「単調でつまらない」「成長感を得られない」
営業職に対して、このような印象を持っているビジネスパーソンが少なくありません。おそらく、こうした誤解や勘違いが「営業から早く脱出したい」という思いを生み、営業職を不人気にさせているのでしょう。
しかし一方で、営業職として長いキャリア積み、その経験によって自分の仕事に誇りを持つ先輩達がたくさんいるのも事実です。
なぜ、同じ営業職にもかかわらず、人によってこのようなギャップが生まれてしまっているのでしょうか。今回は、「営業」の職業観に対するギャップについて考えてみたいと思います。
“クライアント訪問”と偽り転職活動も
「営業はつまらない」という若手の本音
「営業の仕事にやりがいを感じていますので、営業部に配属されたら精一杯頑張ります!」
こう元気に応えているのは、中途採用の面接中のDさん(25歳)。新卒でネット広告会社に入社し、営業部に配属。新規開拓のための電話がけ、ときには「この地域の担当です」と飛び込み営業もこなしてきました。ちなみに営業部での成績は中の上くらい。自分で開拓したクライアントも増え、仕事も順調にまわるようになってきました。
ただ、Dさんとしては
「仕事がキツイから営業が嫌なわけではありません。ただ、もっと創造的な仕事がしたいんです」
と、感じている様子。決められた商品・サービスを淡々と案内して、納品するだけの単調な仕事や、上司との会話は売上に関する話だけというつまらない日々に辟易してしまったようです。
そこで、営業以外の仕事ができるようにと転職を決意。中途採用の面接でも、
「今後のキャリアを考えると、制作かプロモーションの仕事を経験したいです」
と、本音をしっかりアピールしました。
まだ、内定は出ませんが営業職から脱出するべく、数社の広告代理店やマスコミ各社に応募。“クライアントへの訪問”と偽った面接の予定がスケジュールにたくさん入っています。
Dさんに営業職から脱出したい理由をさらに訊ねてみると、
「先輩社員の仕事ぶりを眺めていると、自分の将来が暗く感じて仕方ない。営業って本当に単調でつまらない仕事ですね」
と、わずか数年で営業職を見切ったかのような発言。
さて、「営業職はつまらない」はイマドキの社員が総じて感じていることなのでしょうか。