AIM-120 AMRAAMとは、アメリカで開発された空対空ミサイルである。
概要[1]
アメリカはAIM-7の後継となる中距離ミサイルの選定を1975年に開始、その結果レイセオン社によって開発された。ミサイルの全長はAIM-7とほぼ同じだが、AIM-120のほうが細身で軽い(発射重量157kg)。
AIM-7はセミアクティブ・レーダー・ホーミングを使用しており、ミサイルを発射してから目標に命中するまで発射母機が目標へレーダーを照射し続ける必要があった。当然発射母機は機動を制限され、ミサイルが命中するまで回避行動も取れない。
これに対してAIM-120ではミサイル自身がアクティブ・レーダー・シーカーを内蔵している。発射時の目標指向と中間誘導(飛翔コースの更新命令をミサイルに送信する)は発射母機に依存するが、終末段階では自身のレーダーに切り替わるので、発射母機は回避行動に移れる。
中間誘導での命令を受信するアンテナはミサイルの後部にある。飛翔コースの更新命令は発射母機のレーダーだけでなく、このミサイルのフォーマットの送信機能を持つすべての航空機から送信することができる。したがって、AEWが探知した目標の情報を空中待機している戦闘機にデータリンクで伝え、戦闘機が目標位置をAIM-120に入力して発射、発射されたミサイルの中間誘導をAEWが行なう、という運用も可能。この場合ミサイルを発射した戦闘機はレーダーを一切使用しないのでレーダー波を逆探知されて自機の位置を敵に暴露するというリスクを負わない。
最大射程は対進目標の場合50km以上、退向目標の場合約10km、最小発射射程は2km。
その他
AIM-120Bの場合は、目標との距離が12nm(22.2km)以内であれば、発射時からミサイル自身のアクティブ・ホーミングで誘導される。[2]
航空自衛隊では、過去にAIM-120を少数購入し試験・訓練を行なったことがある。2014年にはAIM-120C7と付属品、サポート等をFMSで日本に輸出する案件が承認されている。[3]
関連動画
関連項目
脚注
- *「週刊 ワールド・エアクラフト」No.92 2001年7月 デアゴスティーニ
- *「BVR Beyond Visual Range」石川潤一 航空ファン2007年7月号
- *https://flyteam.jp/news/article/44199
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