作中の描写にも在りますが、ほむらの能力の時間操作を通常火力兵器と並行して使用しています。具体的には弾道が極至近距離になる様に時間操作したり、爆発兵器が敵の懐に設置できるように時間停止したりしています。ここから推察できるのは、通常兵器を安全な距離から発砲や投擲しても、魔女に対して有効打撃を与えられない可能性が在るという事です。何百人で一斉に攻撃しても当たらなければ意味が無いのです。ほむらの能力で他人の時間が止まってしまう事は、攻撃の機会を逸する訳ですし、ほむらに触れていれば時間遡行の制限を受けないとしても無駄な労力になりそうです。
魔法少女が独自に行動するのも作中の描写から意味が在る様に思われます。マミとまどか&さやか、杏子とまどか、の組み合わせで魔女に気付かれて使い魔に襲われています。1〜2名でも普通の人間の気配は魔女の領域内ではあっさりバレる様です。魔女に気付かれれば使い魔が大挙して襲ってきますし、領域を操作されてエンドレスな迷路に陥れられる危険性もあります。また、使い魔との無用の戦闘を強いられるよりは、直接に魔女の至近に近づいて、可能ならば騙し討ちを仕掛けた方が無傷で済みそうですし、大人数の人間で押し掛ければ、最悪、魔女に逃走されて苦労も水の泡です。
なぜそうしなかったのか?については、人間の武装勢力に頼む描写も無く、推測も検討の描写すらも在りません。仮に魔法少女の様な超常の存在になってしまったとして、それをカミングアウトする事は果たして有効でしょうか?カミングアウトする事で武装勢力の協力を得られるかもしれません。しかし、逆に、好奇の目で見られ阻害されたり、捕獲されて研究対象として隔離されたり、最悪の場合は迫害されて人間から襲撃され命を奪われるかもしれません。そうなったら普通の生活などは一切不可能ですし、住む処を追われ、魔女退治すらままならず、ソウルジェムは汚れ放題で魔女化一直線です。
スーパーマンやスパイダーマン、国際救助隊の様に身許を隠匿するのは、自身の安全を確保する為ですし、身許不明の方が目的である活動に都合が良いからです。
逆にカミングアウトせざるを得なかったX-メンチームやザンボット3の神ファミリーが、一般人から苛烈な差別と迫害を受けた事はフィクションであっても悲劇です。
異形の存在に対する人間の偏見は半端じゃありませんし、ダンバインに至っては人間なのに核攻撃すら受けています。