「フレーミング効果」活用術|実例20個と対策12個

フレーミング効果とは、同じ内容でも「言い方」や「見せ方」によって人の判断や行動が変わってしまう心理現象のことです。本記事では、日常例から、ビジネスや教育での具体的な活用・失敗事例を豊富に紹介します。

また、歴史的背景や有名な研究者の取り組みを踏まえ、なぜその効果が起きるのかを詳しく解説。さらに、個人・組織で取り組める対策・克服法もまとめ、フレーミング効果を正しく理解し、活かせるようにお伝えします。

 

フレーミング効果とは?

 

フレーミング効果:言い方ひとつで変わる

「同じ内容でも、言い方ひとつで気分が変わる」のがフレーミング効果。たとえば、ケーキが「太りにくい!」と書かれているか、「カロリーオフ」と書かれているかで印象が変わるようなものです。

 

フレーミング効果とは、同じ内容であっても、言い回しや表現方法を変えるだけで、人々の感じ方や判断、さらには行動までも左右してしまう心理現象のことです。

たとえば「100円値引き中!」と「今なら100円お得!」という表現は、金額的には同じはずですが、受け手の印象は微妙に異なり、そこに購買意欲の変化が現れます。これは行動経済学や認知心理学の世界でよく研究されています。

 

人間の脳は、情報をどのように提示されるか(フレーミング)によって、自分の選択を変えてしまうのです。

たとえ同じ数値やデータが提示されても、「○○が成功する確率は70%」と聞いたときと、「○○が失敗する確率は30%」と聞いたときでは、私たちはまったく別の印象を受けます。これがフレーミング効果の根幹です。

 

フレーミング効果:小学生でもわかる例

ここでは、フレーミング効果がイメージしやすいように、小学生が日常で体験するかもしれない例を挙げます。

 

おやつ「5個入り」表記 vs. 「今だけ+1個」表記

たとえば、小学生が大好きなお菓子を買うとき、「1袋に5個入り」と表記されている商品Aと、「4個入りだけど今だけ+1個」と書かれている商品Bがあったとします。実はどちらも合計5個入りですが、Bのほうが“おまけをもらえた”という特別感を与えるため、魅力的に感じる子も多いのです。同じ5個なのに、見せ方によって印象が違う。これがフレーミング効果です。

 

算数テスト「あと5点」vs.「もう95点」

次に、小学生のテストの点数を考えてみましょう。85点を取ったとき、「あと5点で満点なのに!」と思うと少し悔しいかもしれません。しかし、「もう95点も取れたんだ!」と考えると、同じ数字なのに誇らしい気持ちになります。このように「惜しい!」と考えるか「十分すごい!」と考えるかという捉え方の違いが、本人の気持ちややる気に大きく影響を与えます。

 

 

フレーミング効果:失敗しやすいシーン

フレーミング効果はとても便利な考え方ですが、人間の思考をゆがめ、重大な意思決定を誤らせるきっかけになることもあります。ここでは、ありがちな失敗シーンを3つ紹介します。

 

ゲーム課金の「今だけ◯%OFF」表示

スマホゲームなどで課金アイテムを売る際、「通常5000円⇒今だけ4000円!」というセール表示を見かけることが多いです。実際に4000円は安くないのですが、「1000円もお得!」と強調されると買ってしまう人が少なくありません。実はこのようなセールもフレーミング効果を利用しており、結果的に買いすぎによる後悔を招くことも。

 

選挙での「◯党は勝ちそうだから安心」

選挙の報道で「◯党が優勢」と聞くと、なんとなく自分もその政党に投票したほうが無難だと感じることがあるかもしれません。実際には、自分に合う政策をちゃんと見極める必要があるのに、“勝ち馬に乗りたい”という気持ちが高まって、判断を誤るケースがありえます。

 

投資商品の「元本保証」への過度な安心

投資信託や保険商品などで「元本保証」という言葉を聞くと、あたかも絶対に損をしないかのように捉える人もいます。しかし実際には、その分リターンが小さい場合が多く、手数料などによって結果的に損をする可能性も。こういった言葉の切り取り方はフレーミング効果の典型的な応用です。

 

