T-4とは、日本・航空自衛隊が運用する練習機である。
呼称として「てぃーよん」「てぃーふぉー」、非公式愛称として「ドルフィン」と呼ばれることがある。
概要
エンジンはIHI製のF3-IHI-30ターボファンエンジンを2基搭載。複座・後退翼という中等練習機としては極々スタンダードなスタイルをもつ(アルファジェット、BAeホークも同様)。スタイルはアルファジェットそっくりで、開発当時もパチモン扱いをされていた。
外部装備は翼下のパイロンに増槽(燃料タンク)、トラベルポッド(パイロットのお土産手荷物運搬用)、曳航標的、集塵ポッドなどを装備できる。
開発と配備
航空自衛隊における戦闘機パイロットの養成では、プロペラ機による初等教育のあと、T-1、T-33Aを経てT-2による高等訓練を行う形になっていた。このT-1とT-33で行っていた操縦教育を1機種でこなせる機体として、川崎重工でT-4が開発された。
サイズやエンジン、開発における難易度を考えると国産開発するのが妥当な練習機であるため、国産を決定。各企業からの提案を受けて川崎重工案を採用。1985年にはもう初飛行という異例のスピード開発がおこなわれた(まぁ、後のOH-1にもあることだが、多分にメーカー内部で予め技術検証など事前開発がおこなわれていたから出来た芸当である。なにやら1960年末からもう事前開発がおこなわれていたという)。
原型機は1985年に初飛行、2003年までに212機が納入された。[1]
部隊配備は1988年からスタートした。教育隊及び全国各地の航空隊に連絡機として配備されたほか、三代目ブルーインパルスの機体として若干の改造を施された機体が配備された。
機体の特徴(XT-4)[2]
※あくまでもXT-4についてのものであり量産機とは一部異なる可能性がある。
機体寸法などは→http://www.mod.go.jp/asdf/equipment/renshuuki/T-4/
- 機体強度:+7.33G -3G
- 機体寿命:7500飛行時間を目標に設計
- エンジン:石川島播磨重工のXF3-30エンジン✕2
- 燃料搭載量:機体内600gal(主翼下に120galのドロップタンク2本搭載可能)
- 操縦系統:油圧
- 機上酸素発生装置(OBOGS)搭載…エンジンからの抽気を吸着剤に通して得られた酸素をパイロットに供給する。これにより液体酸素の補給が不要になる。
- 搭載品等:リング・レーザージャイロを使用したAHRS(姿勢方位基準装置。ハネウェル社製で日本航空電子がライセンス生産) 、HUD、UHF通信装置、TACAN航法装置、UHF-DF装置、SIF識別装置、機内交話装置
- 搭載している電子装置間の通信はデジタルデータバスで行われる。
- 機首にパネル発光編隊灯(ラミン・シーン・システム社製)
- ステンセルSIIIS-3ER射出座席(ダイセルのライセンス生産)…脱出時はキャノピーに貼られた紐状の火薬を爆発させてキャノピーを破砕してから射出する。
- 胴体下パイロンに7.62mmミニガンポッドを搭載可能
- 自重:3.7t / 設計最大離陸重量:7.5t
- 機体の操縦性・安定性はMIL-S8785 Class1に基づいて設計されている。また、アプローチ速度はT-3→T-4→T-2で直線となるように110~120kt(クリーン時)に設定されている。
- 失速速度:90kt前後
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関連項目
脚注
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