12世紀末から13世紀初頭にかけてモンゴル高原(以後、高原と明記)において氏族であるジャダラン氏の長を勤めていた人物(資料によっては『ジャムハ』とする場合もある)。同じモンゴル部でボルジギン氏族のテムジン(後のチンギス・ハン)とはアンダ(盟友)の仲であったが、テムジンの牧畜を盗もうとした親族(元朝秘史では弟と明記)がテムジンの隷属配下の者に射殺される事件が起こり両者の仲は犬猿の物と化していった。
テムジンと仲たがいしたジャムカはタイチウト氏などの諸勢力を取り込み多大な軍勢を率いて圧倒的な武力を持って戦った。資料によって勝敗が異なるがこの戦いはジャムカの勝利とする説が有力視されている。
戦いに勝ったジャムカであったが戦後処理で捕虜にした将70数名を釜茹でにするという辛辣な対応をしており、それに引いてしまったタイチウト以外のジャムカ側の氏族は次第にテムジン側になびくようになったと言われている(但し、当時においてこのような処罰ではさして特別でもないので戦利品の分配でジャダラン氏と他の氏族がこじれたからとする説もある)。
緒戦をモノにするが先述したとおりジャダラン氏の勢力に陰りが見え始める。しかしここからがジャムカの本領発揮と言っていいかもしれない。
テムジンとの戦いでタイチウト族が滅んでしまい、後ろ盾がなくなったジャムカはケレイト部のオン・カンの息子であるイルカ・セングンと密会するようになる。テムジンを快く思っていなかったイルカ・セングンはジャムカと意気投合しテムジンの暗殺計画を実行に移すものの看破されてしまう。するとイルカ・セングンは父であるオン・カンにはっぱをかけてテムジンとの盟約を破らせる。
一時的にテムジンの勢力を退かせるのだが、勢力を盛り返したモンゴル部に打ち倒されてケレイト部は滅亡してしまった。
それでも尚しぶとく反モンゴルを貫いたジャムカは高原西部の最有力部族であるナイマン部の長であるタヤン・カンに共にテムジンと戦うように突き動かす。モンゴル部の勢力拡大を恐れたタヤン・カンは利害の一致もあってそれを承諾した。
しかし、帰来の臆病者であったタヤン・カンは相手をよく知るジャムカの話を聞くたびに戦意を消失し判断ミスを犯して大敗してしまった。タヤン・カン自身も戦闘で負傷し、それが元で死亡してしまうこととなる。
余談であるがタヤン・カンは16世紀にモンゴル部の勢力を隆盛させたダヤン・ハーン(バト・モンケ)と名前が似ているので注意。
ジャムカはさらに高原の北部を支配するメルキト族に逃げ込み、そこでも協力を取り付けるが既にケレイトやナイマンといった有数の部族を打ち倒し併合していったモンゴル部の敵ではなかった。
ついにジャムカはテムジンに捕らえられ処刑された。元朝秘史によると褒美を期待した自身の部下達に裏切られてテムジン側へ引き渡されたとされる(なおその不忠っぷりにブチ切れたテムジンによって裏切り者達は褒美どころかその場で全員斬首された)。
その処刑方法が「袋詰めにしてそれを馬で上から踏みつけて殺す」という物で『貴人のための処刑法』と言われている(当然ミンチよりひでえや)。処刑する際に流れ出る血で大地を汚さない為らしい。
なお、テムジンはジャムカに帰順を訴えたがジャムカが断固として断った為、止むを得ず処刑したと史料に書かれている。
テムジンに負け続けたジャムカであったが、十三翼の戦いでの勝利や特別な血筋でないにもかかわらず伸し上がった事などから歴史家の評価は高く、今も尚テムジンのライバルとして語り継がれている。
コーエーから発売されている歴史戦略シミュレーションゲームにおいてテムジンのライバルにふさわしい形で登場することが多い。史実どおりに打ち倒すもよし、逆にテムジンを倒すプレイもよし。
元朝秘史 | 体力 | 政治 | 統率 | 戦闘 | 魅力 |
ステータス | 14 | B | B | B | B |
蒼き狼と白き牝鹿Ⅳ | 政治 | 戦闘 | 智謀 | 歩兵 | 弓兵 | 馬兵 | 海戦 | 技能 |
ステータス | 72 | 83 | 93 | A | B | A | E |
いわゆる反町版チンギス。この作品でもジャムカはテムジンのライバルとして登場する。演者は平山佑介。
(以下、ネタバレ防止の為反転処理)
この作品ではジャムカはテムジンの第一婦人となるボルテの幼馴染という設定で登場する。テムジンとボルテを争う事となるがテムジンの弓の腕がジャムカより上回りボルテはテムジンの妻となるのである。
いわゆる浅野版チンギス。演者はスン=ホンレイ(孫紅雷)。情報求む。
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5 ななしのよっしん
2017/11/23(木) 16:09:42 ID: 3GQpLa+SGw
二年以上経って何言ってんだ……ってのを三年経って言うのもアレだな
6 ななしのよっしん
2018/09/21(金) 19:58:26 ID: nuzaED7yV4
チンギスハーンとジャムカの昔ながらの幼馴染でありながらライバルとか漫画みたいな展開だよな
7 ななしのよっしん
2020/05/08(金) 22:21:49 ID: mL6jAe8kJn
最近の研究だとジャムカには西遼(カラ・キタイ)の後ろ盾があって、ジャムカとチンギスの戦いは金朝と西遼の2大大国の代理戦争という1面があったことがわかってるらしいね
https://
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最終更新:2025/01/25(土) 09:00
最終更新:2025/01/25(土) 08:00
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