こんにちは、編集部・雪です。
「紙もの文具&玩具のつくり方」特集の『デザインのひきだし36』、入手された方々がSNSなどで「筆記適性にこだわった紙ノート」の表紙色(全20色のなかから1色が付録)や、組み立て消しゴム(全13種類のなかから1つが付録)にどれが入っていたー!と報告してくださっているのを、うれしく拝見する日々です。
さて今日は、そんな『ひきだし36』のなかから、連載記事のひとつについてご紹介。
「もじモジ探偵団」は、人気画家ヒグチユウコさんが描く探偵アイアイと助手のネコくんが、街などで見かけた気になる文字を調査する連載。だれがどんなふうにつくっている文字なのか、どんなところで使われているのか? など、調査結果をレポートしています。
第10回を迎えた今回のテーマは「テレビ美術の文字」。
掲載している作例のひとつ。江戸時代のお店のメニュー時代劇やドラマに登場する看板や手紙などの描き文字の数々について、テレビ美術のプロ集団「伊佐梅」さんを訪ねて、TBS緑山スタジオに行ってきました。
同社は、テレビドラマや映画、CMなどに登場する描き文字や小道具の制作を一手に引き受けています。現在はTBS、テレビ朝日、NHKの3局に出張所を置いているのだとか。本誌記事では、いろいろな描き文字の作例や、制作実演の様子をご紹介。くわしくはぜひ本誌の記事をご覧いただきたいのですが、ここでは、誌面に載せきれなかった描き文字以外の実演をご紹介します!
①提灯への家紋の「刷り込み」
時代劇ではよく提灯が登場しますよね。家紋や文字の入った提灯が必要な場合は、無地の提灯に描き込むのですが、何本もの骨が入って凸凹した表面に描くのは、むずかしいもの。下描きもなかなかうまくいきません。そこで「刷り込み」という手法を使うのだそうです。
「刷り込み」とは、入れたい絵柄や文字を切り抜いた型(この場合は紙)を貼って、アタリを入れていくこと。ステンシルのような感じですね。まず下の写真のように型を貼り……
短い刷毛に絵の具をつけてポンポンとたたきながら、アタリを入れていきます。
ある程度アタリを入れたら、今度は筆でそれをなぞっていきます。
(写真は実演のため、アタリ入れの途中で墨入れをしていただいています)
出来上がり!