橋下徹氏の中居擁護論、実は「メディア批判の代わり」に第三者委員会を叩いただけでは? ── 元政治家で弁護士の橋下徹さんが、フジテレビの中居正広さんに関する第三者委員会の報告書を巡って「断罪するな」と強く批判していましたが、あれって冷静に考えると、ほとんど筋が通ってないと思いませんか? たしかに「女性の主張だけで男性が犯罪者にされるのは危険だ」とか「不同意性交罪は同意がなかっただけでは成立しない」という指摘自体は正しいです。でも、今回の第三者委員会は別に刑事罰を与えたわけでも、断罪したわけでもありません。あくまでWHOの定義に基づいて「企業のガバナンス上、性暴力とされうる行為があった」と事実認定しただけです。それなのに橋下さんは、まるで刑事裁判で有罪になったかのような勢いで、「断罪された」「弁明の機会がない」と言い続けている。それって論点ズレてますよね? しかも橋下さんは「WHO基準は断罪するためのものじゃない」と強調していましたが、それは当然ですし、そもそも断罪したのは第三者委員会ではなく、過激に煽った一部メディアと、それに流された世論です。まるで「世間の断罪ムードは第三者委員会のせい」とでも言いたげな論調ですが、これは完全に責任のすり替えです。だったら橋下さんこそ、堂々とメディアの過剰報道を批判すべきだったのでは? さらにおかしいのは、「第三者委員会が中居氏の行為を評価すること自体が間違いだ」と主張していた点です。でも、それって企業調査の基本をまるで無視していますよね?委員会は日弁連ガイドラインに沿って「不祥事の背景・原因・企業対応の適否」を調べているわけで、行為の内容を評価せずにどうやって企業の管理体制をチェックできるんでしょうか。ここを否定したら、もう第三者委員会という仕組みそのものが成り立ちません。 しかも、橋下さんは「証拠を開示していないから防御権が侵害された」とも言っていましたが、これも制度上明確に誤りです。第三者委員会には「証拠開示の裁量権」があり、プライバシーや協力者保護の観点から非公開にできるルールが最初からあるんです。開示義務がないと分かっていて、それでも「隠された!不公平だ!」と怒るのは、そもそも仕組みを理解していないか、わざと誤解させようとしているかのどちらかです。 そして極めつけは、「本件は性暴力に当たらない」と断言しておきながら、根拠は「自分が聞いた限り」だとか「自分が知っている限り」というぼんやりした発言ばかり。そんな匂わせを5回以上も繰り返して、具体的な情報は出さない。それで「事実認定は間違っている」と断言されても、説得力があるとは思えませんよね? 私が思うに、橋下さんが本当に言いたかったのは「メディアや世間が中居さんを必要以上に叩いているのはおかしい」ということだったんだと思います。でも、橋下さんはテレビに出て報酬を得ている立場上、直接メディア批判ができない。だから「メディアの影響で損をしているのに、それを引き金にした第三者委員会を悪者に見立てて叩いた」ようにしか見えません。 橋下さんの影響力は絶大です。でも、今回ばかりはその発信が“論理の皮をかぶった感情論”であり、誰もが冷静に見ればその矛盾に気づく内容だったと思います。皆さんはどう思いますか?やはりこれは第三者委員会の問題ではなく、メディアの報道の仕方や、橋下さん自身の立ち回りの問題なのではないでしょうか?