フレーミング効果:歴史的背景と研究者の取り組み

フレーミング効果という概念は、

  • 1970年代から1980年代にかけて盛んに研究が進められました。
  • 特にアモス・トベルスキーとダニエル・カーネマン(2002年にノーベル経済学賞を受賞)の共同研究によって、
  • プロスペクト理論とともに広く知られるようになったのが代表的です。
  • 彼らの実験では、「ある病気の治療法で生存率が何%か」を聞くのと、「死亡率が何%か」を聞くのとでは、人々の選択が大きく変わることが示されました。

    例えば1981年、トベルスキーとカーネマンは、「600人が死亡する恐れのある病気」が広まったとき、2種類の治療プログラムをどう評価するかという有名な問題を提示しました。

    プログラムAは「200人が確実に助かる」と述べるパターンと、
    プログラムBは「3分の1の確率で全員が助かるが、3分の2の確率で誰も助からない」と述べるパターン。

    ここで、肯定的な言い回しと否定的な言い回しを使い分けると、人々が選ぶプログラムが顕著に変化することを実証しました。これにより、言葉の枠組み(フレーミング)こそが、人間の選択に大きな影響を与えると証明されたのです。

  • その後、行動経済学の分野でこの現象はさらに深掘りされ、多くの研究者がビジネスや金融、医療、政治など様々な場面での応用例を分析してきました。
  • 1980年代後半にはビジネススクールでも積極的に教えられ、マーケティングや広告戦略に取り入れる企業も増加。
  • 金融危機が起きるたびに投資家の心理が注目され、フレーミングの影響が再認識されてきました。

 

トベルスキー・カーネマンの実験詳細🔥

トベルスキーとカーネマン(1981)の実験では、同じ問題を「肯定的(ゲイン)フレーム」「否定的(ロス)フレーム」で提示すると、大まかに次のような結果が得られました。

 

肯定的(ゲイン)フレーム

  • プログラムA(「200人が確実に助かる」)を選んだ人:約 70~75ï¼…
  • プログラムB(「全員が助かる確率1/3/誰も助からない確率2/3」)を選んだ人:約 25~30ï¼…

 

否定的(ロス)フレーム

  • プログラムA(「400人が確実に死ぬ」)を選んだ人:約 20~25ï¼…
  • プログラムB(「誰も死なない確率1/3/全員が死ぬ確率2/3」)を選んだ人:約 75~80ï¼…

 

つまり、言い回しを変えただけで、多くの人が

  • 「確実に助かる」安全策(プログラムA)を好むか、
  • それとも「全員を助けられるかもしれない」リスキーな策(プログラムB)

を好むかが逆転してしまうのです。

 

これにより、同じ確率でも「◯人が助かる」という肯定的フレームと「◯人が死ぬ」という否定的フレームでは、大きく異なる意思決定が行われることが実証されました。

 

 

フレーミング効果の事例

ここからは、具体的なフレーミング効果の事例を紹介します。まずはビジネスでよく見られる応用例や失敗例を並べ、次に教育の現場と、その他の領域での事例を取り上げます。実際の企業名や商品名を挙げて、できるだけ具体的に解説します。

 

フレーミング効果:ビジネスの事例

ビジネスの場面では、消費者や顧客の心理を理解するうえで欠かせないのがフレーミング効果です。売り方や伝え方を変えることで、売上やイメージが大きく変わってきます。

 

ユニクロの「期間限定価格」戦略

ユニクロは、毎週のように「期間限定価格」や「今週のセール」などのキャンペーンを行っています。通常価格を提示したうえで「-500円」といった形で大きく表示し、あたかも特別に安くなっているという印象を与えます。事実、通常価格であっても安価な場合もあるのですが、フレーミング効果によって「急いで買わなきゃ」と思わせ、購入を促進させる戦略です。

 

マクドナルドの「セットメニュー」提示🔥

日本マクドナルドでは、ハンバーガーやポテト、ドリンクを単品で買うと高くつくイメージをもちやすいように、セットメニューを強調しています。たとえば、ハンバーガー単品とポテト単品を合わせて買うより、セットで購入したほうが「お得感がある」と感じさせる仕組みです。実際の価格差はそれほど大きくなくても、「セットなら〇円引き」というフレームによって多くの顧客がセットを選択します。

 

ソフトバンクの「おうち割 光セット」

ソフトバンクはスマートフォンと自宅の光回線をセットにすることで、月々の通信費が安くなると大きくアピールしています。「スマホと光を一緒に使えば○円お得!」というフレーミングを提示することで、実際には回線開通工事費などもかかるのに、あまりそれが目立たず「得した感じ」を与えるのが狙いです。

