SHARP
Be Original.
本社:大阪府堺市堺区 大阪府大阪市阿倍野区(一部区画は第二創業の地として保存)
東証1部 6753
大証1部・名証・福証・札証 6753(上場廃止)
SHARPヒストリー
1912年に発明家早川徳次が東京にて兄と創業した金属加工業「早川兄弟社」が祖でベルトのバックルが初商品となり、3年後に現在の社名の由来であるシャープペンシル、正式な商品はエバー・レディー・シャープ・ペンシルを発明し、これを売り出して成功を収めた。
(過去に数度かプラチナ萬年筆が0.5mm芯用の疑似形状商品を復刻販売しているが、復刻版は繰り出し式ではないので正確には復刻とは言いがたい)
しかし、1923年の関東大震災で工場を失い廃業。シャープペンシルの特許を売り払い、大阪に新会社「早川金属工業研究所」を設立する。
1925年に発売した日本初の鉱石ラジオをきっかけにラジオメーカーとして事業を拡大、1942年に早川電機工業へと社名変更。
戦後は一時経営危機に陥るが、1962年には日本初の電子レンジ、1969年には世界初のLSI式電卓を開発するなど、技術力を活かして多角化を図り成長を続けた。
1970年に現社名に変更後も、液晶や太陽電池をはじめ様々な分野で独創的な製品を作り続けている。
2010年1月より20年間親しまれたスローガンを企業姿勢を鮮明にするために新たなものに変更した。
早かった電機と液晶のシャープ
元々謎の発想力と超体育会系気質で一風変わった商品と手がけ、企画から商品発売まで最短数ヶ月とどこぞのアイリスオーヤマのようなスピード勝負で時代に追いつけない商品を世に次々と送り出していたために、ついたあだ名は「早かった電機」[ソース][ソース]「ソース」、「早まった電機」。
発売後しばらくすると商品に搭載されたガジェット機能は便利な機能として浸透していった。
(対語として松下電器産業、現パナソニックの「マネシタ電器」[ソース]がある。どこからか仕入れてきた他社新商品開発情報を元に故障が起こりえる場所を改良し、商品性能を向上させて他社が発表を行ったしばらく後に販売するイナゴのような商売をしていたため。同義語に自ら「高級なおもちゃ屋」[ソース]と自称し、「モルモット」と冷笑されるソニーがある。)
数年以上は先を行くガジェット機能てんこ盛りを短期間で送り出していたため、商品故障率はかなり高かったが、馬鹿な子ほどかわいいという謎の中毒患者に支えられ、質はよいが今ひとつメジャーになれなかった三洋電機と共と業績の最下位争いを行っていた。
(両者とも今の感覚だと理解に苦しむ珍妙な商品を製造販売していた点では共通項があるが、三洋電機は業務用洗濯機と業務用ガス式大型乾燥機、シャープは現在も販売中であるが業務用大出力電子レンジという鉄板商品を持っていた)
が、三種の神器(電気冷蔵庫・電気洗濯機・白黒テレビ)、及び、新三種の神器(通称3C、カラーテレビ、クーラー、自家用車)のうち、日本初のテレビ受像機の試作に成功するも、テレビ製造に使用するブラウン管の量産化に失敗し、三菱電機、東芝よりブラウン管を全数購入していたことによる劣等感が「新世代表示装置」への情熱へと走らせ、液晶のシャープと呼ばれるもととなった。(詳細は「電子立国日本の自叙伝」等に譲る。)
ちなみに、太陽電池については電池、及び、蓄電池にry と同じパターンをたどる。が、電卓戦争の際にこれが大きなアドバンテージになった。
なお、『国内の他者に液晶パネルを売ればあんなことにはならなかったのに』という意見については、
1.TV・パソコン用パネル生産歩留まり率は60~70%(おおよそ10枚中6枚程度しか最終組み立て工程に出せないが、最終出荷前検査でさらに良品率が下がる)と低すぎて自社使用分の生産だけで精一杯で他社製造分までまかなえる余裕はなかった。
2.(同業他社を含む)基本給与の少なかった社員が直接技術資料情報を週末に関西国際空港経由で持ち出して売り飛ばした。
3.ロケット佐々木(佐々木正)が多方面で色々やらかした。
といった点が大きい。
特に1.以外については更なる法令整備が必要と思われる。
経営危機・外国資本の傘下へ
事実上の同族経営(二代目社長の娘婿や、知り合いの息子など)でテニスとスキーができることが出世条件であったり、大阪大学閥と京都大学閥で大きく争うなどダメなところは色々とあったが、液晶テレビに妄執する経営陣が風呂敷を広げすぎたことにより、経営の柱であった液晶パネル価格の暴落などによって経営が悪化していたため、リストラや工場の売却、他企業との提携、さらには本社の建物の売却など(ニトリへの売却が決定している)経営再建を進めているが、2015年11月には自社製品の購入を社員に対して促す「シャープ製品愛用運動」という自爆営業まがいの運動まで開始したりするなど危機的な状況になっていた。
メインバンクの東京三菱UFJ銀行(元三和銀行、現三菱UFJ銀行)、サブバンクのみずほコーポレート銀行(現みずほ銀行、元富士銀行)に再三経営再建策提示を求められるも甘い見通しを提出して幾度となく再提出を求められたあげく、投げ出されるに至り、2016年2月には台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業から7000億円規模の出資を受け再建に乗り出す方針であることが報道され、 同じく過度の債務超過にて経営危機に陥っていた東芝のと合併を行う方向にて産業革新機構と再建の議論もなされていた。が、東芝のメインバンクである三井住友銀行にも東芝共々花畑が過ぎると投げ出された。
