

のどかがまだ幼いときのこと。ある日のどかに「種」が取り憑いたことで彼女は原因不明の不治の病となり、療養生活を余儀なくされた。のどかを「宿主」とした病原体は彼女の成長に応じて、彼女を蝕みながら成長していく。そして年月が経ったある日、キングビョーゲンの号令を受ける形でのどかから離れ、そして今のダルイゼンの姿として現れることになった。ダルイゼンが離れたのどかは病状が回復することになる。全てはここが起点だったのである。
作品開始当初から、「幼い頃は病弱で、成長して医師になった」という宝生永夢（『仮面ライダーエグゼイド』）との類似点が指摘され、時には「宝生永夢ゥ！」ならぬ「花寺のどかァ！」と一部ではネタにされていたのだが、まさしく永夢におけるバグスターウイルスが、のどかにおけるビョーゲンズとして顕在化したと言っていい。

思わぬ形で自分の病気の原因、そしてダルイゼンとの因縁を知ることになったのどか。「宿主として生み出した以上、自分で何とかしないと」と想う。一方のダルイゼンもシンドイーネが自らメガパーツを取り込んで進化し、人間を直接感染させてギガビョーゲンを生み出せるようになり、この成果を見たキングビョーゲンからの命令を受けてグアイワルに続いて進化する。しかしながら利己的な考えのダルイゼンと利他的な信念を持つのどか、互いの想いは真っ向から対立する。はたしてこれからのプリキュアとビョーゲンズとの、中でものとかとダルイゼンとの戦いと宿命の果ては。