 

Amazonの「タイムセール祭り」🔥

Amazonが定期的に開催する「タイムセール祭り」や「プライムデー」では、商品価格が期間限定で下がっているように大きく表示されます。同じ商品でも普段から割引されている場合があるのに、この期間に合わせて「通常価格は〇円、今なら◯◯円引き!」と見せることで、購入意欲をかき立てています。これは比較というフレーミングを巧みに利用した例です。

 

花王の「○%洗浄力アップ」広告🔥

花王は洗剤やシャンプーなどで「従来比◯%アップ」というコピーをよく用いています。実際には何に対して何%アップなのかが曖昧でも、多くの消費者は「前より良くなった」と理解して購入を検討するのです。これもフレーミングの一種で、具体的な基準を提示しないまま「改善率」を強調することでポジティブな印象を与えています。

 

アサヒビールの「糖質オフ」缶デザイン🔥

アサヒビールは「スーパードライ」シリーズを展開する際、「糖質オフ」や「カロリーゼロ」を打ち出した派生商品で缶デザインを大きく変更しました。ラベルに「糖質〇%オフ」といった表記を目立たせ、たとえ糖質が数グラム減っただけでも大きな恩恵を受けられるように感じさせる工夫をしているのです。

 

トヨタの「ハイブリッド車で燃費◯◯km/L」

トヨタがハイブリッド車を宣伝する際、「燃費が◯◯km/L」という数値を前面に押し出します。実際の道路状況によって燃費は変動しますが、カタログ値という良い数字をフレームにすることで、ガソリン代が大幅に節約できそうな印象を与えるわけです。購入後の維持費イメージをポジティブにし、販売を促進するフレーミング効果が働いています。

 

Nintendo Switchの「家族で遊べる」訴求🔥

任天堂のゲーム機「Nintendo Switch」では、「家族みんなで楽しめる」というフレーミングを前面に出しました。「子供専用のゲーム機」ではなく、「リビングで家族が一緒に遊ぶ」という価値を強調することで、買ってもらいやすくなるという効果があります。実際、2017年の発売開始から数年で累計1億台以上を売り上げており、このフレーミング戦略が功を奏した事例と言えます。

 

フレーミング効果:教育の事例

続いて、学校教育や学習塾などの場面で活用されている、あるいは失敗したフレーミング効果の事例を見ていきましょう。

 

進研ゼミの「あと少しで合格点」に焦点を当てる教材

ベネッセコーポレーションが提供する「進研ゼミ」では、中学・高校生向けに「合格点まであと◯点」という表示をして学習意欲を刺激しています。例えば模試の結果が返ってきた際、あと10点で志望校の合格基準に届くと示されると、「自分ならあと少し頑張れば届く」と思いやすいのです。これはポジティブフレームを使った効果的な例です。

 

駿台予備学校の成績表で「平均より○点上」をアピール

大手予備校の駿台予備学校では、受講生に配布される成績表で「全国平均より○点上」と表示する欄があります。同じスコアであっても、「平均より上回っている」という表現を用いることで、生徒が自信を持つきっかけになるのです。もし「あなたは平均より下です」と伝えたら、意欲を失いかねません。このようなフレーミングによって、生徒のモチベーションをコントロールしています。

 

フレーミング効果:他の事例

ここでは、ビジネスや教育以外の領域でも見られるフレーミング効果の事例をいくつか挙げます。

 

病院の「成功率」vs.「失敗率」の表示🔥

ある医療機関では、手術の前に患者に説明をするとき「成功率90%」と「失敗率10%」のどちらを使うかで、患者の不安度が変わります。成功率を強調すれば安心感を与えられる一方、失敗率を聞かされた患者は恐怖を感じるかもしれません。実は同じ確率なのに、言い方でこんなにも印象が変わるのです。

 

タバコの「喫煙は死亡リスクを高める」警告表示🔥

タバコのパッケージには「健康を害する恐れ」と明確に書かれていますが、それを「吸っても大丈夫かもしれない」と肯定的に解釈する人もいます。一方で「死亡率が何%上がる」と示すと怖く感じる人が増えるのです。実際のリスクは同じでも、フレーミング効果による捉え方の差が出ています。

