生物の数は食料によって制限されます。
これがピラミッドの上に行くほど少子になる理由です。「制限している」ではなく、食料という物理的なものによって「制限されている」のです。
本来は数より重量で考えるべきですが・・。
たとえば1次生産者の量が100としましょう。この場合、それを食料とする生物は100以上にはなれません。食べるものが無くて餓死しますので。実際にはすべてを食料にすることも不可能ですのでもっと少ない数しか生きていけません。では1次生産者を食う捕食者1が50生き残るものとしましょう。残りは餓死します。
で、50残った1次捕食者を食う2次捕食者は25生き残るとしましょう。また減りましたね。こうやって食物連鎖の場合、食う対象より少ない量しか”絶対に”生き残ることはできないため、ピラミッドは上に行くほど小さくなるのです。
で、そうした現実にあわせて生物は進化します。
たとえば多産の肉食動物がいたとしましょう。多産した子供を育てるには大量の獲物がいりますが、その確保は容易ではありません。ピラミッドの上に位置するほどエサも少ないからです。実際には獲物が足りずに親子共々共倒れします。そのため、そうした生物はさっさと淘汰されて死滅し、現実に育てることのできる少数の子供を産む動物が生き残ります。
一方で1次生産者をエサにする生き物は、大量のエサがありますので大量の子供を生む方が有利になります。捕食者に食われるぶんもありますから、とにかくたくさん生む方が生存率が上がり、そうした生き物がより有利に生き残った結果生態系下位の生き物は多産なのです。
つまり物理的な食料の制限と、それによってもたらされた進化の結果ということになります。
本来は人間もこの制限に入っていたのですが、緑の革命以降それを抜け出してしまったため、感覚的に理解しにくくなっているのですね。
人口減少する要因はどんどん減っています。感染症による死亡者など、昔とは比較にならないほど少数です。同性愛なんかは動物にもよく見られる行動です。
少子化については社会的要因が大きいと言われています。
途上国では子供の死亡率が高いため多くの子供を産む必要があり、さらにたくさんの子供のうち成功するものが出てれば自分の老後も安泰。社会保障システムが無いも同然の国では血族とくに子供達による保障を考えねばなりません。
ところが先進国は社会保障システムが発達しているため、老後もそれなりになんとかなります。結婚や子供といったものに対する依存度や要求が減少しているわけですね。
ただ、生物は過密になると繁殖力が低下するといった傾向もあるので、なんらかの生物学的要因もあるのかもしれません。