一部報道によれば、シャープ社員的には自社にて製造を行っていない部品の主な購買先である日立製作所に拾って欲しかったらしい。
2016年2月25日、シャープは世界に通用する日本メーカーブランドが欲しかった鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下になることで合意したと正式に発表した。
……が、シャープが偶発債務で総額約3500億円が発覚し、これによって鴻海(ホンハイ)精密工業は買収をしばらく見合わせると発表した。
その後、鴻海精密工業側が出資額を2000億円減らすと提示するなど駆け引きが繰り広げられていたが、2016年3月30日、シャープは鴻海精密工業による買収を正式に決定したと発表した。そして2016年4月2日には買収契約に調印、これによって日本の大手電機メーカーとして初めて外資系の傘下になる企業となった(あと結局、当初の出資額から1000億円減らすこととなった)。
買収以後
台湾企業の傘下となった後もまだ一応は日本国内のメーカーとして扱われている。
2015~2016年に2000億円以上の赤字を出したシャープだったが、買収以降は鴻海の巨大なサプライチェーンにより部品の調達単価を下げ、今や最大のTV消費国である中国でブランドとして展開していくことによりV字回復を図り、2018年には約700億円の最終利益となり4年ぶりの黒字転換を果たした。 [1] [2]
2020年2月、日本国内のメーカーでは初となる5G対応スマートフォン「AQUOS R5G」を発表した。 [3] [4]
AQUOSブランドの一つとして展開しているスマートフォンは鴻海傘下になった後に出したミドルレンジのAQUOS senceシリーズの展開が非常に好調で、2018年に長らくAndroidシェアでは国内首位だったXperiaを上回って日本のメーカーの首位に立ち、2019年以降はファーウェイに貿易摩擦のゴタゴタがあったとはいえ国内首位も奪取。ただし利益率の高いハイエンド機やフラグシップ機に関しては評判・評価・売上で依然としてXperiaを下回るなど万全とは言えず、上述する5Gスマホとともに低調な売上となっており、総合的には予断を許さない状況が続いている。
また、新型コロナウイルス感染拡大に伴うマスク不足解消のために、シャープは2020年4月21日 10:00より個人向けECサイトにてマスク販売(50枚入り2,980円)を開始を行ったが、購入希望者が殺到したため販売サーバーが即時ダウン、その余波で同一サーバーにて制御を行っていたネットワークコントロール家電製品の操作ができなくなるというシャープらしい事故が発生した。
第一次販売にて落選した購入希望者に対しては、第二次販売において自動的に優先登録を行った。
なお、このマスクを生産している工場は三重県での液晶パネル生産工場が生産過剰となり、事実上休止していたものを利用している。
この新型コロナウイルス感染拡大に伴う自宅等にて労働を行なうテレワーク等を見越した液晶パネルの世界よ再びという過剰生産再開及び、シャープが鴻海精密工業に売りに出される原因となった堺ディスプレイプロダクトの株式買い戻し構想によりまたも大幅な赤字に転落、株主総会がまたも荒れるという伝統芸を披露し、一部のウォッチャーを楽しませた。
そして2024年5月、販路拡大の失敗、円安という事態が重なり、液晶パネルを生産していた日本国内工場を停止すると発表。事実上、日本国内の液晶パネル生産事業はすべて撤退することとなった。
事業
スマートホーム | 携帯電話機、電子辞書、電卓、電話機、ネットワーク制御ユニット、冷蔵庫、過熱水蒸気オーブン、電子レンジ、小型調理機器、エアコン、洗濯機、掃除機、空気清浄機、扇風機、除湿機、加湿機、電気暖房機器、プラズマクラスターイオン発生機、理美容機器、太陽電池、蓄電池、パソコン等 |
スマートビジネスソリューション | デジタル複合機、インフォメーションディスプレイ、POSシステム機器、電子レジスタ、業務プロジェクター、各種オプション・消耗品、各種ソフトウェア等 |
IoTエレクトロデバイス | カメラモジュール、カメラモジュール製造設備、センサモジュール、近接センサ、埃センサ、ウエハファウンドリ、CMOS・CCDセンサ、半導体レーザー、車載カメラ、FA機器、洗浄機等 |
アドバンスディスプレイシステム | 液晶カラーテレビ、ブルーレイディスクレコーダー、オーディオ、ディスプレイモジュール等 |
関連動画
関連静画
関連項目
関連ブランド・製品 |
企業 |
脚注
- *「シャープV字回復」が証明する「ホンハイ」と「経産省」の実力差--大西康之 (ハフィントンポスト日本語版 2018年04月23日 16時17分 JST)
- *鴻海傘下シャープが誰も予想しなかった「高速黒字化」を実現した理由 (ダイヤモンド・オンライン 2019.6.22 5:00)
- *シャープの5Gスマホ「AQUOS R5G」登場 8Kワイドカメラや6.5型Pro IGZO搭載 (ITMedia Mobile 2020年02月17日 10時30分)
- *シャープが国内初の5Gスマホを発表 - YouTube (テレ東NEWS 2020/02/17)
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