 

保険の「安心プラン」vs.「最低保証プラン」🔥

生命保険や自動車保険の商品名に「安心プラン」「万全サポート」などの言葉が使われることがあります。

実際の補償内容が大きく変わるわけではなくても、言葉のイメージによって契約率が高まることがあります。これは消費者に「不安が減る」という印象を与えるからです。

 

スーパーの「95%無農薬野菜」vs.「5%だけ農薬残留の野菜」🔥

同じ野菜を「95%は無農薬」と訴求するのと、「5%は農薬が残っている」と訴求するのでは、消費者の印象が大きく異なります。どちらも実質的には同じ状況を表しているにもかかわらず、言い方の違いで購買意欲が変わるのがフレーミングの面白いところです。

 

プロスポーツチームの「勝率◯◯%」への過度な期待

プロ野球やサッカーで、あるチームの勝率が6割を超えていると聞くと、「かなり強い」という印象を抱きます。実際には4割は負けているのですが、肯定的フレーム(勝率)によりファンやスポンサーの期待は高まりやすいわけです。負け試合が多いと考えれば、少し印象は変わりますよね。

 

 

なぜフレーミング効果が起きる?

それでは、どうして同じ内容でも表現が変わると人の判断に違いが生まれるのでしょうか。ここでは3つの大きな要因について解説します。

 

原因①:「感情」に強く訴えかけるから

フレーミング効果は、論理的に同じことを言っていても、感情の動かされ方が違うために起こります。「プラスの表現」を使うと安心感や得した気分になり、「マイナスの表現」を使うと怖い・損という気持ちが刺激されるのです。

 

原因②:脳の「認知バイアス」が作用するから

人間の脳は、効率的に情報を処理するために多くの認知バイアスを活用しています。フレーミング効果もその一種で、提示のされ方によって情報を解釈する枠組みが固定され、そこから抜けにくくなるのです。

 

原因③:時間や知識の「制限」があるから

日常生活では、限られた時間や不十分な知識のもとで判断を迫られます。余裕がない中で提示された情報をそのまま受け取るため、フレーミングによる影響を受けやすいのです。冷静に比較検討する時間があれば、防げる場合も多いのですが、現実にはそううまくいきません。

 

 

【対策と克服法】フレーミング効果

フレーミング効果は、人間の思考や意思決定に大きな影響を与えます。しかし、この効果を正しく理解し、上手に使うあるいはうまく防ぐことができれば、仕事や日常生活で役立つ場面もたくさんあります。ここでは、小学生でもできる方法、個人レベル、組織レベル、そしてその他のアプローチに分けて紹介します。

 

【フレーミング効果対策】小学生でもできる

小学生のうちから、情報の見せ方や言い方が自分の気持ちに大きく影響することを知っておくと、将来的にも柔軟な思考を培うことができます。

 

❶ポジティブ・ネガティブ両面を考える

何かを「得」だと思ったら、あえて「もしかしたら損になるかもしれない」と考えてみる。逆に「損だな」と思ったら、「実は得かもしれない」と逆の面を考えてみる。そうすると冷静に判断できるようになります。

 

❷いろんな情報源を見比べる

一つのTV番組だけでなく、他のチャンネルやインターネット、本などを見て、同じニュースがどう伝えられているかを比べる習慣をつけると、フレーミング効果に左右されにくくなります。

 

❸友達や家族の意見も聞いてみる

自分とは違う視点を持つ人の話を聞くことで、自分がどんなフレームに影響されているのかに気づきやすくなります。「なんでそう思うの?」と質問してみましょう。

 

【フレーミング効果対策】個人レベル

大人が日常生活や仕事で活用・意識しやすい対策を紹介します。

 

❶複数の提示方法で検討する

何かを決断するとき、自分自身に「プラスに表現するなら?」「マイナスに表現するとしたら?」と問いかけてみるのです。同じ案件でも、フレーミングを変えると考え方が変わってきます。

 

❷数字の裏側をチェックする

「成功率◯%」や「◯円お得」といった数字が出たら、「その数字はどこから来たのか」「他の角度でも見られないか」を考える癖をつけましょう。たとえば、失敗率や割引前の実売価格などを同時にチェックすると、より正しい評価ができます。

 

