年が明けると2025年を迎え、2020年代も折り返し地点。20年代前半はコロナ禍の影響がありながらも、多くの富裕層が株価や不動産価格の上昇といった恩恵を受けました。一方で、不安定な国際情勢などを背景に、経済の先行きは不透明さが増しています。情報感度の高い富裕層は、今どんなことに注目しているのでしょうか。前編に続く今回は、20年代後半の「変化のキーワード」について解説します。(アレース・ファミリーオフィス代表取締役 江幡吉昭)
米国インフレの見通しに変化
大人気の米国株の今後は?
それでは、これからの5年、2030年くらいまでの間に注目しておくべきポイントについて整理してみましょう。金融機関の営業マンの言いなりにならない、機を見るに敏な人たちは、何を考えているのでしょうか。
12月18日、年内最後の米FOMC(連邦公開市場委員会)が行われました。そこでの彼らの長期見通しは非常に興味深いものでした。
2027年までの米国の成長率の下落を予想。インフレも当初の見通しより長期化し、そして利下げのペースも穏やかになると発表しました。新聞などでは大きく報道されていませんが、米経済の成長を鈍化させることでインフレを止めるという判断だと思います。「インフレとの戦いは短期的には終わらない」と言っていいでしょう。
以前も言及しましたが(詳細は『富裕層がひそかに狙う「次のオルカン」の意外な投資先【マネー専門家が解説】』参照)、暴落するかどうかは別として、投資のテーマとして人気を集めてきた米国株は少し落ち着くといえるかもしれません。NYダウ平均株価の10日連続下落を始め、米株価指数はいったんのピークを付けています。
トランプ次期大統領次第ではありますが、今後5年も米国株が右肩上がりの状況になるのか否かは今まで以上に注視しなければなりません。
タンス預金は完全にオワコン!
暗号資産やデジタル通貨がより普及していく
2024年は渋沢栄一の新一万円札をはじめ、紙幣が刷新されましたが、私は「現物の紙幣は今回で終了」ではないかとひそかに思っています。