ロック画面がWindows10っぽい
Windows10を使い始めてどれだけ経つだろう。
使い始めた当初は、見事に飛ばされてしまった「Windows9」に想いを馳せていたわけだが、今ではそんなこともなくなってしまった。
そのくらい見慣れた存在になってしまったWindows10で、ひときわ「っぽさ」を放つのがロック画面だと個人的に思っている。
パソコンを起動するたび、現実離れしためちゃくちゃきれいな景色の画像が日時とともに表示される(しかも定期的に画像が変わる!)。それがロック画面である。
デスクに拘束されて作業をする不自由な我々に、「こんな自由もあるんだよ」と示してくれる、ひとときの癒しと言っても過言ではないだろう(いや、過言かも)。
「あまり気にして見たことがなかった」という方は一旦パソコンを再起動してみてください。すぐに画面に出てくるきれいな景色が、そう、ロック画面です。Windows10っぽいでしょう。
このロック画面の構成をよく見てみよう。
・きれいな景色の画像
・左下に日時
・中央と左上に景色を説明する短いポエム
・右上に「気に入りましたか?」
基本的に、ロック画面はすべてこの構成となっている。
毎度さまざまな美しい画像が表示されるわけだが、実はそれらの画像はすべて同じフォーマットなのである。そこで思った。
この構成を守っている限り、どんな画像を使ってもWindows10っぽくなるんじゃないか。
手持ちのいろんな画像に日時とポエムを重ねてみよう。
何でもないような画像でも「Windows10っぽいな」と錯覚してしまったりするだろうか。
ロック画面のフォーマットを使って、僕の生活もWindows10っぽくしてみたい。
手持ちのきれいな風景写真に日時とポエムを重ねてみる
まずは普通の風景写真を用意した。
大学2年の夏に富良野に行ったときのラベンダー畑の写真である。
これはまぎれもなく「ただの写真」だ。普通にきれい。
これに日時とポエムを重ねてみる。するとどうなるだろう。
Windows10になった!
きれいな写真に日時とポエムを重ねれば、自らの手でWindows10が作れるのだ。
いままで、ロック画面はマイクロソフトからトップダウン的に与えられるのが常識だったわけだが、これは大きな転換である。
「綺麗な写真+ポエム・日時・気に入りましたか?=Windows10」の公式は間違っていないことがわかった。
こんどは写真を変えて試してみよう。なんでもない写真でもWindows10になれば革命だ。
では、なんでもない写真はどうなるか
この世界に存在する写真は大きく2つに分類することができる。「きれいな写真」と、「なんでもない写真」だ。Windows10正規のロック画面で採用されているのはきれいな写真ばかりである。これではなんでもない写真がかわいそうだ。手を差し伸べてあげたい。
カメラロールにたまり続けるなんでもない写真に先ほどのフォーマットをあてはめて、どう見えるかどんどん試してみようと思う。なんでもない写真をWindows10のロック画面として輝かせてみたい。どうなるだろうか。
画像をクリックすると、大きな画像が表示されます
Case1:夜のローソン
夜のローソンはきらきらしていて綺麗である。だが「絶景」という言葉とは不釣り合いだ。
でも、ロック画面の公式にあてはめてみるとどうだろう。
なかなかどうも退廃的な雰囲気のWindows10になった。
本家のWindows10も時々、動物が被写体の画像をロック画面に出してくることがある。そういう趣も感じる。
人間は飲みすぎると、ローソンで訳が分からないものを買いすぎる愚かな動物である。いとおしい。
Case2:仙台のラブホテル
仙台にあるラブホテルの鮮やかな画像だ。
仙台出身の友人が「ポケストップになっている人気のラブホテルがある」と熱弁していたのを聞いて、仙台までわざわざ見に行って撮ったものである。
これに諸々重ねてみよう。
本家Windows10のロック画面として出てくる画像はだいたい建築物だ。そのシリーズのひとつだと考えれば理解できる。ただ情報量が多すぎる気もする。
Case3:回鍋肉
遅めの昼ごはんを食べようと中華料理屋に入ったときの画像である。
お腹がすいていたので、定食のほかに餃子もつけた。
成人男性のただの昼食はWindows10になるだろうか。
カロリー高めのWindows10になった。黒烏龍茶が必須である。
奥の餃子はアスペクト比の関係で切れてしまったので右上のポエムで匂わせておいた。この匂わせは、本家Windows10の常套手段だ。
でも、例えば深夜の残業中にこんなロック画面が出てきてしまったら、飯テロによる訴訟案件になってしまう…。賠償金は数千ドルを超えるだろう…。本家もこの点には気を使っているんだと思う。
Case4:道に落ちていた食べかけのトースト
自分が持つ、最も謎を秘めた写真がこれだ。
舞台の入り時間に遅刻しそうになって走っていたら、歩道にトーストが落ちていた。もちろんじっくり写真を撮った。そして遅刻した。
もっと早い時間に走っていたらラブコメのストーリーが始まっていたのだろうか。でも早い時間だったら遅刻しないからそもそも走ってないし…。
これもWindows10になるだろうか。
本当のWindows10がこんなのを出してきたら、Cortanaに「どうした?なにかあった?」と聞いてしまうだろう。
なにもかも理解できないが、なんとなくWindows10の香りだけするのがなおさら気持ち悪い。
もはや「気に入る」という問題ではなく、ただひたすら「気になる」ロック画面だ。
Case5:偽WANIMA
僕と友人はWANIMAの真似事をしたことがある。
これは茂みからでてきた偽WANIMAの写真である。
当時から友人たちは「全然WANIMAじゃない」と言い張り続けているのだが、僕はそうではないと思っている。
この写真はどうなるだろうか。
よくわからないが元気が出てくるWindows10が爆誕した。
上司に責された後、自分のデスクに戻ってこのロック画面が出てきた時に生まれる感情は「笑い」だろうか。「怒り」だろうか。それとも「虚しさ」だろうか。それは誰も知る由がない。
たいていWindows10に見えることがわかってきた。
勢いがついてきたところで、ここからは一気に見ていただこう。
Case6:劣化した公園の遊具
Case7:電車の手すりにかけられたトング
Case8:牛皿
Case9:ビジネスホテル
Case10:マシュマロキャッチ
Windows10のロック画面の本質はポエムなのでは
画像のチョイスに偏りがあったとはいえ、全体的になんとなくWindows10っぽかっただろう。
綺麗な画像だけでなく、どんな画像を使っても、時刻やポエムなどを重ねれば、錯覚してだいたいWindows10っぽくなるのだ。
いつもマイクロソフトがランダムで出してくる画像とのギャップにやられてしまう。これがギャップ萌えというものか。
そしていくつか画像を作ってみて思った。このロック画面の本質は、綺麗な画像でも、時間の表示でもなく、中央と左上のポエムだ。あるのとないのじゃWindows10感が大違いだと思う。
このポエムを書いている人と会って飲んでみたい。どんな人なんだろう。社内コンペを勝ち抜いていたり、そういうドラマを背負ったポエムなのだろうか…?
気になる。Win10ポエム、僕も書いてみたい。
ロック画面の画像は自分で設定できる
この記事で登場した「Windows10っぽい」画像はすべて画像編集ソフトで作成した。
けれども後になって気が付いた。ロック画面の画像は自分で設定できるということに。
わざわざ画像編集する必要はなかったじゃないか!
しかし、これでは画像にポエムを重ねることができない。画像に日時だけが重なった、本質をもたない虚ろなWindows10になってしまうのだ。
現時点のWindows10にはポエム設定機能は存在しないので、更新パッチ待ちである。
ビルゲイツさん、更新待ってます。