Core i5とは、intel社のCPUブランドであり、同じ世代のブランドであるCore i3よりも上位でCore i7よりも下位の位置づけにあたる。
概要
Core i5はCore2 DuoとCore2 Quadの後継にあたり、64bitと32bitのx86命令が実行可能である。
2011年1月現在、Core i5はNehalem世代と、その後継のSandy Bridge世代の二つのアーキテクチャが発表されており、記事ではそれぞれの世代について述べていく。
Nehalem世代
Nehalem世代でのCore i5は、2009年9月に700番台の製品(コードネーム:Lynnfield)が販売され、その後2010年1月に600番台の製品(コードネーム:Clarkdale)が販売された。
700番台と600番台のそれぞれの型番では、CPUソケットはLGA1156でTurbo Boost(可変クロック機能、以下TB)が実装されているという共通点がある。その一方で、Core i5の型番ごとに実装されている機能の違いも存在している他に、最上位CPUであるCore i7よりもTurbo Boost機能のクロック増加率も低く設定されているという特徴がある。
型番の違いについて詳しく触れると、Core i5の700番台と600番台とではGPUの内蔵や物理コアの数、またHyper-Threading Technology(以下、HTT)の有無や他の拡張機能(VT-d,AESなど)の有無などの違いが存在する。
デスクトップ向けPC用CPUの型番ごとの機能の違いは以下の表の通り。(参考までにCore i7とCore i3も記載)
型番 | 開発コードネーム | CPUソケット | 物理コア数 (スレッド数) |
HTT | TB | GPU内蔵 | その他拡張機能(※1) | |||
VT-x | VT-d | TXT | AES | |||||||
i7 900番台 | Bloomfield | LGA1366 | 4(8) | ○ | ○ | × | ○ | × | × | × |
Gulftown | LGA1366 | 6(12) | ○ | ○ | × | ○ | × | × | ○ | |
i7 800番台 | Lynnfield | LGA1156 | 4(8) | ○ | ○ | × | ○ | ○ (※2) |
○ (※2) |
× |
i5 700番台 | Lynnfield | LGA1156 | 4(4) | × | ○ | × | ○ | × | ○ | × |
i5 600番台 | Clarkdale | LGA1156 | 2(4) | ○ | ○ | ○ | ○ | △ (※3) |
△ (※3) |
○ |
i3 500番台 | Clarkdale | LGA1156 | 2(4) | ○ | × | ○ | × | × | × | × |
※1:拡張機能についての主な説明は以下の通り。(AES以外は仮想マシンの支援機能と考えても差し支えない。)
- VT-x:仮想マシンが行なってきた処理をCPU上で実現することにより高速化が可能。
- VT-d:I/O機能の仮想化をハードウェアで実現可能。
- TXT:Trusted Exectution Technologyの略。対応チップと組み合わせることで、OSの信頼性向上が可能。
- AES:AES-NI機能。AES暗号の暗号化と復号がCPU上で可能となり、AES暗号の高速処理が実現可能。
※2:例外として、Core i7-875Kのみ拡張機能の使用不可
※3:Core i5-661とCore i5-655Kは拡張機能の使用不可
Sandy Bridge世代
Sandy Bridge世代のCore i5は2011年1月5日にその概要が発表され、1月9日に販売が解禁された。(2011年第4四半期(10~12月)から、Core i7 900の後継CPU用のLGA2011ソケット用のCPUの販売が解禁される予定で、11月14日にCore i7 3900番台のCPUの販売が解禁された。)
Sandy Bridge世代では型番による違いも殆どなくなり、全てのCPUにGPUが実装され、物理コアとGPUとが一つのレイアウトへ統合されることとなった。(Nehalem世代では物理コアとGPUは分割されて搭載されていた。余談になるが、LGA2011ソケット用のCPUにはGPUの実装はない。)
また、CPU上の物理コア数も一部の例外を除き4つへ統一されることとなったが、その代わりにHTT機能が無くなることとなったことでスレッド数も4つのままとなっている。また、CPUソケットもNehalem世代のLGA1156から新たにLGA1155へ変更となった。
デスクトップ向けCPUの型番ごとの大まかな機能の違いは以下の表の通り。(ここでも参考の為に、Core i7とCore i3のも記載。)
型番 | 開発コードネーム | CPUソケット | 物理コア数 (スレッド数) |
HTT | TB | GPU内蔵 | その他拡張機能 | |||
VT-x | VT-d | TXT | AES | |||||||
i7 3900番台 | Sandy Bridge-E | LGA2011 | 6(12) | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ |
i7 3800番台 | Sandy Bridge-E | LGA2011 | 4(8) | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × | ○ |
i7 2700番台 (※5) |
Sandy Bridge | LGA1155 | 4(8) | ○ | ○ | HD3000 | ○ | × | × | ○ |
i7 2600番台 | Sandy Bridge | LGA1155 | 4(8) | ○ | ○ | HD2000 (※4) |
○ | △ (※3) |
△ (※3) |
○ |
i5 2500番台 | Sandy Bridge | LGA1155 | 4(4) | × | ○ | HD2000 (※4) |
○ | △ (※3) |
△ (※3) |
○ |
i5 2400番台 | Sandy Bridge | LGA1155 | 4(4) | × | ○ | HD2000 | ○ | ○ | ○ | ○ |
i5 2300番台 | Sandy Bridge | LGA1155 | 4(4) (※1) |
× (※1) |
○ | HD2000 | ○ | × (※2) |
× (※2) |
○ |
i3 2100番台 | Sandy Bridge | LGA1155 | 2(4) | ○ | × | HD2000 | ○ | × | × | × |
※1:例外として、物理コア数が2つでHTT機能によりスレッド数が4つのCore i5-2390Tが存在
※2:例外として、Core i5-2390TはVT-dとTXTを使用可能
※3:オーバークロック向けの製品(例:Core i5 2500K、Core i7 2600K)は使用不可
※4:オーバークロック向けの製品にはHD3000を内蔵
※5:オーバークロック向けの製品である2700Kのみ存在
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関連項目
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