「この子は将来、演者になるかも」菅田将暉の父が驚いた、「福山雅治ライブ」を見た後の息子のひと言Photo:SANKEI

最近は弟たちの活躍も話題になっている俳優、菅田将暉。多彩な才能を持つ息子3人を育てた菅田将暉の父、菅生新は、息子の幼少期をどのように見ていたのか――。独特の感性を持っていたという菅田将暉の幼少期を父親目線で語る。トップ俳優として君臨する菅生家の長男は、いかにして〈菅田将暉〉になったのか……!?※本稿は、菅生 新『スゴー家の人々~自叙伝的 子育て奮戦記~』(トランスワールドジャパン)の一部を抜粋・編集したものです。

幼い頃の長男に感じた
「菅田将暉」になる可能性

 私は最近知り合った人、なかでも若い父親の方からちょくちょく「どうしたら菅田将暉クンのような好青年に育つのですか。育てかたを教えてくださいよ」と冗談とも本気ともつかぬ顔で質問されることがあります。「育てかた」と言ってしまうと、本人にも所属事務所にも怒られそうです。しかし私は、大将(編集部注/菅田将暉の本名)には昔からユニークなところがあるのをずっと見てきました。

 そういう意味で、今の菅田将暉のように演者になる予感があったのです。

 私は仕事であちこち飛び回っていたので、家庭での躾や学業は、妻に任せっきりでした。

 それでも、時間をつくっては息子たちと一緒に遊びに行ったし、私が主催している勉強会やイベントにも連れて行きました。セミナーの受付や資料配りをさせたりもしました。私は25年以上、大阪と東京で経営者の勉強会を主催しています。多い時は60人以上が参加します。息子たちは3人とも、主催者である私をなかなか上手に助け、愛想よく出席者の世話を焼いてくれました。

 私は父の仕事場を見せることは、子どもたちにとって大変重要なことだと考えました。社交性も身につくし、留守中に私が外で何をしているのか、どのように自分たちの生活費を稼いでいるのかが、よくわかるからです。

 そうして息子たちと接していると、子どもの視点というのはなかなか面白いものだなと感心します。

 ある日、大将を車の後部座席に乗せて走っていると、「お父さんって凄いなあ。あちこちにお父さんの看板があるよ」と言い出しました。

 私は大阪ではラジオ番組を持っていますが、街中に看板があるというほど顔が売れているわけではありません。いったい、この子は何を言っているのだろうかと思いましたが、よく聞いてみると、「がんこ寿司」の看板の顔が私そっくりだというわけです。言われてみれば、確かに似ているかもしれません。このことは先日も本人が、オールナイトニッポンでも話していました。

福山雅治目線でライブを
楽しんでいた大将

 そんなことがあってから私は子どもたちを、以前にも増してよく観察するようになりました。大将の人間観察眼は幼い頃からとてもユニークで、面白いなあと思いました。

 この子は、もしかすると少し変わった道を進むようになるかもしれない……。そう思わせるようなことがいくつもありました。

 大将が中学に入学した春のことです。