ライター:井上マサキ
第一回:インディーズ路線図とは
第二回:えこひいき! 鉄道会社が運営している施設編
第三回:どこからでも来れます!観光協会編
第四回:○時に出れば間に合う!学校編
第五回:個性的!なんかすごい編
※小出し記事は書けたところから即、小出しに公開する連載企画です!
8時の電車に乗れば間に合うよ!
インディーズ路線図を「鉄道会社以外の、なんらかの施設が作った路線図」と定義してきたが、「なんらかの施設」にはもちろん学校も含まれる。
特に私立校は予算が潤沢なのかキレイめのWebサイトを作っていることが多く、「アクセス」にはきっちりデザインされたオリジナル路線図がよくあるのだ。こちらにとっては宝の山である。
学校のインディーズ路線図における最大の特徴は、各駅に学校までの所要時間を載せがちなところ。
通っている学生には有益な情報であり、入学を検討しているご家庭に「お宅の最寄り駅から通える距離ですよ」とアピールする狙いもあるだろう。
例えば東京都品川区にある中高一貫校、香蘭女学校の「アクセス」には、東京近郊の主要駅からの通学時間が記載されている。八王子(72分)からでも通えるんだなと一目でわかるし、「ここから先は限界なのかな?」と思わせる大胆な省略も見どころだ。
なかには「○時発の電車に乗れば始業時間に間に合う」ことまで教えてくれる学校もある。逆算すればギリギリまで寝ることも可能だ。
愛知県にある日本福祉大学附属高等学校の「交通アクセス」においては、1ヶ月分の通学定期代まで併記。我が子を通わせる親御さんの、お財布の心配までしてくれる。これぞホスピタリティだろう。
地方はスクールバスが活躍
ここまで鉄道網が発達した都市部の学校を見てきた。一方、地方で通学の足として活躍するのがスクールバスだ。
先ほどの鉄道網で求められる情報は「所要時間」だった。対してスクールバスで求められる情報は「うちの近くを通るのか」だ。鉄道と違い、その路線がそもそもどこを走るかわからないから。
そうした情報を伝える究極の形が鹿児島実業高等学校のインディーズ路線図なのではないかと思う。
グレーの丸で示されているのは団地やニュータウン。6路線あるスクールバスがどの団地を通るのか、点つなぎパズルのように路線を描いている。
こんなに鋭角にバスが曲がるのか、と野暮なことを言ってはいけない。あくまで「ここを通りますよ」と伝えるのが目的だからだ。中学校名も併記されており「この中学の学区はこのバス」であることも明示されている。
あと錦江湾からジャンプするイルカの親子にも和む。
* * * * *
所要時間、通学定期代、中学校名……学校ごとに「これ必要だな」と思った情報がある。学校とはまた違った施設なら、載せたい情報も異なるだろう。この自由度の高さに奥深さを感じてもらえるだろうか。
いよいよ次回は最終回。「個性的!なんかすごい編」で爆発する自由度を見てもらいたい。
ライター:井上マサキ
第一回:インディーズ路線図とは
第二回:えこひいき! 鉄道会社が運営している施設編
第三回:どこからでも来れます!観光協会編
第四回:○時に出れば間に合う!学校編
第五回:個性的!なんかすごい編
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