概要
商用車を中心にピックアップやSUVをラインナップに据えている。創立は1901年と非常に古く、マックス・グラボウスキー(Max Grabowsky)によって設立された。当初はラピッド・モーター・ビークル・カンパニーと言う社名であったが、1909年に当時のGMによって買収され、「ゼネラルモーターズ・カンパニー・トラック」となり、さらにGMCとなった。以降、GMの商用車部門として現在に至る。
シボレーと概ね似たラインナップであるが、ピックアップを中心に顔つきが異なっており、乗用車と小型の商用車のラインナップが存在しない。またいすゞ・エルフのOEM版のラインナップが存在しないなど、細かい違いがみられる。またピックアップやSUVに関してはシボレーの同じモデルにないものとして「デナリ」と付くハイグレードモデルがある。顔つきから内装に至るまで手を加えられており、シボレーのようなカジュアルな感じでありながらも、キャデラックほどの仰々しさもないのが特徴である。但し、すべてのモデルに存在するわけではない。
かつてはバス・救急車・大型トラック・軍用車両などをラインナップに据えていたが撤退、もしくは他社へ移管した。
日本でのGMC
GMCのモデルは日本に正規輸入こそされていないが、並行輸入で入ってくる事が多い。また、日本でも有形無形の影響を与えたものがあった。
第二次世界大戦後、進駐軍払い下げのGMC2.5tトラックは自衛隊に納入された他にバス車体を架装されて、ボンネットバスとして各地で活躍する事になった。その後、本格的にバス車両が製造されてくると、当時のトレンドの最先端を行っていたアメリカ製を参考にする事が多くなってきた。とりわけ富士重工初のモノコックバスはGMCのトランジットバスをまんま参考にしたとされる。その後、新型トランジットバス(いわゆるニュールック)で見られた前方窓の下部拡大は日本のバス車体全体に広がり、「GMを参考にした」と明記した事業者がある。
1990年代になって起こったアストロブームではGMC版であるサファリも多く輸入された。正規輸入されているのはアストロのみなのでサファリは並行輸入と言う事になる。但し、顔面スワップでGMCサファリ顔に整形していたケースもある。
現在のラインナップ
- キャニオン
ミッドサイズのピックアップでシボレーではコロラドを名乗る。ミッドサイズと言えど、全長約5.3m・全幅約1.9m程度あり、日本ではかなりの大きさである。2.8リッターのディーゼルエンジンと2.5リッター直列4気筒&3.6リッターV6エンジンのガソリンの計3種類がラインナップされている。なお、このモデルには高級仕様のデナリはラインナップされていない。 - シエラ
フルサイズピックアップ。シボレーではシルバラードを名乗る。全長は5.8m~6.5m、全幅は2mと非常に大きなサイズとなっている。積載量やけん引可能な重量によって、3種類モデルがある。1500が最軽量のモデルで2500、3500と続く。特に3500はリアがダブルタイヤとなり、3トン程度の積載量となっている。エンジンは1500には5.3リッターと6.2リッターのV8ガソリンエンジン、2500と3500にはデュラマックスと言われる6.6リッターV8ディーゼルエンジンと6リッターのガソリンエンジンがラインナップされている。ダンプなど重架装用にキャブシャーシがラインナップされている。 - テレイン
ミッドサイズのクロスオーバーSUVでシボレーではエキノックスと名乗る。FFベースで4.7m程度の大きさである。 - アカディア
フルサイズのクロスオーバーSUVでシボレーではトラバースを名乗る。5m近い全長を誇り、これまたFFベースとなっている。 - ユーコン
フルサイズのSUVである。シボレーではタホ/サバーバンを名乗る。シエラと兄弟車であり、またエンジンも伝統のV8を搭載する。ロングホイールベースの場合はXLが付与される。 - サバナ
フルサイズのバンであり、シボレーではエクスプレスを名乗る。かつてこの下にはサファリがあったが、廃止となっており、現在ではこのモデルだけである。V8エンジン+はしご型シャーシという伝統的な構造であるが、モデルの廃止がささやかれている。バス用途等の架装用モデルとしてキャタウェイ仕様がラインナップされている。ご先祖さまは「特攻野郎Aチーム」のあのバン。
かつてのラインナップ
- サイクロン/タイフーン
サイクロンは仮面ライダーの乗るバイクミッドサイズのピックアップでベースはソノマである。4.3リッターV6エンジンにターボを取りつけ、コルベットのギアボックスと4WDを組み合わせた。軽量な車体に280psという当時としては規格外なこの車はゼロヨン13秒と韋駄天ぶりからテスタロッサキラーという二つ名をもつ。サイクロンのつづりは本来は「Cyclone」であるが、あえてインパクトを出す為に「Syclone」とした。そしてベース車を兄弟車のSUV「ジミー」に変更したのがタイフーンである。 - キャバレロ
セダンベースのピックアップ。シボレーではエルカミーノを名乗った。所謂クーペユーティリティで、エルカミーノは数を見るが、キャバレロとなると非常に数は少ない。車体から違いを見出す事は出来ない。乗用車ベースのGMCはおそらくキャバレロ程度と思われる。 - フォワード
中型~大型トラックでいすゞ・フォワードのキャブとエンジンを使用。シャーシはフォワードの物を使用しておらず、またホイールも規格が違うので同じく使用していない。ホイールは大型用でありながら、キャブが中型用だったので車の上にちょこんとキャブが文字通り乗っかっている印象に見えてしまう。 - RTS
大型の路線バスでトランジットバスの後継である。これまでのバスと異なり車体をモジュール化する事で長短を自在に変える事が出来た。 - シーニクルーザー
アメリカの長距離バス「グレイハウンド社」向けに製造されたバスで登場した1950年代としては一歩も二歩も先を行く豪華装備でアメリカ長距離バスの黄金期を飾った。このバスの設計をオマージュした車両は日本の各メーカー登場させていた。
名称について
GMCは「GM」が名称の中に入っている唯一のブランドである(この他はかつてリースでのみラインナップされた電気自動車の「GM・EV1」しかない)
ただ、このGMCと言う名称については「General Motors Company truck」「General Motors Commercial」等の様にとゼネラルモーターズからとったものとする説や創設者である「Grabowsky Motor Company」から取ったものとされる説があるが、いずれの説も憶測の域を出ないとされ、どちらも正解であろうとも思われる。
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関連項目
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