❸メタ認知を鍛える

「自分が今どういう認知バイアスに引っかかっているか」を俯瞰する能力をメタ認知といいます。日記を書いたり、セルフレビューの習慣をもつなどして、客観的な視点を養うと、フレーミング効果を受けにくくなります。

 

【フレーミング効果対策】組織レベル

企業や学校などの組織において、誤った意思決定を避けるための仕組みやプロセスが必要です。

 

❶複数の担当者によるプレゼンテーション

意思決定の際、プラスフレームとマイナスフレームの両方で提案してもらうようにルール化すると、フレーミング効果に偏らずに検討できます。

 

❷意思決定プロセスの可視化

「どんなデータがもとになっているか」「どのような仮定が置かれているか」を明確に書き出し、議事録に残すことで、フレーミングの偏りに気づきやすくなります。

 

❸外部の専門家を交えたレビュー

組織の中だけで検討すると、同じフレームにとらわれやすいものです。第三者のコンサルタントや専門家を交えることで、多角的な視点から評価ができます。

 

【フレーミング効果対策】その他

ここでは、さらに広い視野での対策を挙げます。

 

❶ディベートや討論の訓練

学校教育やビジネス研修でディベートを行うと、肯定派・否定派両方の立場を経験するため、フレーミングによって考え方がどう変わるのかを実感できます。

 

❷科学的思考の習慣化

仮説→実験→検証→結論のプロセスを通じて、数字やデータを正しく扱う訓練をすると、フレーミング効果に流されにくい判断ができます。情報源をしっかり確認し、客観的に評価する姿勢が大切です。

 

❸他の認知バイアスも学ぶ

アンカリング効果や確証バイアスなど、関連する心理現象を知ることで、フレーミング効果が発動する状況やメカニズムをより深く理解できます。結果として、自分や組織がどのバイアスに陥っているのか気づきやすくなるでしょう。

 

 

フレーミング効果:関連用語

ここでは、フレーミング効果に関連の深い類義語や関連語を紹介しておきます。これらを併せて理解することで、人間の心理がどのように働いているかをより立体的に把握できます。

類義語

フレーミング効果と似た文脈で語られる心理効果を3つ挙げます。

 

フレーミング効果とアンカリング効果

アンカリング効果とは、最初に提示された数値や情報(アンカー)が、その後の判断に大きな影響を与える現象です。フレーミングと組み合わせて使われることも多く、たとえば先に高い価格を見せておいて、それより安い価格を提示するなどが典型的です。

 

フレーミング効果と確証バイアス

確証バイアスは、自分が正しいと思っている情報ばかりを集め、反対の情報を無視する心理的傾向を指します。フレーミング効果によって提示された情報を受けたとき、自分の考えに合う部分だけ受け取り、他を排除してしまう現象がよく起こります。

 

フレーミング効果とサンクコスト効果

サンクコスト効果(埋没費用効果)とは、すでに費やした時間やお金を取り返そうと考え、合理的でない選択をしてしまう心理現象をいいます。フレーミングによって「ここまで投資したからもったいない」と思わされることで、結果的に損失を増やすことがあります。

 

関連語

次に、フレーミング効果を理解する上で押さえておきたい用語を2つ紹介します。

 

フレーミング効果とリスク回避バイアス

リスク回避バイアスとは、人が損失を嫌い、確実なものを選びたがる心理を指します。フレーミング効果の研究では、損失が表現されるときによりリスクを取らない決断がされやすく、利益が表現されるときにはリスクを取る傾向があると示されています。

 

フレーミング効果とプロスペクト理論

プロスペクト理論は、ノーベル経済学賞受賞者のダニエル・カーネマンとアモス・トベルスキーによって提唱された、人がリスクを伴う選択を行う際の心理モデルです。フレーミングを変えることで、同じ期待値の選択肢でも選ばれ方が変わることを実証しています。

 

 

フレーミング効果:対策1分まとめ

フレーミング効果とは、同じ内容でも言い方や見せ方によって人の判断が左右される心理現象です。
対策としては、

  • プラスフレームとマイナスフレーム両面から考える、
  • 数字の裏をチェックする、
  • メタ認知を鍛えるなどが有効。

組織では、

  • 多面的なプレゼンや
  • 外部専門家の意見を取り入れると

意思決定ミスを防ぎやすくなります。

日常生活からビジネスまで、フレーミング効果を上手に理解し、活用することで賢い選択につなげましょう。

 

 

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