まあ今の時代だとほぼ「記念品」のようなものですから、もったいないと言えばもったいないですね。 結婚指輪や豪華な披露宴とかもですけど、意義はあっても王侯貴族でもあるまいし、全部あんな派手とか高価なものである必要はないと感じる人も多いでしょう。 ただ、成人に合わせて振袖を着るのは、それが人生の大切な節目であるからです。 冠婚葬祭という言葉がありますよね。 成人を祝う式は「冠」にあたります。個人の行事の中でもこれらは正礼装で執り行われるものですから、成人を祝う式も「晴れ着」である振袖が相応しいです。 大人になったので、ここぞというときに着るための「晴れ着」を作っておくという意味合いもあったでしょう。「大学生になったら喪服作っとかなきゃね」みたいな感じで、時期が決まっている成人に合わせてお金を準備していってあつらえるのが合理的なわけ。 50歳の私が20歳の頃は、振袖は成人式のものだけでなく、結納に着たり、結婚式出席に着用したり。挙式の後を披露宴ではなく食事会形式にした友人は、その食事会で振袖を着ていました。お正月にも着ました。私より上の世代だと年明けの初出勤は正月のご挨拶にあたるという考えからか、振袖を着て出社という会社もありました。（今でも大発会に振袖の方おられますね） 実は私、市役所の成人式には意味を見出せなくて出席しませんでした。振袖着て氏神様にお参りに行ってご挨拶をし、そのあと同級生たちと食事会をしました。そういう使い方でもいいんですよ。 今は着物の喪服をあつらえる人がほとんどおらず、晴れ着としての振袖も廃れつつありますが、お祭り着としてのコスプレみたいな振袖だけ残ってるから不思議ですね。でも成人式に振袖を着ること自体は、不思議なことではないのです。 だから、私には娘がいないんですけど、いたら成人式には自分の振袖を着るように勧めたでしょうね。 ちなみに「スーツ」は礼装として格の低いものです。あれは、ホワイトカラーの仕事着。でも男性の礼服も廃れ気味ですね。